1999/11/12 - 1999/11/14
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kodeyanさん
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はじめに、
2005年10月8日印パ国境付近を震源とするパキスタン北部の大地震による犠牲者のご冥福とそのご家族・被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
沢山の方の苦しい状況を考えると胸が痛みますが、一人でも多くの旅行者がパキスタンを訪れ「客人歓待」の優しさに触れ感動を享受できることを願いつつ旅行記を作成します。
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〜蒸気機関車でアフガニスタン国境まで行くツアーがある〜
汽笛が峠に響き、噴煙は青く乾いた空に吸い込まれてゆくのだろうか。
こんな旅愁を誘う魅力的なツアーはなかなかあるものではない。
出発地は北西辺境州の州都ペシャワールだ。はやる気持ちでツアーに申し込んだのだった。
9.11以降パキスタンの観光客は減ったことだろう。
集客の面でも現在このツアーが存続されているのか、わからない。
が、現在中止されているとしても再び復活することに希望をこめて1999年当時の様子をまとめてみた。
画像は喘ぎながらハイバル峠を走るSLからの車窓
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ツアーの出発地ペシャワール
古代ガンダーラ王国の首都、そして現在北西辺境州の州都である。
ハイバル峠の麓に広がるアフガニスタンとパキスタンの国境の町だ。
中国やインドからペルシャそしてローマへ。
ここは古来からシルクロードの要衝の地でもある。 -
ペシャワールの市場は「ストーリーテラー・マーケット」とよばれていた。
東西の風物や物語がこの地で語られていたからだ。
〜ペシャワールのバザールには何でもあった。(中略)
野菜や果物を売る露天がえんえんと続く。
ピーマン、ナス、トマト、ダイコン、タマネギ、ジャガイモ・・。
ブドウ、ミカン、ザクロ、カキ、メロン・・。
野菜も果物も驚くほど豊富だった〜
〜部分は、沢木耕太郎著『深夜特急4シルクロード』(新潮文庫)の一部分の引用だが、1970年代と変わらない光景が今もあるんだよ。
鮮やかな野菜たちがそう語っているようだった。 -
ハイバル峠はペシャワールから18kmのジャムルードから58kmの国境の町トルハムまでの約40kmにわたる一帯だ。
ペシャワールの街から15kmほどのジャムルード手前にあるゲートを通ると、トライバルテリトリーとなる。
トライバルテリトリーとは部族地区のことをいう。
アフガニスタンとの国境沿いに住む世界最大の部族パターン人の自治に任されている地域なのだ。
国の法律が適用されるのは、ハイバル峠への国道上だけであり、トライバルテリトリーに勝手に入ることはできない。
許可が必要で一般の交通手段も使えない。
そして護衛を付けなければいけないので、このようなツアーを利用しないと行けない場所なのだ。 -
さて出発進行!
駅前広場では楽団の演奏でセレモニーがにぎにぎしく行われ、お祭り気分で盛り上がる。
スケジュールは、午前7時にペシャワール キャントンメント駅を出発。
ジャムール駅で下車し30分ほどティータイム、それからハイバル峠の頂上近く終点のランディーコタールまでの34kmをSLで向かう。
そこでミニバスに乗り換え、アフガニスタン国境の展望台で見学した後ランディーコタールに戻りランチタイム、そしてペシャワールに戻る。 -
このツアーは「KHYBER STEAM SAFARI」という。
イスラマバードのツーリストインフォメーションで情報収集し、ペシャワールで申し込んだ。
SEHRAI Travel&Tours、Pakistan Railway Consultancy Services、Sarhad Tourism Corporation 3社のジョイントベンチャーだ。
1999年には、Jan-24 Feb-14 Mar-14 Apr-04 May-09 Jul-04 Aug-15 Sep-12 Oct10/24 Nov-14/28 Dec-12と年13回ツアーが組まれていた。
費用は3585パキスタンルピー 8600円ほどである。 -
機関車は1920年代のイギリス製、正面の排煙扉には三日月と星のイスラムの象徴が描かれている。
外貨が不足し輸入がままならないので、耐用年数を越えている。
それでも機関車は一生懸命がんばって働いてくれた。 -
客室内の様子
欧米の観光客で満席だ。
テーブルにはコーヒー、紅茶、ペプシに水が用意されている。 -
機関助士は火室に石炭を投炭したり、ボイラーへの注水をしたり動力となる蒸気圧の管理が主な仕事となる。
投炭作業は懐かしい光景だ。私が10歳くらいまでSLが走っていたから。 -
