2002/09/10 - 2002/09/13
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アリヤンさん
アフガニスタンのカブールに行くにはトライバル・エリア(政府のコントロールの効かない部族[パシュトゥン人]が住んでいる地域)を通ってカイバール峠を越えねば成らない。
そのカイバール峠にはいる手前にあるゲート近くには密輸品で溢れる市場があると言われている。
通称バラ・マーケットと云う。
ここに行けば何でもあるといわれ、麻薬も武器もなんでもあるらしい。
表むきは、電化製品や日常雑貨製品で、その出所は今ではドバイがメインである。
ドバイ(デイラ・クリークサイドに停泊するダウ船に製品を載せて)→
(ペルシャ湾対岸の)バンダラ・バス(イラン)→
(イラン国内陸路、アフガンとの国境の聖なる町、イラン北東部のイスラムシーア派の聖地)マシャッド→
(アフガン国境を越えて)ヘラート(アフガン側のトライバル・エリア。ここで関税と称する通行料を徴収されるらしい。)→
(昔はタリバーンの拠点=カンダハルを通っていたが、今は北のルートを通って)カブール→
ジャララバード→
カイバール峠(ここらでも通行料が取られるらしい)→
(パキスタンの)ペシャワール、他の都市、という経路で商品がパキスタン側に入ってくる。
なんの事はない、古代シルクロードのルートそのものである。
つまり、現在もシルクロードは密輸ルートとしてちゃんと生きているのだ。
アフガンでは正規の関税などとは、ほぼ無縁であるが、トライバル・エリア通行料が関税の代わりとなっている。
密輸といえば密輸かもしれないが、古代からのシルクロードを渡るれっきとした交易取引だといえよう。
税金の代わりに通行料を払っているので、正規ルートといえば正規ルートかも?
ここペシャワールは「ガンダーラ仏教」の中心地でもあった。
首都のイスラマバードとペシャワールの間に、タキシラという古代都市遺跡がある。
はるか紀元前の昔に、マケドニアのアレキサンダー大王が遠征してきて支配した地でもある。
アケメネス朝ペルシャを蹴散らし、進入してきたアレクサンダー大王が、インドのマウリア王国と対峙して、西に方向転換した辺りなのだ。
西と東がぶつかり、せめぎあった場所なのだ。
当時のインドでは、釈迦(ブッダ)の仏教が隆盛していた頃で、ガンダーラ地方で、ギリシャの西洋文明と融合した為に、ここらで史上初めて仏像が作られ始めた。
よって発掘される仏像は、ヘレニズム洋式が備わっている、というワケだ。
現在は、この地方もイスラム教世界にどっぷりつかっていて、現地の人たちはそうした仏教遺跡には全く興味が無く、仏教の雰囲気は博物館の中だけで味わえることとなっている。
*お仕事現役時代、初めてパキスタン・マーケットを担当した時、前から担当していたヒトはパキスタンという国の危険さとキチャナさに腰が引けてしまっていた。当方は中近東20年選手だったし、若い時にユーラシア大陸横断でこの国だけでなくアフガニスタンも横断した経験があったので、初めから親近感をもって接しられた。
危険、危険といっても日本のメディアの情報のみで判断していて真のパキスタンという国情を理解しておらず、皆が腰が引けていた。現地の代理店だのみで出張は代理店とホテルの間の往復のみでどこに真の実力者が居るのかさえ皆さんご存知なかった。
地元メディアの分析、過去の取引事情の分析、他社の情報分析から取り掛かり、たいして危険でもなく優良な市場であることを割り出した。それから当方は出かけて、代理店活用はするが独自の視点でどこにでも出かけて行って、競合他社の客先にまで出かける。そんな活動から市場での真の実力者が浮かび上がってくるのでした。
そんなことからこんな貧乏国ですがある種類の商品では世界一の販売を誇るようになったことがありました。
この時もそうだが、中近東では日本のメディアだけでは大した情報が得られない、地元も含め元宗主国や周辺国からの情報も分析して真の姿をあぶりだし、あとは行動あるのみ!でした。
もちろん身の安全が一番ですから、危機管理は徹底し、五感を研ぎ澄ましての行動が大事だった。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- タクシー
- 航空会社
- パキスタン航空
-
オールド・ペシャワール。
かつては城塞都市。
現在のペシャワールの西側、線路を西側に渡ったところにありその殆どがかつては城壁に囲まれていた。
オールド・ペシャワールの街全体がスーク(バザール)になっているかのように賑わっている。
ここにくれば混沌とはどういうものか?が分かると思う。 -
なにやら食べ物の店らしい。
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こんなところに銀行?
