1999/11/06 - 1999/11/14
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kodeyanさん
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パキスタンのイラン側国境タフタンの町に入ると、イランでなじんだストレート紅茶がミルク紅茶に変わった。
国が変わるとは、こういうことか。
いよいよ次の目的地は、パキスタン南西部バルチスターン州の州都クエッタだ。
かつて世界三大地獄交通区間といわれていた、不毛の砂漠を約600km走ってゆく。
画像は午後3時のバルチスターン砂漠だ。
数時間後には、深い闇につつまれる。
バルチスタン バスにこぼれる 月あかり
不毛の砂漠 はかなく照らす
本音はこっち↓
ボロバスの 窓が閉まらず 砂風舞う
寒くて辛い 霜月の夜
田舎の海沿いの原っぱに棄てられたようなバス。
パウダー状の砂が、寒風と一緒に容赦なく入りこむ。
膝小僧にぶつかる前の座席の背もたれが、憎ったらしかった。
こんな所で何してんだろう・・
日本に帰ったらピカピカのバスに乗れる、でもこれがパキスタンの
バスなのだ。パキスタンの人たちの貴重な足なのだ。
砂漠の日が沈んでゆく。
バスを降りてメッカに向かい祈る男たち、その姿は映画のラストシーンのように胸に刻まれている。
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タフタンを13時に出たオンボロバスは、翌朝7時にクエッタに着いた。
18時間・・
全身砂ぼこりにまみれながら、バスステーション近くで朝ごはんなのだ。 -
パサパサのナンではなく、ギルという油でチャパティ生地を焼いたものを食べるようである。
焼きたては、香ばしくアツアツで胃壁にしみわたる。
ナン(パラタ)は5パキスタンルピー・10円、チャイ(紅茶)も10円。 -
New Grand Hotelという立派な名前の安宿に1泊し、Quetta Expressで次はムルターンだ。
画像には写っていないが、クエッタ駅では牛がのっさのっさと我がもの顔で歩いていた。 -
クエッタ駅で生涯忘れられない出来事があった。
どの番線で待っていればいいのか迷っていたら、一人の30代半ばの男性が日本語で声をかけてくれた。
バブル時代に日本の建築現場で働いていた、出稼ぎ経験者だ。
「パキスタンは、こんなに貧しいけど、これがオレの国なのさ。
そして君たちは、僕らにとって大切なゲストなんだよ。
遠い日本からわざわざパキスタンを選んで来てくれて、オレたちの国を旅してもらえるのが、何よりうれしいよ。」
塗装工として働いていたという彼は、日本に感謝している、とも話してくれた。
胸が、とてもとても熱くなった。
さて、Quetta Expressの車内は活気に満ちている。
発車後すぐに、ヤシの実を煮詰めたもの、ピーナッツ、干し葡萄、ピスタチオ売りが次々やってくる。
車掌さんが切符にハサミを入れ、改札が終わると、ふかしたサツマイモ売りの登場だ。
ナイフで輪切りにし、さらに半月切りにし、塩 パプリカ レモン汁をしぼってかけてくれる。
次はなにかと待っていると、サラダ売りのおじさんだ。
みじん切りにした玉ねぎ ピーマン キューリ 香草 トマト 青唐辛子、それにひよこ豆を混ぜたものにパプリカをふりかける。
今度は、12,3歳の青いパンジャビスーツを着た男の子が、ゆで玉子を売りにきた。
列車がAbi-Gum駅に着くと、外から売り子の声が近づいてくる。
メロンのようなウリを縦に四等分にカットし塩をふりかける。
格子状に編んだ草につつんだチマキを売る横では、山羊がホームをうろうろしている。
他にも、大きいヤカンを布でぐるぐる巻きにしたチャイ売り、サトウキビの皮をむいて輪切りにしたもの、はがきサイズの紙袋に入れた数種類の豆を針金のわっかに通した豆売り・・
もう夢のような世界だった。 -
背も座も板張りの座席に20時間、やっとムルタンに着く。
ムルタンは、パキスタン中東部ラホールの南西300km、チュナーブ川左岸にある、歴史の古い町である。
モエンジョダロやハラッパと同時期に興った町だということで知られている。
城砦に囲まれた旧市街の建物は中世的、タイムスリップしたみたいだ。 -
ムルタンの名物は四つある。
