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  コペンハーゲンで最初に訪れたのは北東部のカステレットと呼ばれる星の形をした地域で、ここはコペンハーゲンの港を防衛する目的で1662年に建設された砦の跡である。この地にあって有名なのがアンデルセンの童話にでてくる人魚姫の像である。過去に二度ほど首が盗まれるという事件があった。見た目には変哲もない小さなブロンズ像に過ぎないが話題性の故か観光客なら必ず訪れて記念撮影をする場所であり、多くの人々で賑わっていた。<br /><br /> この一画にあるゲフォイオンの泉はコペンハーゲンの立地しているシェラン島の由来を物語るものとして有名であるが生憎、水を節約するため噴水はでていなかった。四頭の雄牛を制御する女神の像は美と豊穣のシンボルである。またニユージーランドの国名はこの島の名前に由来している。  <br /><br /> 次に訪れたのはアメリエンボー宮殿で現在の国王マルガレーテ女王の住まいである。ここでは衛兵交代の儀式を見ることができた。国王の宮殿だというのに非常に質素で警備もものものしくない。国民に慕われている王室を思わせる。男女同権が徹底している国なので長男にあたる実弟が健在なのにも係わらず、現在の王位継承権の第一順位者は長女の王女であるという。<br /><br /> ニユーハウンという地域は長さ300メートル程の川の両側にさまざまな建物が建っており、橋から見て左手には一際目立つ赤色や黄色の五階建ての建物が建っている。この赤色の建物二階の一室にアンデルセンが住んでいた。右手の川辺にはレストランが立ち並びそぞろ歩きする多くの観光客や市民で 賑わっている。川には帆柱を建てた漁船や運搬船が何艘ももやられていて、詩情をそそられ絵になる風景である。<br /><br /> クリスチャンボー城は1165年にアブサロン大主教によって築かれた城でコペンハーゲン発祥の地となった所であるが、当時のものは地下の遺跡として残されているにすぎずその後に建てられた建物が現在は国会議事堂として使われている。隣接して旧証券取引所や王立図書館、王立武器博物館等の建物が建っていて落ちついて風格のある佇まいを示している。<br /><br /> ガイドから聞いたり瞥見したデンマークの国情を記してみると、先ず気がつくのは山がない国である。国土の65%が農耕地であり、国民一人当たりの耕作地は43ヘクタールにも及ぶ農業国である。また養豚が盛んな酪農国でもある。往年燃料に木材がしきりに使われ森林が減少し、森林面積が現在11%にまで減少したのでこれを20%にまで回復するため国では植林に力を入れているが森林業は成果の収穫に時間がかかるので、計画が思うように進展せず政府としても頭の痛いところだという。デンマークは宗教的にはプロテスタントの信者が過半を占めており言語的にはゲルマン語系でドイツ語に近い。<br /><br /> 食べ物はサンドイッチの上側がないオープンサンドが好んで食される。<br /><br /> 伝統的に古い家具を大切に使う国民性があり、祖父母、曾祖父母が使っていたという木製の家具を誇らしげに使用している家族が多い。また自転車を愛用する人が多く市中にも沢山の自転車が走行している。<br /> <br /> 市中を走行する車は昼間でも照明をつけており、事故防止のため法律でそのように定められているからだという。実験結果でも照明をつけて走行したほうが事故の発生率が減少することが証明されているのである。<br /><br /> 消費税は25%で世界最高税率である。国民の平均年収は税込みで430万円であるというから豊かな国にしては意外に少ないという感じである。この国では常に中道左派が政権をとり福祉に重点を置いた政策を推進してきたから、貧富の格差の少ない高福祉高負担の福祉国家を実現してきた。それにしても税金は50%に及び国民は重税感を持っているが、九年間の義務教育制度や老齢年金制度、医療保証制度が充実しているので将来に対する不安感は抱いていないという。因みに65歳から手取りで8万〜9万円の国民年金が受給でき家賃の補助制度があるので贅沢しなければ健康で文化的な生活は保証されているということである。<br /><br /> フレデリックスボー城はコペンハーゲンの北西に位置した人口35000人のヒレロズの街にあり、コペンハーゲン中央駅から電車で40分ほどの距離である。緑の森と静謐な湖に囲まれ、赤煉瓦で出来たルネッサンス様式のフレデリックスボー城はとても美しい。16世紀の中頃フレデリック二世王が地方貴族の女性から入手した城であるが、その子の建築王とも言われるクリスチャン四世王が、1560年から60年の歳月をかけて、居城に作りあげた。その後1859年に大火にあい城の大部分が消失してしまった。残念なことに立憲君主制のもとで王室には復旧の財力がなかったのでビール王と言われるカールスベア社の社長ヤコブセンが再建を援助した。このとき国立歴史博物館として蘇ったのである。収蔵物はデンマークの長い歴史を物語る装飾品、絵画、宝物等の貴重な品物である。<br /><br /> このあと更に北東のエルシノアにあるクロンボー城を訪問した。この城の起源は1429年ににエリーク七世王が海峡を通る船から通行税を徴収するために築城したことに始まる。1574年にフレデリック二世王が再建に着手し、1585年に完成した。1629年の大火で焼け落ちたが直ちにクリスチャン四世により修復され、その後何度かの戦争を経て1924年現在の形に修復された。ほぼ四角型の城である。北棟は王の住居で、西棟は王妃の住居として使われデンマークルネッサンス様式が見られる。城の内部には貴重な絵画やゴブラン折り等の贅を尽くした調度品が保存されている。またこの城はシェークスピアのハムレットの舞台としても有名であり、王子アームレットにHを付加してハムレットとしたのである。<br /><br /> バルト海から外海にでるためにはこのエルシノアの海峡を通らざるを得ないので通行税が1857年に廃止されるまでは政治経済的に重要な街として栄えた。20世紀半ばまでは鉄工業、造船業の街として繁栄した。ロシアのバルチック艦隊もここを通って日本海へやってきたのである。対岸はスエーデン領であり手にとるように近くに見えている。<br /><br /> この街の港にはフェリーボート発着場があり、ECに加入していない準禁酒国のノルウエー人達が、安い酒やビールを求めて国境を越えて買いに訪れるということであり、ビールや酒の入ったダンボール箱を持っている人があればノルーウエー人と見てまず間違いがないということである。こんなところにもEC加盟の有無に関して発生する社会現象が現れているのかなと思った。<br /> <br /><br />

