1999/12/07 - 1999/12/16
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kodeyanさん
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九寨溝ツアーから成都に戻ったのは夕方だった。
その足でバスターミナルから重慶に向かう。
地図から推測して2〜3時間の距離かと思ったら6時間かかった。
中国は広い。
深夜1時ごろ重慶駅前に着くと、2メートルほどの剣道の竹刀みたいな棒を持った人に囲まれた。
棒で叩かれて身包み剥されてしまうのか、時間も時間だし恐かった。
あとで知ったのだが、彼らは荷物運び屋さんだったらしい。
あの長い棒に荷物をくくり、天秤のようにかつぐそうなのだ。
重慶駅前の安宿は、なぜか日本人お断りで日本人なら高いホテルに行けって感じなのである。
でも、トルファンで出会った日本人夫婦からいわれた一言が重くのしかかっていた。
一泊30元くらいのところに泊まっていることを話したら、彼らは1泊10元の宿を泊まり歩いているという。
そして「ずいぶん贅沢してるなあ」といわれた。
そっか、自分たち贅沢してたんだ。
罪悪感みたいなものを感じてしまった。
写真は長江の夕景
-
深夜の宿探しである。
駅前はにぎやかで食堂もいくつか営業していた。
ダンナちゃんを食堂に待機させて荷物番をしてもらう。
駅前の公衆便所でトイレ番?!をしている親子に筆談で聞いてみた。
若い娘さんもお父さんも感じが良かった。
いくつか安宿を教えてくれた。
駅前広場の、地図にバス路線が書きこんである大きい看板裏の階段を下りて左手に招待所があった。
「鴻慶招待所」 二人間 22元 300円
深夜3時近いというのに、宿主は招待所の前でマージャンを楽しんでいる。
ここで驚いたのがトイレだった。
水を流す時間が決まっていて排水溝には、だれか主は知らねど立派なブツがごろごろ鎮座していた。
さて、写真の中国で購入したガイドブックを見ていたら、重慶の近くに温泉があるようなので行ってみることにした。 -
重慶駅から南坪へ、南坪で乗り換えて南温泉へ
写真は南温泉の入口 -
南温泉は時間の流れがゆったりしている。
長閑で落ち着く町でけっこう気に入った。
肝心の温泉は、一坪ほどの個室タイプである。
バスタブと腰掛け、ゴミ箱があるシンプルなものだった。
湯はとてもぬるかった。冬はやめておいたほうがいいと思う。 -
重慶に戻り、全珊瑚賓館で山峡下りの船のチケットを購入した。
写真は途中下船した豊都。
港に泊まっているのは冠賃号で、乗客はALL中国人で他に外国人は見なかった。 -
盲目の胡弓弾きが奏でる音色が、悠久の大地に流れてゆく。
それぐらい物悲しくも素敵な音色だった。 -
重慶〜岳陽 3泊4日を過ごしたわれらの船室がこちら。
外国人には四等船室は売らないという噂があったが、なぜか売ってくれたので四等にしてみた。
料金は208元 2700円。
一階の四等船室は、移動手段として利用する地元の人ばかりだった。
地下の機械室近くにも船室があった。
重油の匂いが鼻を刺激する暗い部屋だ。
人民服を着た人や地方の農民らしき人がいた。
中国にも貧富があるんだ・・そう感じた。 -
二階から上の個室はこちら。
団体旅行客が利用していた。
みんな声がでかいしやかましいから四等で良かったと思ってしまった。 -
巫山の港では、石炭の火で料理人がチャーハンをつくっていた。
これが、めっちゃくちゃうまかった!
