百塔の都にて。

2004/03/02 - 2004/03/15

東欧旅行の〆として立ち寄ったプラハ。ウィーン並みに綺麗と聞いていたので期待はしていたけど、期待以上。ベルリンと迷っていたんだけど、プラハにして良かった！とにかくものすごい綺麗。ローマ、ウィーンに並ぶくらい、街そのものに重みのあるところ。街の力を感じる場所だった。

エリア プラハ(チェコ)

到着は午後遅い時間。その日はホテルでお休みして、翌日朝、市庁舎に登ってみた。どうですかこの眺め！最高！

市庁舎広場にでん、とそびえるはティーン教会。市庁舎の時計台からの眺め。

本当にどこを見ても美しい街です。
しかし・・・実はとてもとてもとてもとてもとて（ｒｙ寒かった・・・

訪問時期は3月の初めで、覚悟はしていたので準備はちゃんとしていった。長いダウンコートの中にストールをマフラーのようにぐるぐる巻きにして。その下は、厚めのセーターとカットソー。下半身はウールのパンツ。これで服に関してはほぼ万全。

しかし、靴が問題だったのでした。
雪や雨が降ったりやんだりするプラハの3月は、寒さが地面からじわじわと上がってくる。滑らないように、海外旅行時はいつもはいていくコンバースのハイカットレザースニーカーでは、いかんせん底が薄すぎた・・・
結局、出発点のクラクフからこのプラハまで、終始足先の冷えに悩まされる旅になりました。確かに、5月のローマに行くのと同じ靴じゃダメですな。

次に冬の東欧へ行くことがあったら、絶対底の厚いブーツを買います・・・

街で見た奇怪な建物。「400年前の建物も、去年の建物も、みんな同じ外観」という典型的ヨーロッパの街なのに、忽然とこんなシロモノが現れます。後で調べたら、有名な建築らしい。19世紀末の作品だそう。ユーゲントシュティールってやつだね。こういう不思議なセンスを持つ人が現れるのも、東欧らしいといえばらしいのかな。

カレル橋から見たお城。手前に写っているのは工作船かしら。ヴルダヴァ川は今も昔もチェコの生活の中心のようです。

まぁ、定番ですが。プラハ城の衛兵交代。

聖ヴィート教会。笑っちゃうくらいの巨大さ。この壮観の前にはどの民族の人間も皆等しく小さい。ミュシャのステンドグラスもばっちり見てきました！

このへんから私の旅行らしくなってくる。

第二次大戦中、レジスタンスが抵抗を試み、銃撃戦の果てに全滅した教会。とかいって今名前度忘れ中。帰って調べます・・・

日本ではマイナーですが、ヨーロッパではちょっと有名な史跡です。ナチスの重鎮ラインハルト・ハイドリッヒ暗殺犯であるヤン・クビス以下、4人のチェコ人レジスタンスがこの教会に逃げ込み、壮絶な最期を遂げました。その報復措置としてナチス側が行ったのがリディツェ村大虐殺で、こっちのほうが歴史上はメジャーみたい。
ちなみにハイドリッヒ暗殺はイギリスのチャーチルの意思によるもので、レジスタンス達はイギリス国内のレジスタンス訓練学校で養成された人たちでした。だから純粋な市民による抵抗活動とはちょっと違う。

でも、チェコの人たちは今でもレジスタンスたちに敬意を表します。レジスタンスたちが隠れていた地下の部屋には今でもお花がいーっぱい。裏に誰の意思があるにせよ、「祖国のため、闘って死んだ」ことに変わりはないものね。チェコ人は、穏やかに見えて激しい魂を持った人たちなのだ。「戦士」に対して払う敬意は相当なもの。

ユダヤ人墓地。折り重なるように墓石が連なり、静謐なところ。ユダヤ人が経験したたくさんの苦しみも、穏やかな死が静かに飲み込んで、しんとした雪の中に今はただ佇む。

カレル橋より、市内側を望む。
3月のプラハは猛烈に寒い！夜になると地面から冷たさが上がってくる。でも、この季節に行ってよかったと思う。「暑い国には暑い季節に。寒い国には寒い季節に行くべし」とは、大学の友人が言っていたこと。
彼女は今どこを旅しているのだろう。

ひたすらに冷える空気の中に、この国の繰り返し蹂躙された歴史と、強く穏やかに生きる人々の姿を見た気がした。

しんしんと冷える夜のカレル橋を歩く。さすが有数の名所、寒さにもかかわらず、結構人が歩いてる。
橋の左右に並んだ天使たちに見守られながら、ゆっくり歩きました。

夜の市庁舎広場。あまりの美しさに言葉をなくした。