2005/09/22 - 2005/09/22
225位(同エリア282件中)
こまちゃんさん
- こまちゃんさんTOP
- 旅行記1963冊
- クチコミ258件
- Q&A回答339件
- 1,995,066アクセス
- フォロワー64人
敦煌からの帰り途中、これまで素通りしてきてとても残念に感じていた所に寄ってきました。
画家爺ぃさんのご両親の故郷、甘肅省蘭州市の隣町、皋蘭県羅官村。
この町のことは、爺ぃから何度か聞いていましたが、爺ぃ自身も実際に行くのは初めてです。
爺ぃのお父さんから少し聞いていた、黄土砂しかない町実際の故郷は、一体どんな所なのでしょうか・・・
蘭州でデジカメを無くしたこまは、急遽銀塩で撮影。
投稿写真がぼけて見辛い理由は、全てスキャナーから起こした写真だから。どうかご容赦願います。m(_ _)m
PR
-
朝起きたら爺ぃは昨日の熱がぶり返して、今日の羅官村行きが危ぶまれています。
ホテルのエレベータホールから見える蘭州の町、この先の山手の向こうに目的地はある。 -
朝霧にくすんだ山の手。
幸い、爺ぃの熱は昼までに下がり、取り敢えず無理を推しての羅官村行きを決行する事に。 -
タクシーと値段を交渉し、30元と安かったのでみんなで乗車。
実際そんなに安くはない事を知っているので、走りながら運転手の反応を見るしかない。
その事より先に、町を出て10km足らずでこんな所に到着した事にびっくりした。
そして運転手が、「もうすぐ言われた村に着くよ」と言い出す。 -
爺ぃ:「こんな所じゃないぞ、第一村じゃ無いし。奥溝の村だ!」
司机:「そんな所行った事がない。ましてその感じだったら30元じゃあムリムリ!」
爺ぃ:「判っとる。20元追加じゃ!どうする???」
追加金で、司机(運転手)は渋々「OK・・・」
見えている建物は甘肅省刑務所。 -
戈壁灘平原にある山肌と同じような山々・・・
しかし木々が全くない。。。 -
少し振り返ってみたが、既に町すら見えなくなり、前後が寂しい泥の道。
天気が良かったので幸いしたが、雨が降れば車輪がスリップして、車じゃあ全く上がれなくなる。 -
山道は未舗装道路ばかりで、車のハラが擦ってしまうので、恐る恐るゆっくり進む。
-
すると、固い岩盤の土地で良く見かける、ヤオトン(窯洞)が見えてきた。
これは横穴式の住居だ。
あの豪華な市内から20kmも来ていないのに・・・ここには横穴生活者が実在するという。 -
すぐ横を通ったので撮してみた。
このお宅は現役だそうだ。 -
まだ並んでいた。。。
-
隣の山。
こちらの窯洞、玄関口に何やら模様が見える。
暖簾か衝立のようなものが施されている感じ。 -
そこでとうとう見てしまった。
本当に人が住んでいる。
顔を洗っている人が見える。
この家の前には自転車や何やら家財道具も見える。
電気も水道も無いこんな所で、あの人達はどうやって生活しているのだろう・・・
現に生活されていると言う事なので、これから向かう村と、何らかの形で協力し合っているのかもしれない。
しかし、そこでも水は貴重な筈なので、何かと何かを等価交換しているのか・・・?
