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パキスタン<br />すでに訪問は4回目、たまらなく好きなパキスタン。どこでもドアがあったなら毎日ミルクティーを飲みにいきたい国だ。パキスタンといえば、テロのイメージが強いようで、「危なくないの?」と聞かれるのが常だ。私はいつも人に聞かれるたびに、安全だと答えてはきたけれど、今回は少し恐ろしい思いをした。<br /><br />アフガンからの国境スピンボルダックで荷物検査3回、興味半分だろうが路上で耳栓やアイマスクの実演までさせられる。ペシャワール国境カイバル峠付近は部族支配地域なので、通行するのにパキスタン政府の許可が必要で、護衛もついた。今回の地域は部族支配地域ではないのでパキスタン政府の許可を申請する必要はなく、護衛もつかなかった。<br /><br />夕方6時に国境を出発したバスは、ほんの少し走って6時半にサラート(お祈り休憩)。さらに少し進むが、7時半に再びお祈り休憩。出発前に予めまとめてやっとけばいいのに・・・。と、このとき事件が発生。ジュースを買っていた私に暗闇から男がタックル、財布をひったくられる。乗客数人が私に味方して村人と掛け合ってくれるが、「犯人は逃げてしまった」といって村人は取り合ってくれない。小さな小さな村で起きた犯罪、簡単に解決すると信じたが、村の閉鎖性が災いし、村全体で身内の犯罪を隠蔽しようとするのだ。<br /><br />2時間後クエッタ市に到着後直ちに警察署へ。ところが警察は暴動対策に追われ、私の事件に付き合う余裕はない。実はバローチ族のリーダーBugti氏が政府に暗殺され暴動で街は大混乱に陥っていたのだ。妙に厳しい検問はそのせいだったのか。この日パシュトーンベルト(アフガン国境からクエッタ市まで)は無事通行できたが、バローチベルト(イラン国境からクエッタ市)は通行すら不可能だったようだ。盗難事件の届出は翌日にしてくれ、ということになり警察にはホテルまで厳重に護送してもらう。<br /><br />10年前に初めて来た時のクエッタのことは忘れられない。平和で活気のあるフレンドリーなこの町はアフガニスタンの少数民族であふれていた。アイマク族なんてこのとき初めて聞いた。アフガン難民が真っ先に流入するパキスタンの都市はバローチスタン州クエッタのほかフロンティア州ペシャワールがあるが、アフガニスタンでパシュトゥン族に迫害されてきた少数民族にとって、パシュトゥン一色のペシャワールは回避すべき街だったのだろう。パシュトゥニスタン旗が町中に見られ、バローチ色は一見薄いクエッタだが、今回の暴動であらためてここがバローチの州であることを再認識した。<br /><br />人口の3%しかいないペルシャ系バローチ族が団結したところで内戦などにはなりえず、混乱も長続きはしないはずだが、過激派の指示によるゼネストにより、翌日も町は静まり返っていた。指示に背き店を開けると過激派に攻撃されてしまうためバローチとは何の関係もない一般にも影響が及ぶのだ。<br /><br />財布の件で警察署に行くと、危ないから外に出るなといわれ軟禁状態。外ではピストルの乾いた音がパンパンと聞こえ、怪我をした警察官が包帯を巻いている。財布を取り戻すことはあきらめざるを得ず、空路カラチへ脱出。機内出口付近には不規則な呼吸をしている重傷の男(撃たれた警察官?)が寝ていて恐ろしい。私は無事だっただけでよかったじゃないか。「インシャーアッラー(神の意思のままに)」の国だ。きっと私の財布も神の意思で貧しい人に渡ったのだろう。<br /><br />・・・なんて思っていたら、カラチでもやばいタクシーに遭遇。深夜まで出歩いた私も悪いが、午前2時のカラチの町の奥へ奥へと連れ込まれる。小銭しかもっていなかったので金銭的に大きな被害が出る状況ではなかったが、パキスタンでは金品目当て以上に男でも貞操の危機がある。恥ずかしげもなく窓から「ポリース」と絶叫し何とか無傷で脱出。アルハムドリッラー(神様のおかげ)だ。<br /><br />http://4travel.jp/traveler/km/profile/<br /><br /><br /><br />Karachi, Multan, Lahore, RawalPindi, Islamabad, Kalam, Peshawar, Gilgit, Hunza, Quetta,...

