2006/07/17 - 2006/07/17
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けーしちょーさん
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香住町。日本海側に面した小さな町に、よもやこんなスゴイお寺があるとは。驚きました。
内部はもちろん撮影禁止ですが、デジタルミュージアムと銘打ったホームページで、詳しく説明されています。
http://museum.daijyoji.or.jp/index.html
ね?すごいでしょ?
その場で実際対面すると、震えるほどの感動です。
まるで一つの美術館のようです。
では、内部の展示はデジタルミュージアムでご覧いただいて、お寺の外部をご紹介します。
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漁火ライン。
日本海の海岸づたいに延びる道は、そう呼ばれているようです。
山あり谷あり。
美しい海岸線が続きます。 -
所々に、海岸線を眺められるパーキングのような、ちょっとした展望できるスペースもあります。
なんだか鬼太郎の家のような小屋を発見!!
見張り小屋のようです。 -
もう、案内看板にも「応挙寺(大乗寺)」とあります。
到着しました。
まるでお城!! -
すごい石垣。
あっけにとられる、けーしちょーご一行。
お寺の概念を覆すような、そんなお寺です。 -
石垣の前には、これまたすごい日本庭園。
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歴史を感じさせる境内の巨木。
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階段を上り、山門をくぐると、応挙一門が出張してきて作成したという、立派な襖絵のある本堂があります。
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本堂の真正面には、円山応挙の像が。
その昔。京都で修行中だったこの寺の住職さんが、苦学していた応挙さんの絵の才能を見抜き、学資を援助してあげたそうです。
後年、弟子が100人はいた、という応挙一門を引き連れて、かつて受けたご恩返しに、本堂の建て直しをしていた大乗寺にやってきて、襖絵やら屏風絵やらを書き残していったそうです。
ええ話や。
応挙の絵だけでなく、その息子たちや、弟子たちの絵が、「これでもか」と現存しています。 -
嗚呼、やっちった(爆)
城崎にて(爆)
応挙は、夜中トイレに立った自分の妻の、手を洗い「ぷるぷる」と自分の手に残る水分を飛ばすしぐさを障子の薄明かり越しに見て、「幽霊」の絵の構図を思い立ったらしい。
そう。それがやりたくて城崎でこんな事をやってた。
うらめしやぁ〜
の、基本ポーズはこうして生まれたらしい。
幽霊が、手を自分の胸のあたりに上げてるのは、トイレ帰りだから(爆)
障子越しだから足は無く、「幽霊は足が無い」のも、応挙以後の「お約束」なのだと、水木さんもおっしゃってるんですよ。
しっかし、自分のトイレ帰りが、その後の幽霊画を決定付けたなんて、複雑だよなぁ。 -
入場料を払って、本堂を見学することができます。
小坊主さん?のような、高校生くらいの男の子が、我々に付き添って解説してくださって、それがとても好印象。
「ここから、襖絵を斜めにご覧ください」
「こちらの絵は、応挙さんの息子さんが描かれたものです」
一生懸命、丁寧に説明してくれるので、やっぱり気になって「将来の跡取りですか?」と聞くと、違うらしい(爆)
深読みしすぎちゃってごめんなさい。
観光バスも乗り付けてる名所のようで、ヨイヨイのおっちゃん集団が途中から入ってきて、男の子の案内をちゃんと聞かないどころか、困らせてばかりの態度にムカムカしたが、沸点は連れのほうが低かった。一喝。
関西のおっちゃんたちは、関東の言葉、それも女性が発するキツイ言葉が苦手らしい。以後は借りてきた猫のようにおとなしくなってしまった。
決して怖い人ぢゃないんですよ。あたしたち。オホホ。 -
裏山が、階段状になっている墓所で、「嗚呼、掃苔したい」と思わせる、なんとも素敵な墓所で。
どうして、こんなに立派なお寺なんだろう。
どうして、円山応挙の学資を援助することができたんだろう。
小坊主さんの上司らしき女性に、2階の襖絵を案内していただいた時、この疑問について伺うと。
なんでもこのお寺は昔、相当な土地を所有している大地主でもあったらしく、周りの藩の大名が、このお寺に集まって会議をするような、この地方でも最も力のあったお寺らしい。との事。
円山応挙を世話した人、というのは、このお寺さん以外にもいたらしく、応挙はそういう人へのご恩返しを忘れなかったそうで。このお寺のような、円山応挙が書き残した絵があったけど、戦後になって手放してしまった、という例も数多くあるのだとか。