高負担高福祉の国、童話のアンデルセンの国

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1999/09/03 - 1999/09/04

2292位(同エリア2714件中)

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早島 潮

早島 潮さん

  コペンハーゲンで最初に訪れたのは北東部のカステレットと呼ばれる星の形をした地域で、ここはコペンハーゲンの港を防衛する目的で1662年に建設された砦の跡である。この地にあって有名なのがアンデルセンの童話にでてくる人魚姫の像である。過去に二度ほど首が盗まれるという事件があった。見た目には変哲もない小さなブロンズ像に過ぎないが話題性の故か観光客なら必ず訪れて記念撮影をする場所であり、多くの人々で賑わっていた。

 この一画にあるゲフォイオンの泉はコペンハーゲンの立地しているシェラン島の由来を物語るものとして有名であるが生憎、水を節約するため噴水はでていなかった。四頭の雄牛を制御する女神の像は美と豊穣のシンボルである。またニユージーランドの国名はこの島の名前に由来している。  

 次に訪れたのはアメリエンボー宮殿で現在の国王マルガレーテ女王の住まいである。ここでは衛兵交代の儀式を見ることができた。国王の宮殿だというのに非常に質素で警備もものものしくない。国民に慕われている王室を思わせる。男女同権が徹底している国なので長男にあたる実弟が健在なのにも係わらず、現在の王位継承権の第一順位者は長女の王女であるという。

 ニユーハウンという地域は長さ300メートル程の川の両側にさまざまな建物が建っており、橋から見て左手には一際目立つ赤色や黄色の五階建ての建物が建っている。この赤色の建物二階の一室にアンデルセンが住んでいた。右手の川辺にはレストランが立ち並びそぞろ歩きする多くの観光客や市民で 賑わっている。川には帆柱を建てた漁船や運搬船が何艘ももやられていて、詩情をそそられ絵になる風景である。

 クリスチャンボー城は1165年にアブサロン大主教によって築かれた城でコペンハーゲン発祥の地となった所であるが、当時のものは地下の遺跡として残されているにすぎずその後に建てられた建物が現在は国会議事堂として使われている。隣接して旧証券取引所や王立図書館、王立武器博物館等の建物が建っていて落ちついて風格のある佇まいを示している。