こんなところで両替したら(実際は出来ないと思うが)ニセ札を掴まされそうだ。
(パキスタンのドル札にはニセ札がよく有る。ワタクシも日本の銀行でニセドル読み取り器に引っかかる20ドル紙幣を実際に持っている。
これはカラチの両替商でもらったものだ)。
*後日2009年にインドに行った際、コーチン空港でその20ドル札を両替してしまった。 -
イチオシ
オールド・ペシャワールの中心にあるクロック・タワー(時計塔)。
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仏様(ブッダ)が托鉢した時の鉢といわれる鉢が発見されたお寺の遺跡。
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城塞の門。
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ここで仏様の托鉢した鉢が発見された(19世紀初頭、イギリスの考古学者が掘り出した)。
この鉢の他、仏陀の遺灰の入った壺がここペシャワール市南部で同時期に発見されている。その壺もペシャワール博物館に陳列されている。 -
現地で購入したペシャワール解説雑誌に載っていたオールド・ペシャワールの地図。
それに当方が歩いたルート(赤点のルート)を入れてみた。
ここは一人で歩くには、結構勇気が要ります。
かと云って団体で歩けばもっと危ないと思う。
現地人と差が無いような貧しい風体で、手ぶらで肩の力を抜いてブラブラ歩き、目があったらニコニコと右手を少し挙げて「サラーマ・レイ・コム」と挨拶をして、そのあと右手を胸に当てる。
こうして自らもイスラム教徒であるように振る舞わなければ、身に危険がおよぶかも知れません。
ただでさえよそ者は目立つし、皆がジロジロ見詰めるので何かしら危険でもある。 -
イチオシ
ペシャワール博物館で撮影できなかった遺灰壷。
と同様のものを後日、大英博物館で発見して写真に収めた。
大英博物館の壺は、紀元2世紀ころ、北インドで栄えたクシャナ朝のもの。
カニシカ王の時代に仏塔に収められたもの、とのこと。 -
ペシャワール博物館ではないが、もうひとつ見て、感動+興奮したのが、コレ、「断食するシッダールタ」だ。
この像の前に立つと、その鬼気迫る迫力に胸が鳴り出すほどです。
写真はタキシラの博物館のもの。
同じような像がラホールの博物館にも有る。
一見の価値おお有りの仏像です。
この像の前に立つと、その鬼気迫る迫力に気おされてしばらく動けなくなります。 -
ニュー・ペシャワールの街に戻る。
ペシャワールの砦。 -
ペシャワール博物館。
ヘレニズム様式と東洋美術の融合したガンダーラ様式の仏像がいっぱい並んでいる。
写真撮影禁止のところをスキをみて撮影した2枚。
(フラッシュを焚けば古いものが痛むので決してフラッシュは焚かないこと。大英博物館やルーブルでは写真撮影オーケとなっている。)
仏陀の遺灰の入った壺(カスケット)も陳列されていたが、撮れなかった。残念! -
こうしたガンダーラ美術を見るにつけ、もっと勉強をしておけば良かったのに!っと後悔の念が湧いてくる。
浅薄な知識では、ガンダーラ時代にワープ出来ないのです。
猫に小判、豚に真珠となります。 -
イスラミア・カレッジ。
イギリス支配時代の20世紀初頭の建物で、観光ポイントとなっているが、インダス文明やガンダーラ美術の香りが漂うものでないと、物足りないのは否めない。 -
こんなお年寄りを見ればホッとする。
このオジイさんはどうしても、死にみやげに日本に行きたい、と云うので一日かけてイスラマバードにある日本大使館に一緒に行って、保証人になってやって、日本のビザ申請したことが有る。
大使館員と面談して、ワタクシが保証人になる旨を書いた手紙を手渡した。
その日の感触は良かったが、後日彼がビザを受け取りに行ったら、書類不備とか何とか言ってビザがもらえなかった。
取引先のヒトのオヤジさんだが、パキスタン人、しかもタリバーンと同じパシュトゥン人でアフガン近くのペシャワールのヒトは、日本の大使館も怖かったのか? -
田中真紀子外相がペシャワールに行った時も泊まったと思う、ペシャワール唯一の高級ホテル、パール・コンチネンタルの部屋から表通りを見た風景。
日本からのツアーの人たちも、大抵はここに泊まると思う。
今回は、お年寄りのグループにエレベータで出会い、「日本人ですか? そうですか! 何をしにペシャワールに来られたのですか?」「アンズの花が咲き乱れる谷をみに来たのです」、と仰っていた。
恐らく、スワート地方の村にでも出かけるのか、もっと北のカラコルム山脈K2のふもとのフンザまで足を伸ばすツアーの一行だと思う。
どんな所にでも日本人ツアーが現れる今日このごろ。
日本人、おそるべし!
*後日、このパール・コンチネンタル・ホテルは爆弾を満載したピックアップトラックの自爆テロで大きな被害を被った。 -
ラホールからペシャワールに向かうフライトの窓。
北方はるか彼方にカラコルム山脈の白い山並みが見える。いつかは行って見たい、K2。
(絵葉書) -
7,000メートル超の山々を望むカラコルム・ハイウェイ。
いつかは通ってみたい。
(絵葉書) -
山おとこ達の垂涎のまと、フンザ・バレー。
いつかは訪れてみたい。
ここを通ってシルクロードの街、カシュガルに行ってみたいものだ。
(絵葉書)
*このルートは中国の一帯一路プロジェクトでカシュガルからインド洋のカラチやグワダルまでのインフラは急激にレベルアップされるだろうから、ワタクシのユーラシア大陸サイクリング横断ルートのひとつとして期待されています。
時間をかけさえすれば、行けそうです。
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