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スリナムから陸路往復<br /><br />仏領ギアナ<br /> <br />* 国境越え:スリナムからフランスへ <br />スリナムからカヌーで川を渡り仏領ギアナに到着した。南米北東部のギアナ地方には、かつて1)英領ギアナ、2)蘭領ギアナ、3)仏領ギアナの3つの植民地があったが、1)はガイアナとして、2)はスリナムとしてそれぞれ独立し、「植民地」のまま残っているのは3)仏領ギアナのみだ。決して経済的に豊かとはいえないスリナムから仏領ギアナに入ると、経済格差をいやというほど感じる。まずは1)インフラ。フランス政府の手厚い援助を受けている完璧に舗装された道路を見れば明らか。スリナムはぬかるみが多かった。次に2)物価高。通貨はフランス本国同様ユーロだが、輸入物が多いのでジュースなどもフランスより高い。国境の町から首都カイエンヌまで約200km、ワゴンタイプのミニバスの料金が確か35ユーロだった。当時1ユーロが150円だったとして5000円弱。概して物価安の中南米の中ではかなり異色。 そして3)フランス語。スリナム・ガイアナは英語、その他南米はスペイン語がどこでも通じるのに、ここでは英語もスペイン語も通じない。<br /> <br />* 南米の片隅のフランスにある小さなポリネシア<br /><br />仏領ギアナのカイエンヌ郊外のクールーKourouにある宇宙船打ち上げ基地を見に行った。打ち上げ時期には世界中から訪問者が集まるそうだが、何もない普通の日の基地は観光客もほとんどおらず閑散としていた。<br /><br />基地から町まで公共交通機関はないので、駐車場出口でヒッチハイクを試みる。拾ってくれたのは基地職員のフランス人。英語が上手だ。基地も、フランスの基地、というよりも、EU全体で運営しているようで、欧州各国からのスタッフがいるらしい。<br /><br />クールーの町の中心部で車を降りる。カイエンヌから日帰りの予定だったが夕方4時半ですでにカイエンヌ行きのバスは終了しており、やむを得ずクールーで宿泊することになった。<br /><br />クールーの町は小さく、基地の中にあったようなレストランは見当たらなかった。雨も降ってきたことだし、軽食を食べれそうな店を探すと、西部劇に出てきそうな場末のバーがひとつ。入ってみると、古びたカウンターや椅子とは対照的に鮮やかな立体の絵が壁に。それは、南太平洋イースター島の地図だった。店の名前は「モアイ」。よく見ると美人のママさんはポリネシア人のようだ。イースター島出身なのであろう。<br /><br />興味津々でスペイン語で話しかけてみると、彼女はポリネシア人ではなく、日系ブラジル人だという。日本人とポルトガル人他の血が混ざると、ポリネシア風に見えるのかもしれない。「時々間違えられるのよ。ポリネシア人に。」と彼女は言いながら、彼女のブラジルのパスポートを見せてくれた。「Saka...」確かにミドルネームが日本名だ。<br /><br />気づけば、壁には、漢字のようで漢字でないおかしな文字が描かれているし、コンピューターグラフィックのような絵も張ってある。どこかで見たことあるよなないよな・・・この不思議な雰囲気は何だろう。<br /> <br />彼女の旦那であるマスターはチリ人だがイースター島には行ったことがないというので店名の由来を聞いてみると、「世界のどこにも属さない無国籍な場所」がテーマなのだという。なるほど、イースター島は太平洋の絶海の孤島、チリ領だけれど本土とは異質のポリネシア文化圏。だから「無国籍」のイメージにはもってこいかもしれない。<br /><br />南米の片隅のフランス領でチリ人と日系ブラジル人の夫婦がポリネシアの名前のバーを営む。客は日本人の私の他、仕事帰りの肉体労働者風のブラジル男、真っ赤な服に染めた金髪の怪しいブラジル女、そして何も注文しないけど「毎日ここに来る」スリナム男。<br /><br />降り続く雨の中、マスターの狙いどおり「無国籍」になったバーで飲んだミルクたっぷりのコーヒーは、どこにでもあるようでどこにもないような不思議な味がした。

