大陸横断【11】上空から見たアメリカ大陸

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ロスアンゼルスからデルタ航空で、ニューオルリーンズに向かっている。
私は、窓際の席で額を窓ガラスにつけながら、アメリカの一木一草をも見逃すまいと、1万メートル下を流れ行く風景に夢中だ。

なるほどアメリカは広大である。
行けども行けどもや山また山、原野また原野で、日本のように景色が簡単に変わらない。

アフリカではないかと錯覚するほど、広い砂漠もある。
こんな広い土地に住んでいるから、環境破壊にも鈍感なのだと、つい納得したくもなる。
それではいけないのだが。

二年ほど前、五大湖周辺をドライブした折、古い工場地帯の汚れには、眉をしかめたものだった。
これから、何日も掛けて、この人気のない自然を走ると思えば、緊張が高まってくる。

緑が増えて、テキサスからルイジアナに入った。
湿地帯が見えてきたと思うと、飛行機はグッと高度を下げ、目指すニューオルリーンズに無事着陸した。

懸念したハリケーンはすっかり収まっており、雲間から夕陽が差し込んでいる。
夕暮れ近い空港は、ムッと熱い。
ロスアンゼルスとの時間差は3時間もある。