「埃、乞食、暑さ、墓」
11月でも汗ばむのに、4〜9月の夏は灼熱だろう。 -
ムルタンは、旧市街のバザールがおもしろい。
お〜手作業で刺繍をしているではないか。
流れるような手さばきにアッパレ! -
隣りの店では、外で少年が布地を染めている。
パキスタンでは子供もよく働いている。 -
路地裏の雑貨屋さん
市場のこんな雰囲気がたまらなく好き -
市場を歩き疲れたら、さとうきびジュースで一息。
画像中央のさとうきびの茎を機械に入れると、搾りたての甘い汁がでてくる。 -
これは、ムルタンで宿泊したHotel Shabroseの洗面、トイレ。
お湯は出るが、シャワーはない。
左中央の白いポリ容器にお湯を貯め、体を洗うようチェックインのときに説明があった。 -
ダンナちゃんが書いたホテル平面図もUp
-
次はムルタンからラーワルピンディに北上だ。
これは1等寝台である。
1等といっても寝具などない、2階の寝台は傾き片流れ状態(笑)
ドアも半壊していて閉めるのも一苦労だ。
クエッタ〜ムルタンほどひどくはないが、砂ぼこりは舞いこんでくる。
雑巾でビニールシートを拭くと、真っ黒になる。
それでも、この寝台に寝られるというのは、すごく贅沢なこと。
通路には人があふれていて、夜中に何度も何度も見知らぬ人が入ってくる。
そして寝台横のわずかなスペースに座りこもうとするのだ。 -
ムルタンを15時に出た列車は、翌朝7時にラーワルピンディ(以下 ピンディ)に着いた。
駅前のチャイ屋さんで一服していると、水運び屋さんがやってきた。
羊の内臓、たぶん胃袋か、を袋にしたもので水を運んでいる。
上水道がないから、人力で運んでいたとは。
水運び屋さんの大粒の汗をみて、こうして喉を潤せることに感謝、感謝。
さて、この画像の真ん中のおじさんは、ピンディの中央郵便局(GPO)前で小包用の袋を縫うのが商売だ。
紙袋だのダンボールではないのである。
こちらの荷物の大きさに合わせて布を裁断し、袋を手縫いする。
荷物を入れたら、入れ口を糸で縫っておしまい。
切手も布に直接貼るし、スタンプも布に押す。
写真を送ってくれというので住所を書いてもらったら、
「In Fronto of GPO」(笑) 無事届いただろうか? -
ピンディは、これといって見所もない。
ここでの目的は、バスで1時間ほどのイスラマバードで中国ビザを取ること。
時間があいたので映画を見に行ってみた。
映写室にちょいとお邪魔させてもらう。
ニューシネマパラダイスの世界だ〜
この映写機すごい! -
イスラム圏は、けっこう甘いものがおいしいのである。
これはピンディの「PM HOUSE」で人気のレインボーアイス♪ -
ピンディで中国ビザの手続きを終えたら、次はペシャワールだ。
バスで移動中休憩したお店では、タンドールという窯でナンを焼いていた。
彼は中学生くらいかな。6歳くらいの男の子もお手伝いをしていた。
日本ならピカピカのランドセルで学校に通う年齢なのに、けなげに働く。
シャオという小型ポラロイドで撮った写真をプレゼントしたら、写真片手に大はしゃぎで走り回っていた。 -
イランを出国してから1週間後、無事ペシャワールに辿り着く。
ハデハデバス軍団がたむろするバスターミナルに到着だ。 -
ペシャワールは、一段とエキゾチックな感じがする。
女性の写真は撮れないので、これは絵ハガキだが、顔を網のような布で覆った女性を見かける。 -
これもペシャワールで買った絵ハガキ、アフガニスタン編。ペシャワールからアフガニスタン国境まで、わずか50kmという近さなのだ。
★18はSLで行くハイバル峠編の予定だよ!
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この旅行記へのコメント (7)
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- 唐辛子婆さん 2006/07/24 14:55:33
- 一票です
- kodeyanさん、こんにちは
パキスタンの旅楽しませていただいてます。
5月からカラチに時々住むことになりました。
よろしかったらこちらにもお越しくださいませ。
〜唐辛子婆〜
- kodeyanさん からの返信 2006/08/01 21:04:55
- RE: 一票です
- 唐辛子婆さま こんばんは!