French Guyane

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2005/12 - 2006/01

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km777

km777さん

スリナムから陸路往復

仏領ギアナ

* 国境越え:スリナムからフランスへ
スリナムからカヌーで川を渡り仏領ギアナに到着した。南米北東部のギアナ地方には、かつて1)英領ギアナ、2)蘭領ギアナ、3)仏領ギアナの3つの植民地があったが、1)はガイアナとして、2)はスリナムとしてそれぞれ独立し、「植民地」のまま残っているのは3)仏領ギアナのみだ。決して経済的に豊かとはいえないスリナムから仏領ギアナに入ると、経済格差をいやというほど感じる。まずは1)インフラ。フランス政府の手厚い援助を受けている完璧に舗装された道路を見れば明らか。スリナムはぬかるみが多かった。次に2)物価高。通貨はフランス本国同様ユーロだが、輸入物が多いのでジュースなどもフランスより高い。国境の町から首都カイエンヌまで約200km、ワゴンタイプのミニバスの料金が確か35ユーロだった。当時1ユーロが150円だったとして5000円弱。概して物価安の中南米の中ではかなり異色。 そして3)フランス語。スリナム・ガイアナは英語、その他南米はスペイン語がどこでも通じるのに、ここでは英語もスペイン語も通じない。

* 南米の片隅のフランスにある小さなポリネシア

仏領ギアナのカイエンヌ郊外のクールーKourouにある宇宙船打ち上げ基地を見に行った。打ち上げ時期には世界中から訪問者が集まるそうだが、何もない普通の日の基地は観光客もほとんどおらず閑散としていた。

基地から町まで公共交通機関はないので、駐車場出口でヒッチハイクを試みる。拾ってくれたのは基地職員のフランス人。英語が上手だ。基地も、フランスの基地、というよりも、EU全体で運営しているようで、欧州各国からのスタッフがいるらしい。

クールーの町の中心部で車を降りる。カイエンヌから日帰りの予定だったが夕方4時半ですでにカイエンヌ行きのバスは終了しており、やむを得ずクールーで宿泊することになった。

クールーの町は小さく、基地の中にあったようなレストランは見当たらなかった。雨も降ってきたことだし、軽食を食べれそうな店を探すと、西部劇に出てきそうな場末のバーがひとつ。入ってみると、古びたカウンターや椅子とは対照的に鮮やかな立体の絵が壁に。それは、南太平洋イースター島の地図だった。店の名前は「モアイ」。よく見ると美人のママさんはポリネシア人のようだ。イースター島出身なのであろう。

興味津々でスペイン語で話しかけてみると、彼女はポリネシア人ではなく、日系ブラジル人だという。日本人とポルトガル人他の血が混ざると、ポリネシア風に見えるのかもしれない。「時々間違えられるのよ。ポリネシア人に。」と彼女は言いながら、彼女のブラジルのパスポートを見せてくれた。「Saka...」確かにミドルネームが日本名だ。

気づけば、壁には、漢字のようで漢字でないおかしな文字が描かれているし、コンピューターグラフィックのような絵も張ってある。どこかで見たことあるよなないよな・・・この不思議な雰囲気は何だろう。

彼女の旦那であるマスターはチリ人だがイースター島には行ったことがないというので店名の由来を聞いてみると、「世界のどこにも属さない無国籍な場所」がテーマなのだという。なるほど、イースター島は太平洋の絶海の孤島、チリ領だけれど本土とは異質のポリネシア文化圏。だから「無国籍」のイメージにはもってこいかもしれない。

南米の片隅のフランス領でチリ人と日系ブラジル人の夫婦がポリネシアの名前のバーを営む。客は日本人の私の他、仕事帰りの肉体労働者風のブラジル男、真っ赤な服に染めた金髪の怪しいブラジル女、そして何も注文しないけど「毎日ここに来る」スリナム男。

降り続く雨の中、マスターの狙いどおり「無国籍」になったバーで飲んだミルクたっぷりのコーヒーは、どこにでもあるようでどこにもないような不思議な味がした。

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