団体客は、小三峡に出かけていた。
こちらは、ぼけーっと長江を眺めてすごす。 -
チベット高原に端を発する長江は、中国大陸を西から東へ流れてゆく。
長い旅を終えた大河の水は、上海から東シナ海へと注がれる。 -
水墨画のような、一幅の絵のような光景に出るのは溜め息ばかり。
-
岳陽から広州へ行き、そこから香港へ向かった。
1999年は中華人民共和国成立五十周年で広州でこの記念切手を買うことができた。 -
とうとう香港へ辿り着く。
写真は、重慶マンション7階A-1 第一招待所。 -
写真は新しい香港の空港。
旅も終わり。
そして成田からの帰路、五ヶ月ぶりの日本で見た電車の光景は・・
お年寄りに席を譲らない茶髪の若者、体育座りで電車の出入り口を陣取る女子中学生。
立ちながら柿の種を貪るサラリーマン。
夕刊紙の見出しは、「大リストラ2000年が本番」ときた。
このまま成田に戻ってしまおうかと思った。
この旅行中にお世話になったかたのお嬢さんが亡くなっていた。
「太ってるね」この一言が彼女を拒食症にし死に追いやってしまった。
学校に行きたくても行けない子供もたくさんいたけれど、一概に先進国だから幸せで後進国だから不幸なんてことはない。
なにが幸せなのか、深く考える機会を与えられた旅だった。
さて旅の費用はというと、総計で一人約六十万円かかった。
成田〜北京 香港〜成田はユナイテッド航空の無料航空券を利用している。
内訳はツアー代金が30%、交通費23%、ビザ代11%、食費10%、ホテル代10%、その他16%。
中国は北京から始まりモンゴル〜ロシア〜リトアニア〜ウクライナ〜トルコへ。
トルコからはシリア〜レバノン〜ヨルダン〜イエメン〜イラン〜パキスタン〜中国へと旅した長い記録でした。
おつきあい頂いた皆さま、どうもありがとうございましたm(__)m
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この旅行記へのコメント (6)
-
- がおちんさん 2012/05/19 15:09:45
- お疲れ様でした
- kodeyanさん
ずいぶん昔の旅ですが、思わずそう言いたくなる旅行記でした。
クエッタ駅でのエピソードに、思わずドキリ。実は私、80年代の半ばに塗装工をしていたことがあり、会社の寮で2名のパキスタン人と2名の韓国人と同居していたんです。
パキスタン人の2人はカラチとラワルピンディの出身だったので、「もしかしたら彼らかもしれない」と思ってドキドキしてしまいました。89年に中国を旅したとき、カラコルムを越えて彼らに会いに行くつもりだったのですが、運命のいたずらで雲南に向かうことになり、それっきりになってしまったのです。
kodeyanさんの旅行記を拝見し、もしかしたら自分も通ったかも知れない幻の旅行を体験したような、とても不思議な気持ちになりました。
その他にもSLでハイバル峠、ピン子のゲロ、腹立たしい中国役人、斜め45度の写真、カオスの列車内、棒棒に囲まれてビビッタなど、いろいろ旅情を感じる話題がありました。
楽しかったです。
がおちん
- kodeyanさん からの返信 2012/05/20 11:18:00
- RE: お疲れ様でした
- がおちんさん こんにちは
ほこりのかぶった旅行記を最後まで見ていただき
感謝状を差し上げたいくらいです。
80年代半ばというとバブルの時代で
建築業界も絶好調でしたね。
がおちんさんの思い出に残るパキスタン人の方が
同じ方だったら不思議な縁ですね。
パキスタンの方は真面目で優しい方が多かったので
がおちんさんも沢山忘れられないエピソードが
あるのではないでしょうか。
> その他にもSLでハイバル峠、ピン子のゲロ、腹立たしい中国役人、斜め45度の写真、カオスの列車内、棒棒に囲まれてビビッタなど、いろいろ旅情を感じる話題がありました。
あれもこれもと昨日のことのように思い出しますね〜
今となっては濃い旅でした。
メッセージありがとうございました☆
ではでは☆彡
-
- doubledownさん 2006/06/14 13:27:16
- 素敵な旅行記ですね〜
- こんにちわ。はじめまして。
どんどこ旅行記見させてもらいました。
↑こういう風に、旅行に「タイトル」つけちゃうのって面白いですよねー。
>旅は庶民的なスタイルが心地よい。
プロフィールのこの言葉にとても共感してしまいました。
kodeyanさんが行かれた場所と、自分の行った場所、これから行きたい場所が
重なってる部分が多くて見ていて楽しかったです!
そうそう、自分の場合はパキスタン→イランに入ったので、
チャイの味が「ん?コクがなくなってストレートティーになったな」
という印象でした。(笑)
また遊びに来ます!是非こちらにもいらして下さい。
- kodeyanさん からの返信 2006/06/15 17:35:01
- RE: 素敵な旅行記ですね〜
- doubledownさん こんにちは!
書き込みありがとうございます(#^.^#)
doubledownさんの旅行記にもお邪魔させてもらいました
なかなかハードな旅していますね〜
上海から2ヶ月でトルコだとスケジュールもきつかったでしょうね
でも陸路の移動って大変だけど魅力ありますよね
私も『深夜特急』は何度も読みましたよ
沢木さんの頃はアフガニスタンに行けたので「いいなぁ」と思います
>>旅は庶民的なスタイルが心地よい。
>プロフィールのこの言葉にとても共感してしまいました。
お〜 そうですか
それはうれしいです!
ではでは(^_-)-☆
-
- 招き猫さん 2006/01/23 15:30:08
- 今日は、
- kodeyanさんの、どんどこツアーをまたまた全て見ました。
何度見ても良いなぁと、こんな旅がしてみたいものです。
2月に西安に行きます、これで気に入れば夏はウイグル地区に行こうと思ってるのですが、どうなるか分かりません。
パキスタン、イランには、やはり行きたいです、
ではまたです、
招き猫
- kodeyanさん からの返信 2006/01/23 21:07:12
- RE: 今日は、
- 招き猫さん こんにちは!
ご覧いただき、ありがとうございます。
二月に西安ですか〜
それは楽しみですね。
招き猫さんの素敵な写真、楽しみにしています。
西安が気に入れば、夏にウイグル地区ですか〜
暑いけど、ハミウリがおいしいでしょうね。
ではでは、書き込みありがとうございました。
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