ほんとにフツーに、襖絵として襖に嵌めこまれたままの状態で保存してある、ここ大乗寺のようなパターンは例外であるそうで。
でも、あと何年かしたら、ここの襖絵は保管庫に厳重に保存され、襖絵の無きあとは、複製を置くことが決まっているそうで。
「高速道路もこんし、新幹線もこんし、寝台特急出雲も廃止されてしまったし、ここらは辺鄙すぎて、より辺鄙になっちゃうの。どんどん色んなものがのうなってくけど、こうして手付かずに残ってるものもあるの。私は、この場所が好きなんやけどね」
と、案内してくれたおばちゃんの言葉が印象的。
餘部鉄橋も100年前の鉄橋なのに、現存するのは、こういう地域性も大いに影響してると思われ。 -
気が付けば2時間が経過。
何度も見ることができ、時間にも制限を設けておらず、ゆっくりと、応挙一門の作品と対面することができる、素敵なお寺。
もう、行田の鉄剣よりも、こっちを国宝にすべきではないのか?と思うほど、応挙一門の傑作が一箇所で閲覧することのできる幸せ。
そもそも、このお寺の存在をキャッチしたのは、連れの友人でした。長沢芦雪(ロセツ)が大好きで。
弟子を引き連れて、お礼奉公にやってきた応挙さん一門。その中でも芦雪は、今で言うところの無頼漢だったらしく、絹に描くのが主流だった時代に、酒を出されると紙に喜んで描いちゃったらしく、わりとあちこちに作品が点在しているそうです。
「キミの分も払うから、悪いけど付き合って!!」
別料金だった、2階の芦雪の絵と対面した時、説明する係の方よりも友人のほうが詳しくて、逆に色々教えてしまうほど。
で、しばらくほっといてあげました。
というか、本当に好きなものと対面できた友人は、居住まいを正し、芦雪と何かを話ているような。こちらが声をかけられなった、というほうが的確かもしれません。
これだけの絵が、東京の上野あたりにやってきたら、すごい騒ぎになりそうです。
でも、さりげない。絵も、お寺も、ただ静かに時を刻んでいるようです。 -
円山応挙にちなんでか、駐車場の脇に、こんな和菓子屋さんがありました。
-
やっぱり、ここは山陰だった!!
「いらっしゃいませ〜お茶をどうぞ〜」
試食用に置かれた商品は、どれもこれもおいしい。
お茶をのみながら、気づけば結構食べていた!!
結局、あれもこれも、と、かなりのお菓子を買ってしまった。どうして、山陰のお菓子は、上品で廉価なのでしょう。京都っぽいけど、京都ほど敷居が高くなく。
お店の人の感じも、ぜんぜん売り込みに熱心ぢゃなくて?あれこれ迷っても、ゆっくり待ってくださっていて、とても感じがよかったです。
一番気に入ったのは「芋けんぴ」のようなお菓子。
芋けんぴというと、武器のような鋭い口当たりが怖かったりするのですが、こちらのは、口解けが良くて、不思議な食感。ビールと良く合うので、自分一人で食べてしまいました。ちょっと血糖値が気になる組み合わせ(爆)
それにしても、素敵なお寺です。
アクセスは、あまり良いとはいえませんが、機会があったら是非、傑作と対面してください。
行けない人は、デジタルミュージアムで。
日本海沿いの、静かな小さい町に、ビッグネームの名作の宝庫がありました。
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この旅行記へのコメント (7)
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- スーポンドイツさん 2011/10/07 10:29:57
- 行ってきましたよ〜♪
- けーしちょーさん、こんにちは
9月の連休にバイクで3百数十?走りましたぁ〜(*^_^*)
京都国立博物館での応挙展以来、本来ある姿で見たい!という憧れをずっと持ち続けていました。けーしちょーさんの旅行記に触発されてGO!
保存の為、複製といえども感動でした♪芦雪などお弟子さん達のは本物だし(^_^)v
襖絵の松の枝の先にお庭と日本海が見えると勝手に想像していましたが、戸が閉まっていたし、違った〜(~_~;)
豪雪地帯で、冬は軒下まで雪が積もるんですって!住職さんが、「雪の重みで大木が倒れないかと絶えず心配」と話しておられました。
ひととおり解説の後は、「自由に見て下さい」なんて!すっかり気に入りましたよ。
団体と遭遇せずにすみました(笑)
残念なことには、豪雨の影響で海岸線が通行止め、美しい景色を見れませんでした。
「またきんしゃい」ってことですね。
すーぽん
- けーしちょーさん からの返信 2011/10/09 20:10:10
- RE: おかえりなさ〜い♪
- すーぽんさん。こんばんは。
応挙?芦雪?・・・・豪雪地帯???
何かと思い、関連の旅行記をクリックしたら・・・・懐かしい!!
