なにもないところ＠大理

2006/06/26 - 2006/06/26

　麗江から大理までバスで約４時間。バスの待合で日本人旅行者と出会う。
「なぜ僕が日本人とわかりましたか？」と聞くと「だって日本のサッカーユニフォーム着ているじゃないですか」って。確かに、すっかり忘れていた！


　何でも雲南が好きで、大理だけでもう４回目だそうだ。彼女は中国ペラペラ。「主婦なんで一人で自由気ままに旅行している」とのこと。おいおい夫は大丈夫かと余計な心配をする。

　バスの隣の中国人は重慶のホテルの日本人担当ということで日本語ペラペラ。休みをとって四川・雲南を旅行中とのこと。彼女はもの珍しそうに言う。「なんで大理に行くんですか？観光するとこ、ないですよぉ。私は素通りしますよぉ」

　大理は僕も始めてで勝手がわからない。待合で出会った日本人に従うまま、途中でバスを降り、ミニバスで古城へ向かう。ついでに中心街の安宿まで案内してもらった。彼女に近郊の見所を聞いてみた。

「うーん、なんでしょうね？何にもないからバスで適当に田舎のほうでも行ってみたらいいんでないでしょうか？」

　彼女と別れ、日本料理屋「菊屋」で飯を食う。お店の中でギターを弾いている男性から話しかけられる。大理のことをかなり詳しく知っているなぁと思いきや、「菊屋」オーナーの娘さん（中国人）と結婚しているということ。今は日本に住んでいて里帰りで嫁の実家の大理にいるらしい。

「大理はいいですよ。人がいいし、みんなやさしいし。ここにいるといろんな日本人に会えるから楽しいんですよ。」彼にも見所を聞いてみた。
「うーん、鵜飼ツアーとか馬乗りツアーに参加しないとやることないかな？何もすることがない町なんですよ」

　隣の席でテリヤキ定食を食べている中年男性は一人でタイ、ラオス、中国をまわってきた。次はミャンマーに行くとのこと。旅行話でしばし盛り上がる。彼は１０日間も大理にいるらしい。

　「いやー自転車で古城から３０km先まで行ってきましたよ。でも田んぼと畑ばっかり。ここは何にもないけどのんびりしていますよ。私は毎日ここで飯食べています、ガハハ」

　食事の後、僕も古城周辺をのんびり探索してみた。聞いたとおり特に名所があるわけではない。城跡があり、露店が並び、そこに住む人々がいる。みんな笑顔で穏やかな表情だ。そうここは中国の田舎町の日常がある。

　なにも取り立ててみることがない、特にすることもない。でもこんな大理が僕も好きになりそうだ。

エリア 大理(中国)