1999/02/11 - 1999/02/12
78位(同エリア90件中)
koiさん
ムンバイ(ボンベイ)は、インド経済の中心地であり人口は1600万人の近代的なビル立ち並ぶ大商業都市です。かつて私達が学校の社会科で習ったのは英国植民地時代の名残でボンベイと呼ばれていました。このムンバイをまだ真っ暗な早朝に列車で出発しブシャワールで下車した後、バスでオーランガバードへ向かい美しい壁画の残る「アジャンタ石窟寺院群」を見学しました。
アジャンタ石窟寺院群の発見
1819年にイギリスの一士官が虎狩りの最中に深いジャングルの奥に隠れていた岩の寺院群と出会い発見されました。つまり8世紀以来廃墟となっていたため30を数える仏教の石窟寺院が残っているのです。その壁画は、古代インドの姿を壁や天井に描かれていてグプタ朝の宮廷生活を伝えています。第1窟のアジャンタでもっとも有名な蓮華手菩薩と金剛手菩薩像の壁画があります。よく見ると奈良の法隆寺にあるような壁画と良く似ていて日本の佛教のルーツがここにあると言えるでしょう。第2窟には、入り口天井部の壁画に青い靴下の異邦人があり、そり他仏陀の誕生の壁画もありました。アジャンタの壁画は、壁面を這う湿気や来訪者の増大が原因となり貴重な世界遺産である文化遺産に憂うべき劣化が進みつつあるようです。そのためフラッシュによる撮影は一切出来ません。ゆえに洞窟内に設置してある暗い電球の中でしか鑑賞できませんでした。日本でも最近になって高松塚の壁画にカビが生えるなど問題となっていますが何時までも大事に保存して頂きたいものです。
世界遺産は、国際理解の教材
私達の世界遺産は、人類の新時代に向けて自らの価値を提示する重要な役割を担っています。 そこには、緑豊かな森や山、清流や岩に富んだすばらしい自然環境があり、これらを人々は昔から保護し神々として敬ってきました。そのアニミズムは、生態系を維持するために、あらゆる生物種の保護に寄与し、そんな所に人々は癒しを求め巡礼し、その旅の途中に様々な人々の遭遇がありました。その出会いが、新たな文化を産みました。
多様性を敬うアニミズムは、その地で日本の民族宗教である神道に仏教を争うことなく受け入れ習合させてきました。 その智恵。多様性と対話の尊重に立脚して環境保全と世界の平和共存をうながしてきています。
ユネスコの世界遺産は、文明間の衝突でなく文明間の対話をうながす最も優れた国際理解の教材でなければなりません。この対話の姿勢は、平和の文化を育むことでしょう。
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石窟寺院群の第一窟内部の壁画【世界遺産】「蓮華手菩薩」
アジャンタの壁画は、壁面を這う湿気や来訪者の増大が原因となり貴重な世界遺産である文化遺産に憂うべき劣化が進みつつあるようです。そのためフラッシュによる撮影は一切出来ません。ゆえに洞窟内に設置してある暗い電球の中でしか鑑賞できませんでした。その撮影のデーターは、ASA400の高感度フィルムで絞りF1.8のシャッタースピード1/8か/1/4でないと映りません。しかし三脚は、持ち込み不可能なので中に柱がある所にカメラをくっつけて撮らないとぶれてしまいます。左の写真は、そのように苦労して撮った写真です。日本でも最近になって高松塚の壁画にカビが生えるなど問題となっていますが何時までも大事に保存して頂きたいものです。 -
アジャンタ石窟寺院の第26窟【世界遺産】後方は、仏陀の「涅槃像」
第26窟にあるブッダの涅槃仏は、アジャンタで唯一、インドでも最大級の涅槃像です。仏陀が涅槃に入った場所がインドのクシーナガラにありますが、ここの涅槃像は大変大きくてびっくりさせられます。この写真は、20メートルほど離れて撮った物で足の先まで全部入っていませんか。およその長さは、15メートルくらいあるでしょうか?当時の人達が岩場を堀進んでいきながら、その壁面にこの涅槃像を造ったのですから大変な労力と日数がかかったのか想像できません。 -
アジャンタ石窟寺院群【世界遺産】
外から見た石窟寺院群。下に人物が写っていますので如何に大きい石像の寺院かがわかります。8世紀以来廃墟となっていたため30を数える仏教の石窟寺院が残っているのです。その壁画は、古代インドの姿を壁や天井に描かれていてグプタ朝の宮廷生活を伝えています。 -
石窟寺院群を見学に来たインド人
インド人もびっくり「インドカレー」ではなく、インド人もびっくりする石窟寺院なのです。 -
石窟寺院群の第一窟内部の壁画【世界遺産】「蓮華手菩薩」
よく見ると奈良の法隆寺にあるような壁画と良く似ていて日本の佛教のルーツがここにあると言えるでしょう。インドのヒンズー教寺院やネパール寺院など色々な所に行きましたが、この様な日本の仏像とよく似たものはここにしかないように思います。それだけにインドやっと日本の仏像そのものにお会いした感じがしてほっとしました。私が長年探し求めていた物がインドの地でようやく見られたからです。日本の仏教のルーツが見られるのは、ここにしかありません。 -
石窟寺院群の第2窟入口の壁画【世界遺産】仏誕生の場面
第2窟には、入り口天井部の壁画に青い靴下の異邦人があり、そり他仏陀の誕生の壁画もありました。よくぞこれだけ長い間たっても我々の前に姿を見せてくれたのも今まで誰の目にもさらされずにいたためと思われます。 -
アジャンタ石窟寺院の内部【世界遺産】
この洞窟の中で修行僧が生活していたのでしょうか。ひろい洞窟の中に沢山の像が刻まれていて本当に感動しました。 -
アジャンタ石窟寺院群【世界遺産】
遠くから見たアジャンタ石窟寺院群です。写真の下に人物が見えますので、その規模の大きさがおわかり頂けるものと思われます。
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