返信が遅くなってすみませんです。
パキスタンのカラチですか〜
後でじっくり旅行記にお邪魔させてもらいますね^^
パキスタンはいい思い出ばかりです。
とても親切にしていただきました。
シャオというおもちゃのようなミニポライドで撮った写真を
学校に行けず働いている子供たちにプレゼントしたのですが
あの子たちもだいぶ大きくなったことでしょう。
「今度は夏のフンザに来るといいよ」
そういわれていますから、いつかまたパキスタンに行きたいですね。
ではでは☆彡
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- 招き猫さん 2005/10/04 19:19:20
- パキスタン行ってみたいです。
- kodeyanさん今晩は、
インドと並んでパキスタンに興味があるのですが、全く旅行ガイドが無いのですよね、あの地球の歩き方でも数年前に廃版とかで、何かありましたら教えて下さい。
いろいろ調べると、パキスタンの人は困っている人には特に親切とか、宗教の教えで、「困っている人を助ければ神様が見ていて、自分が困ったときには誰かが助けてくれる」とかで皆親切にしてくれるのですが、インドから入ると疑心が先にたち中々素直に受け入れられないとか、それで後から気づき自分を恥じるとか書いてありましたが、やはりそうですか?
どうもアメリカとイスラムの国の戦いはずっと続くのでしょうね、僕の意見はアメリカは大国なんだから、もっと大人の国になってほしいです。
やられたら、やり返すでは永遠に終わらないですよ。
無差別テロはもちろんいけないですが、弱いものが大国に立ち向かうには仕方ないのかも?
ルンルンの旅はモナリザが4トラデビューしまして、モナリザが視点を変えて書くことにしました、モナリザもよろしくです。
あっパキスタンの続きはないのですか?途中で終わってますよね。
ではまたです。
- kodeyanさん からの返信 2005/10/06 00:52:16
- RE: パキスタン行ってみたいです。
- こんにちは!
地球の歩き方廃版になっちゃったんですか、知りませんでした。
インドには行ったことがないのですが、確かに「メヘマーン・ナワーズィー」
と呼ばれる「客人歓待」の暖かさは旅行中何度も感じました。
続きはまだあるのですが、更新は来週になりそうです。
モナリザさんのところにもお邪魔しますね〜
ではでは^^
- kodeyanさん からの返信 2005/10/06 01:01:04
- すみません
- 下のmanekinekoさんへのメッセージで
〜地球の歩き方廃版になっちゃったんですか〜
これは、地球の歩き方の「パキスタン」が廃版になっちゃたんですか、
ですね。失礼しました。
-
- kokonoさん 2005/10/03 13:43:03
- こんにちは
- kodeyanさん、>> パキスタン砂漠を越えて〜「QUETTA EXPRESS」砂塵まみれ紀行を拝見しました
・不毛の砂漠を約600km走ってゆく、パウダー状の砂が、寒風と一緒に容赦なく入りこむ
>車窓からの写真で状況がよくわかります、砂埃と夜間の寒気しかも18時間の長旅を
ご苦労様でした
・オレたちの国を旅してもらえるのが、何よりうれしいよ。
>旅行者にとっては、うれしい言葉ですね・・明日からの旅の糧になる言葉です
・それでも、この寝台に寝られるというのは、すごく贅沢なこと
>日本の寝台列車は少なくなりましたね、長距離の夜間移動には、寝台車が便利ですよね
なかなか寝ることは難しいけど・・
・「In Fronto of GPO」(笑) 無事届いただろうか?
>無事届いています、本人の写真つきですから・・間違いありません
かなりハードな旅行記でしたね・・「Quetta Expressの車内は活気に満ちている。」
旅行列車の内・外の物売り状況大変面白いですね・「もう夢のような世界だった」・
その気持ちは良くわかります、私も遭遇してみたい気持ちになりました。kokono
- kodeyanさん からの返信 2005/10/04 07:59:54
- RE: こんにちは
- kokonoさん こんにちは(^о^)/
心のあたたまるコメント頂きありがとうございます。
イスラムの国は、いろいろ偏見をもたれてしまうところも
ありますが、パキスタンの人は気持ちがピュアで暖かでした。
道を聞いたら無言でもきちんと案内してくれて、私たちがそのお店に
入るのを見届けてから帰ってゆく、そんな人たちでした。
玉のような汗をかき人力で運ぶ「水」、蛇口を捻ると当り前に
水が出る国に生まれ、水運びせずに水が飲める「感謝」の気持ちで
毎日をすごせることも、この旅の糧です。
ではでは
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