その考察の答えを見出す以前に、まだ蘭州市からほんの15km程しか来てない所で、この落差は一体何なのだろう・・・
この国の政府は、やはり人民の事なんて、「勝手になる様になれば良い」‥と言う程度にしか思ってないんだと痛感した。 -
すぐ傍にはこんな溝がある。
昔は河だったのだろう。
しかし、中国西北地区には、この様な枯れた溝地はごまんとある。 -
道が良くなった。
これならスピードが出せると思った時、、、 -
直に平らに慣らした地面や家などが現れた。
運転手曰わく農家と畑で、平地に石が敷き詰めてあるのは、夏は畑の水分蒸発を防ぐ為で、冬場は地熱の保温効果を得る為だそうだ。
窯洞も見える。 -
驢馬を引く女性。
サトウキビととうもろこしの畑ばかりしか見当たらない。 -
タクシー車両が。
タクシー運転手のお宅らしい。
こう言った「職」を持っているお宅は、他の家より立派な感じだ。
パラボラアンテナもあった。
畑には、ひまわりと林檎などが植わっていた。 -
林檎。
日本の林檎とはほど遠く、赤ではなくて赤黒い。
写真の色が悪いのではなく、実際にこんな色だった。
この写真は林檎の色を出す為に、他のいろは犠牲にしている。 -
窯洞生活部分を住宅化させたお宅。
窯洞に家屋を繋げて家にしている。大抵は倉庫に使うようだが、センスのいい人は上手く利用して加工している人も居るようだ。
こう言う所は前から見て知っていたが、全てが列車内からのものだった。実際に行って目の当たりにするのは初めて。。。
山肌のスジは、これも水分吸収の為の秘策。
降雨量が少ない土地では、雨が降った時に山に効率よく雨水を吸わせる為に、手作業でこのスジ入れ作業する必要があるのだ。 -
夏場の山がもの哀しい。
モノの見事に禿げている。水の「み」の字も見当たらない・・・
空の青さが虚しく感じる。
彼らは憎らしく感じるのだろうか・・・ -
先程、説明を受けた石ころを敷き詰めた畑だ。。。
-
向日葵(ひまわり)と土豆(じゃがいも)が見える。
この中文漢字の名前が、ここではとても虚しくも悔しくも感じる。
泣きたくなるくらいに・・・
何もない村でも、電気だけは来ている。 -
コメントするのが辛くなる風景。
-
農家。
しかし、夏のその畑には何もない・・・何も出来ない・・・ -
少しお金のあるお宅のようだ。
パラボラもあるし、家も単独で大きい。 -
取り敢えず車を降りて地元の廟(お寺)をお参りする事にした。
実は6月には爺ぃの長男が来ているので、大体の風景は写真で見て廟の様子は知っていた。
廟に向かう途中、家の前で住所標示を発見。
「羅官村86」、将に姓が「羅」である人の集落を意味するモノだ。 -
みんなと歩いている所が、幾度となく心を痛めている「砂利の畑」。
河の中流当たりにあるような、角もない丸い石ばかりが敷かれていた。大型の金魚鉢か、庭の池に鎮めてある石と全く同じモノだ。 -
その様子を廟のある高台から撮影。
見事に何もない・・・ -
廟に辿り着いた。
村の守り神と言う感じで、村で一番高い所に奉られる。
砂地なので登ってくるのが大変だった。 -
村を見下ろす。
こちらは我々が今来た道がある、所謂村の中心だろう。 -
カメラを右へパンして行きながら風景を撮影。
農地ばかりが広がっている。 -
こんな感じで。。。
-
上の3枚を繋いでみた。写真で見ると何とのどかなんだろうか。
実際に行くと、のどかを通り過ぎて辛いモノばかり感じる。
実際にその地で人々の様子を見て、風と空気を感じて、その大地を自らの足で踏みしめると、その地の嘆き悲しみが聞こえてくるようだったからだ。
直URL:http://img.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/10/50/06/src_10500655.jpg?20051017084443 -
廟の祠前の灯籠。
村が造るモノには味があった。
家の軒にある飾りにしてもドア自体にしても、昔の中華の民が伝統的に守ってきたモノばかりだった。
本来のモノで事足りる部分には、新しいモノなど存在しなかった。 -
廟の玄関。
双龍の飾りが小粋な感じだ。
軒の仕上げも微妙なラウンドが施されており、今の職人には考えつかない代物だろう。 -
昔、自分のお父さんが参っただろう祠の前で、記念撮影を撮って上げた。
表情が何時もと違って硬い感じがするのは気のせいだろうか・・・ -