山陰の、餘部鉄橋が掛け替えらえるってんで行った
あの旅行記ではないですか。
やはり。保存の為の複製化は進んでいましたか。
あの辺りをバイクで走るのも、いい感じぢゃないですか。
夜はスゲー怖そうですが。
・・・って、豪雨で通行止めでしたか。
私も、この時に経由した鳥取砂丘は豪雨でしたよよよ。
そうです。きっと呼ばれているんですよ。
リベンジツーリング、ですネ☆
山の陰、なんて、失礼な地名ぢゃんて思ってましたが。
行ったら行ったで、山陰って言葉がしっくりくるような気がしています。
そこに、日本画がスゲーはまる。
記憶と感動が蘇ってきました。
旅行記の掘り起こし、というか。
本人でも記憶の彼方な旅行記を気にかけていただいて
嬉しいです。ありがとうございます。
で。ちょっと昔の旅行記を読み返してしまい。
お返事が遅れてしまったことはナイショです。
けーしちょー拝
-
- 萌愛さん 2006/08/03 11:47:58
- 応挙寺
- 名前は、知ってはいたが…
いきなりのストーン・ショックで「悶絶」
オツムも手も使い物になりません〜
「心の準備」してから、再訪問しますう。m(__)m
- けーしちょーさん からの返信 2006/08/03 23:18:55
- RE: 応挙寺
- やっぱり♪
この石垣は、萌愛さん、喜びそうだなぁ。と思って、
なんだか執拗に撮影しまくったものの中から、比較的まともなモノをup。
やっぱり食いつきがイイ!!
なるほどストーンショックかぁ。隕石?
この石垣といい、苔のムシムシ具合といい、応挙これでもかっ状態。
このお寺は、旅の「ついで」に立ち寄ったのですが
予想外の感動がありましたよ。
落ち着いてください!!でも一票、ありがとうございます!!
再訪をお待ちしておりますm(_ _)m
- 萌愛さん からの返信 2006/08/07 12:54:22
- RE: RE: 応挙寺
- まじまじと1時間以上見てしまったアルバム。
うーん、凄い!「石積み」「渓流」もろもろの…風情!
デジタル・ミュージィーアムもさることながら、けーしちょーさんのアルバムで、こんだけ感動して、こんなに遊べるとしたら…
萌愛が、このお寺へ行ったら「もう、帰らないもんね。」ってなりそうな予感!ってヤバクないかあぁ〜!!
しかし、「行きたい」このお寺…悶々の萌愛でございます。
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- ジュリままさん 2006/08/02 16:18:31
- 円山応挙の像
- なんだか鑑定団みたいなビックネームが出てきてますねー
あいかわらずけーしちょーさんは切り口がするどいなー
関西のおっちゃん達に一喝したことに対して今日は1票だす!
私の誕生日、渡辺美里と同じ日です!
確か中森明菜とも1日違いかな?
あとねー、ハリソン・フォードとも1日違いだったはず(爆)
タロサミュージアム、行きたいなー
ピカソやマチスに近い天才だと思いますよ・・・岡本太郎
でも8/5から始まる中村征夫(水中写真家)の写真展も行ぎだい-----------っ!
そしてみなぞー君はもぉいないけど、えの水も行きたい・・・
けーしちょーさん、一眼レフですかー
すごいなー(ちょっとそんけー)
私のもコンパクトではないですねー(^^;
充電式じゃなくて、単三2本で撮るタイプなので厚みがあるし・・・
でもお高い乾電池なら250枚ぐらい撮れるし、気に入ってます♪
使いこなせるよーになって、来年のフォトコンに出せたらいーなー
(あくまで希望・・・)
ジュリまま
- けーしちょーさん からの返信 2006/08/03 22:55:17
- RE: 円山応挙の像
- そうそう。いい仕事してますね〜(爆)
まぁ、たまげたお寺でした!
おっちゃんたちに一喝したのは連れですんで、
連れにご報告しときます。悪いことを、悪いと注意できる姿。
カッチョイイ。
ジュリままさん。渡辺美里かぁ。
好きだったなぁ。時代だぁ。
確か、網浜直子に負けたんだよね。セブンティーンかなにかで。
でも、モー娘。の平家みちよみたいなもんで、歌手になって大正解♪
で、松本明子は渡辺美里のマネがものすごく上手い♪
何気に渡辺美里好き〜。
タロサミュージアム。今、すごい盛り上がっているようです。
日テレのせいだ〜。
で、昨日はためしてガッテンで水族館特集。
ガッテン家族の夏休みは、えの水での過ごし方でした。
混みそうな企画は、いつもテレビから。
つうか、小学校の修学旅行でえの水に行ったのですが
その頃と様相が一変!!アタシも行きたくなってしまったっ!!
そうそう。一眼レフなの。いっちょまえに。
でもねぇ。多分、一眼レフトラベラーの中でオレが一番へたくそ(爆)
それは餘部鉄橋で、如実に現れてしまいました。
のぉ。
アタシなりにがんばってみようとは思ったのですが。
なにせ、被写体がフィギュアだもんで。ふっふー。
まぁ、まず旅ありきってことで。
フォトコンは後からついてくる??
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