Pakistan

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2006/08 - 2006/08

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km777

km777さん

パキスタン
すでに訪問は4回目、たまらなく好きなパキスタン。どこでもドアがあったなら毎日ミルクティーを飲みにいきたい国だ。パキスタンといえば、テロのイメージが強いようで、「危なくないの?」と聞かれるのが常だ。私はいつも人に聞かれるたびに、安全だと答えてはきたけれど、今回は少し恐ろしい思いをした。

アフガンからの国境スピンボルダックで荷物検査3回、興味半分だろうが路上で耳栓やアイマスクの実演までさせられる。ペシャワール国境カイバル峠付近は部族支配地域なので、通行するのにパキスタン政府の許可が必要で、護衛もついた。今回の地域は部族支配地域ではないのでパキスタン政府の許可を申請する必要はなく、護衛もつかなかった。

夕方6時に国境を出発したバスは、ほんの少し走って6時半にサラート(お祈り休憩)。さらに少し進むが、7時半に再びお祈り休憩。出発前に予めまとめてやっとけばいいのに・・・。と、このとき事件が発生。ジュースを買っていた私に暗闇から男がタックル、財布をひったくられる。乗客数人が私に味方して村人と掛け合ってくれるが、「犯人は逃げてしまった」といって村人は取り合ってくれない。小さな小さな村で起きた犯罪、簡単に解決すると信じたが、村の閉鎖性が災いし、村全体で身内の犯罪を隠蔽しようとするのだ。

2時間後クエッタ市に到着後直ちに警察署へ。ところが警察は暴動対策に追われ、私の事件に付き合う余裕はない。実はバローチ族のリーダーBugti氏が政府に暗殺され暴動で街は大混乱に陥っていたのだ。妙に厳しい検問はそのせいだったのか。この日パシュトーンベルト(アフガン国境からクエッタ市まで)は無事通行できたが、バローチベルト(イラン国境からクエッタ市)は通行すら不可能だったようだ。盗難事件の届出は翌日にしてくれ、ということになり警察にはホテルまで厳重に護送してもらう。

10年前に初めて来た時のクエッタのことは忘れられない。平和で活気のあるフレンドリーなこの町はアフガニスタンの少数民族であふれていた。アイマク族なんてこのとき初めて聞いた。アフガン難民が真っ先に流入するパキスタンの都市はバローチスタン州クエッタのほかフロンティア州ペシャワールがあるが、アフガニスタンでパシュトゥン族に迫害されてきた少数民族にとって、パシュトゥン一色のペシャワールは回避すべき街だったのだろう。パシュトゥニスタン旗が町中に見られ、バローチ色は一見薄いクエッタだが、今回の暴動であらためてここがバローチの州であることを再認識した。

人口の3%しかいないペルシャ系バローチ族が団結したところで内戦などにはなりえず、混乱も長続きはしないはずだが、過激派の指示によるゼネストにより、翌日も町は静まり返っていた。指示に背き店を開けると過激派に攻撃されてしまうためバローチとは何の関係もない一般にも影響が及ぶのだ。

財布の件で警察署に行くと、危ないから外に出るなといわれ軟禁状態。外ではピストルの乾いた音がパンパンと聞こえ、怪我をした警察官が包帯を巻いている。財布を取り戻すことはあきらめざるを得ず、空路カラチへ脱出。機内出口付近には不規則な呼吸をしている重傷の男(撃たれた警察官?)が寝ていて恐ろしい。私は無事だっただけでよかったじゃないか。「インシャーアッラー(神の意思のままに)」の国だ。きっと私の財布も神の意思で貧しい人に渡ったのだろう。

・・・なんて思っていたら、カラチでもやばいタクシーに遭遇。深夜まで出歩いた私も悪いが、午前2時のカラチの町の奥へ奥へと連れ込まれる。小銭しかもっていなかったので金銭的に大きな被害が出る状況ではなかったが、パキスタンでは金品目当て以上に男でも貞操の危機がある。恥ずかしげもなく窓から「ポリース」と絶叫し何とか無傷で脱出。アルハムドリッラー(神様のおかげ)だ。

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