 ガイドから聞いたり瞥見したデンマークの国情を記してみると、先ず気がつくのは山がない国である。国土の65%が農耕地であり、国民一人当たりの耕作地は43ヘクタールにも及ぶ農業国である。また養豚が盛んな酪農国でもある。往年燃料に木材がしきりに使われ森林が減少し、森林面積が現在11%にまで減少したのでこれを20%にまで回復するため国では植林に力を入れているが森林業は成果の収穫に時間がかかるので、計画が思うように進展せず政府としても頭の痛いところだという。デンマークは宗教的にはプロテスタントの信者が過半を占めており言語的にはゲルマン語系でドイツ語に近い。

 食べ物はサンドイッチの上側がないオープンサンドが好んで食される。

 伝統的に古い家具を大切に使う国民性があり、祖父母、曾祖父母が使っていたという木製の家具を誇らしげに使用している家族が多い。また自転車を愛用する人が多く市中にも沢山の自転車が走行している。
 
 市中を走行する車は昼間でも照明をつけており、事故防止のため法律でそのように定められているからだという。実験結果でも照明をつけて走行したほうが事故の発生率が減少することが証明されているのである。

 消費税は25%で世界最高税率である。国民の平均年収は税込みで430万円であるというから豊かな国にしては意外に少ないという感じである。この国では常に中道左派が政権をとり福祉に重点を置いた政策を推進してきたから、貧富の格差の少ない高福祉高負担の福祉国家を実現してきた。それにしても税金は50%に及び国民は重税感を持っているが、九年間の義務教育制度や老齢年金制度、医療保証制度が充実しているので将来に対する不安感は抱いていないという。因みに65歳から手取りで8万〜9万円の国民年金が受給でき家賃の補助制度があるので贅沢しなければ健康で文化的な生活は保証されているということである。

 フレデリックスボー城はコペンハーゲンの北西に位置した人口35000人のヒレロズの街にあり、コペンハーゲン中央駅から電車で40分ほどの距離である。緑の森と静謐な湖に囲まれ、赤煉瓦で出来たルネッサンス様式のフレデリックスボー城はとても美しい。16世紀の中頃フレデリック二世王が地方貴族の女性から入手した城であるが、その子の建築王とも言われるクリスチャン四世王が、1560年から60年の歳月をかけて、居城に作りあげた。その後1859年に大火にあい城の大部分が消失してしまった。残念なことに立憲君主制のもとで王室には復旧の財力がなかったのでビール王と言われるカールスベア社の社長ヤコブセンが再建を援助した。このとき国立歴史博物館として蘇ったのである。収蔵物はデンマークの長い歴史を物語る装飾品、絵画、宝物等の貴重な品物である。

 このあと更に北東のエルシノアにあるクロンボー城を訪問した。この城の起源は1429年ににエリーク七世王が海峡を通る船から通行税を徴収するために築城したことに始まる。1574年にフレデリック二世王が再建に着手し、1585年に完成した。1629年の大火で焼け落ちたが直ちにクリスチャン四世により修復され、その後何度かの戦争を経て1924年現在の形に修復された。ほぼ四角型の城である。北棟は王の住居で、西棟は王妃の住居として使われデンマークルネッサンス様式が見られる。城の内部には貴重な絵画やゴブラン折り等の贅を尽くした調度品が保存されている。またこの城はシェークスピアのハムレットの舞台としても有名であり、王子アームレットにHを付加してハムレットとしたのである。

 バルト海から外海にでるためにはこのエルシノアの海峡を通らざるを得ないので通行税が1857年に廃止されるまでは政治経済的に重要な街として栄えた。20世紀半ばまでは鉄工業、造船業の街として繁栄した。ロシアのバルチック艦隊もここを通って日本海へやってきたのである。対岸はスエーデン領であり手にとるように近くに見えている。

 この街の港にはフェリーボート発着場があり、ECに加入していない準禁酒国のノルウエー人達が、安い酒やビールを求めて国境を越えて買いに訪れるということであり、ビールや酒の入ったダンボール箱を持っている人があればノルーウエー人と見てまず間違いがないということである。こんなところにもEC加盟の有無に関して発生する社会現象が現れているのかなと思った。
 

  • コペンハーゲン。人形姫

    コペンハーゲン。人形姫

  • コペンハーゲン。王宮

    コペンハーゲン。王宮

  • コペンハーゲン。アマリエンボー宮殿

    コペンハーゲン。アマリエンボー宮殿

  • コペンハーゲン。ニューハウン

    コペンハーゲン。ニューハウン

  • コペンハーゲン。ニューハウンのアンデルセンの生家

    コペンハーゲン。ニューハウンのアンデルセンの生家

  • フレデリックスボー城

    フレデリックスボー城

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