祠の中に有った三界曼陀羅の掛け軸に、鍾馗さんが描かれているのに驚いたが、悪霊は退治してくれても、地質がかわる事は無いのだろうか・・・。
(三界:想像の天国「気天界」、現世「象天界」、罪業精算修行の「地獄界」)
絵の内容からすると、無病息災や長寿を祈願する感じだ。 -
暫し語らうみんな。
30分程居ただろうか・・・ -
お父さんも眺めた景色。
嘉峪関でもそうだったが、お父さんから聞いただけだった事柄を、自分の足で確かめている瞬間が今ここに在る。 -
村の中心部をクローズアップ。
-
双龍の飾りをアップ。
なんと、この祠には、水滸伝所縁の絵が沢山掛けられていた。
ぼんぼりの後がそれ。108個好漢の絵だ! -
修繕用の煉瓦が並んでいる。
この修繕費は、訪れた成功者達が寄付する以外に無いらしい。
しかし、ここで出身者と口走ったら大変な事になる。
従って爺ぃは蘭州の政府関係者と言う事にして話を聞いていた。
車の前に並んで跪き、返して呉れなくなる事くらいは当たり前の事らしい。
ここでは誰も盗る者は居ない。 -
記念撮影其の2。
もう気持ちも落ち着いたのか、笑顔が見えている。
現実はどうあれ、今回来られた事の喜びはひとしおなのだから。
(特に酷い風邪をひいて仕舞ったからね) -
記念撮影した時に気になった構図。
みなが降りて行きます。
少し日が傾き始めたからか、辺りが何となくオレンジ色になってきた。 -
降りた所で村の人たちとお話開始。
その脇に有った窯洞。道具置き場になっている様子。 -
その道具置き場が幾つかあって、最上階にはお棺が置いてあった。
お爺さんが亡くなった時、ここに暫く置いておく習慣らしい。 -
何事かという感じで、村の人たちが集まってきた。
ドキドキ・・・ -
でも、人に好かれるタイプの爺ぃは、相談者の振りをして現状の話しや楽しい話しなどをして、みんなと打ち解け会っていた。その人たちの殆どが親戚縁者なのだが、何も聞けない尋ねられない・・・
-
色々と熱心に話しをしてくれる皆さん。
田舎の人は何処でも純粋で明るいのだ。
傍らにしゃがみ込んでいるお爺さんが気になる・・・ -
なのでアップで。
爺ぃが、「普段は何が好きで食べてるの?」と聞いたら「毛毛」と言う答え!?
「毛毛は硬いでしょ。その歯じゃ噛み難いんじゃないの?」と聞くと、「水に浸けたら軟らかくなるんじゃよ」
・・・我々無言になりました。
お爺さんは何とも思ってない様子。
貴重な「水」だからなんでしょうけど、それがまた何とも言えないけなげさを醸し出していて、今書いていても目頭が熱くなって仕舞います・・・(;_;
スープや牛乳などの飲み物ではなく、「水」。
ああ、もうだめ。。。 -
村の男連中にも聞いてみました。
「中年で若い人、出て行って働かないの?」
「ムリだよ〜。知人が居なけりゃ何にも出来ない国だから。行っても臨時職ばかりじゃ同じだよ」
爺ぃは話す度に心が痛むようだった。
「有銭的人没有好心,没有銭的人有感情」 -
皆さん、ご丁寧に見送って呉れました。
「せめて道だけでも、もう少し良くして欲しいって言って欲しい。。。」
皆さんはそう言っていました。
身分を偽って接した我々。
何をどう考え、何をどう表現しようが、
何を批判し、それに怒りや哀しみを感じてみても、
結局は無力な我々を身に浸みて感じた・・・ -
ホテルに戻り、今行って来た所にもう一度目を配る。。。
このモヤの向こうで、今日も彼らは彼らなりの一日を見送るのですね。
さっき我々を見送ったのと同じように・・・
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (6)
-
- enyasuさん 2006/10/12 10:49:26
- 爺様の御先祖
- 写真や文面からすると本当にものすごいところのようですね。
爺様にとってお父上から聞いていた故郷の村はその話とどう違っていたのかわかりませんが、いろいろと考えさせられた旅行記でした。
デジカメでない写真がまたその村の雰囲気を感じさせました。
- こまちゃんさん からの返信 2006/10/12 13:54:26
- RE: 爺様の御先祖
- 今でも何かと話題に上ります。
この間は、同じ皋蘭県内で干魃による土地生態に関する問題があったそうです。
http://news.sina.com.cn/c/p/2006-10-11/021211202491.shtml