沿線に子供たちが集まってくる。
汽笛の音に耳を塞ぐ子供が愛くるしい。
この子はわざわざオシャレしてきたのかな。 -
シャルワール(だぶだぶのズボン)カミース(裾丈が膝あたりまであるゆったりしたシャツ)を着た女の子も手を振ってくれる。
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あちらでもこちらでも子供たちが力いっぱい手を振り、そして私たちも手を振り続けた。
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Jamrud駅で途中下車しティータイム。
村のお偉いさんの出迎えがあり、民俗音楽の演奏も聞かせてくれる。
銃を持ったパターン人の兵士も音楽に耳を傾けていた。 -
クッキー、ケーキ、サンドイッチが用意され歓待を受ける。
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時間は前後するが、こちらはランディーコタールでのランチタイム。
ブッフェで野菜カレー、チキン、マトン、プラーオ(ピラフ)、大根にトマトやタマネギのサラダなどが並び、どれも美味しかった。
屋外で食べるのでピクニック気分である。 -
Jamrud駅近くの小中学生も授業を抜け出して集まってきた。
英語を話すのでどこで習ったか聞くと、学校で英語の授業があるという。 -
鉄道は英領インド時代にイギリスが埋設したものだ。
革新的な考えの技師でさえボーラン線をハイバル峠まで敷くのは無理だと考えていたそうだ。
それでも1919年建設に挑み、1926年に開通した。 -
険しい峠によく埋設したものだ。
北西辺境州とは州の60%以上が未開拓の山岳地帯という理由からつけられた、というのも頷ける景色だ。
ランディーコタールまで2回のスイッチバックと34のトンネル92の鉄橋を渡り、標高差600mを登ってゆく。 -
Medanakをすぎてトンネルを通り抜けたらスイッチバックだ。
機関車も10分休憩。
ベージュにブルーラインの客車をはさみ前後に蒸気機関車が連結されている。
勾配が急でスイッチバックがあるためだ。
前牽き後押しで進むプッシュプル列車になっている。 -
いよいよ終点ランディーコタールに到着だ。
列車から身を乗り出しているのは護衛の兵士、なんか仰々しい気もするがそうでもない。
彼の主な仕事は、見たところ列車に勝手に乗り込もうとする輩を追っ払うことだった。
低速で走るから乗ろうと思えば乗れるのだ。好奇心はやっぱりあるよね。 -
ランディーコタールに到着。
機関車はここでゆっくり休んでもらおう。
ミニバス3台に分乗し国境近くの展望台に向かう。 -
ミニバスは途中で密輸市場を通った。
麻薬や銃の売買で有名な市場だ。
パターン族は代々武器づくりの名人だといわれている。
手づくりで生産した自動小銃や小型ミサイルが売られているのだろう。 -
展望台に行く手前で見かけた光景だ。
ソ連軍がアフガニスタンに侵攻した1979年までは、国境の検問所があるトルハムまで線路は延びていたそうだ。
閉鎖から20年の歳月で陸橋の道床は崩れ落ち、錆びたレールが痛々しかった。 -
展望台のミクニポストには看板があった。
ハッダ遺跡のあるジャララバードまで94km。
古来栄枯盛衰を重ねたカブールまで225km。
アフガニスタンは近くて遠い。 -
ミクニポストで兵士が模型で説明してくれる。
兵士の頭の左横、緑がこんもりしたところが国境の町トルハムである。
北西方向にヒンドゥークシュ山が見える。
1979年以来戦闘で亡くなったアフガニスタン人は百五十万人、インドやパキスタンに脱出した難民は六百万人にのぼるという。
千五百万人ほどのアフガニスタンの人口から考えると、十人に一人が死亡し三人に一人が難民になったことになる。
兵士の説明が終わり、アフガニスタンの国境を臨んでいると子供が寄ってきた。
アフガニスタンの子供だ。身なりは貧しかった。
アフガニスタンの紙幣、1000 500 100 50 10 5アフガニを200パキスタンルピーと交換してくれという。
首を振ると、150パキスタンルピーになり100になった・・
こういう子供たちをみると、日本の子供は幸福だとつくづく思う。
学校で勉強するという望みはこの子たちには夢で終わってしまうのだろうか。 -
九十九折の道はアジアハイウェイだ。
パキスタンとアフガニスタン間は、一番の幹線道路であるA-1ルートと呼ばれる道なのだ。
ベトナムからトルコ国境に至り、トルコ国境からヨーロッパハイウェイとなりヨーロッパの国々と連なる。
沢木耕太郎も深夜特急の旅でこの道を通っている。
ジャララバードからカブールまでの景観の美しさに感激し、バスの後部座席から見える赤い夕日をあびた山々に感動している。
いつの日か、バンディ・アミール湖のラピスラズリ色をした清澄な水面をこの目に焼きつけられる日が来るのだろうか。
★19はパキスタン最終章、桃源郷フンザの予定だよ。
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