黄土地帯のような、年収が500元に満たない所では、ここのように資源があり、誰かがそれを欲するならば、そっちを優先するという簡単な足し算しでしかありません。砂金採集をしない限り生活が良くはならないと言う事ですから。
田畑の汚染を懸念し、政府がそれを禁止するならするで、元々その分の生活保証(またはそれに見合った施策を打つ)をして上げれば良いのですが、中国の共産主義って、こう言った部分には民主が適応されるんですよね。
個人的には、ODAなどを他国から要求する国なのに、オリンピックや万博、リニアや飛行場拡張にうつつを抜かしている場合ではないと思うんです。国はそう言った部分しかアピールしませんから、世界はそう言った中国しか見えて来ませんね。
格差が今以上広がると、何れ収拾がが付かなくなる事態にもなりかねないのに。
そう言った、普段は「放置」されている集落で、作物を作るよりも収入が良く、そちらを選んだ事で田畑が壊滅しても、年収500元が1万数千元になるのだったら、農民達にとっては砂金採集の道を選ぶのでしょう。
彼らの文化水平による考え方の違いなので、それらを指摘しても永久に平行線を辿るだけです。同国の人間ながら、与えられた環境が根本から違って居るんですから。
・・・・あ、面白くない内容でスミマセンでした・・・(^^;
丁度昨日、記事を読んだばかりだったもので。。。
こま
- enyasuさん からの返信 2006/10/12 15:54:30
- 人は誰でも豊かになりたいものです
- 記者の言わんとしている事はわかりますが、地元民としては収入がほしいのはもっとものことなので簡単に規制というわけにはいかないですね。
内陸部の事情の一部がわかりためになりました。
- こまちゃんさん からの返信 2006/10/13 13:41:40
- RE: 人は誰でも豊かになりたいものです
- 本当に複雑でしょうね、彼らの心境を考えると。。。
誰も「自分の土地」を好きこのんで汚したいとは考えないでしょう。
でも、直ぐ隣に隣接している蘭州市では、「年収」ではなく「月収」600元以上
が当たり前の世界。しかし、たった20km走れば、全く違う黄土の荒野。
一番離れていたとしても精々100kmでしょう。
文化水平がどうであれ、年収500元の彼らにとっては、故郷への愛着心との
葛藤に加え、この矛盾とも立ち向かっている訳ですよね・・・。
こま
-
- azianokazeさん 2006/04/09 17:45:00
- RE:マリンブルー
- >海の青色が将にマリンブルーですね。
>大地と海のコントラストに爽快感を感じ、久しくお目に掛かっていない色に見入っていました。
奄美の島々も海のシルクロードのきれっぱしかも。
普段の生活では忘れてしまっていることが多いですが、透きとおった海の青さは多少のストレスなら和らげてくれます。
砂の砂漠は(ちょっと覗くだけの旅行者には)魅惑的な美しさもありますが、黄土高原のような乾燥風景はすさまじいものがありますね。
昔、日本の政治家が中国のことを「未だに奥地では崖に掘った穴で暮らしているような国だ。」と誹謗して問題になったことがあります。
ニュース番組などでは「ヤオトンは風土にマッチした、むしろ居住性に優れた住居である。それを理解せずに・・・」といった批判もなされました。
中傷誹謗は論外ですが、現実は思い入れや賛美ではすまない厳しさがありますね。
- こまちゃんさん からの返信 2006/04/16 15:07:59
- RE: RE:マリンブルー
- こちらにお返事頂いていたようですね。
窑洞、平民クラスのものを実際に見たので(甘肅省の黄土地帯。アルバム有ります)、感極まるものがあります。
でも、悲壮感で見るだけだとそうですが、かと言って都会人が裕福かと考えると、彼らの素朴な姿を見ていると、どっちがどうとは言えなくなり、複雑な心境になってしまいます。何も知らない事が幸せってことも言えるし。。。
基本的には、自分を中心に考えたり、自分を一番と思う驕りを持たずに見る事ですね。外国でしかも習慣が違う所の事を、思いこみだけで抽象的に評価や批判する事は是って意止めて欲しいですよね。しかも、お国の代表なら尚更。
また、何かに詰まったら、開放感を感じる為にアルバムへ寄らせて頂きますネ!
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
6
53