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避暑山荘。これを聞いて皆さんは何を想像するだろうか?夏の暑さを避けて涼みに行く山荘?その通り。今回行った避暑山荘とは、世界遺産にも指定されている清代の皇帝の避暑地。山一つ丸々含む、中国最大の宮廷建築だ。康熙帝以降の清代の皇帝は夏の時期を紫禁城から離れてここで過ごした。つまり夏の間、政治はここで行なわれたのだ。そして清代後半には諸民族融和の場所となり(清朝の皇族自体は中国東北地方にルーツを持つ満州族であり、彼らは中国本土では中華王朝の皇帝、モンゴル地域ではモンゴルのハン、チベット地域ではラマの保護者という立場を取り、各民族の統合の上に君臨していた)、避暑山荘を中心に12のチベット仏教寺院を作り、これらを外八廟と呼んだ。<br />ここ、避暑というだけあり北京より気温は数度下がる。これはそんなところにまだまだ寒い時期に行ってしまった私の旅行記である。<br /><br />避暑山荘は北京からバスで数時間(3時間くらいだったような気がする)のところにある、河北省の承徳にある。ここはかつて熱河省が存在した頃はその省都だった街であり、そのためイメージとしては「河北省」よりもむしろモンゴル方面に近い。実際人口における少数民族の比率は高く、モンゴル・チベット・満洲などの少数民族が多く暮らしているそうだ。<br />避暑山荘はその名の通り夏がメインの観光地だが、話によると夏の避暑山荘は信じられないくらい混むのだという。そのため混む前に!と思い、2月の後半のとある日に行くことにした。北京では湖の氷も溶けて、ダウンを脱いでそろそろジージャンになろうとしていた頃だった。北京で授業を受けて軽く昼食を食べてから昼過ぎに出発。東直門からバスに乗るのだ。もちろんぼろい小さなバス。こんな時期に観光客がいる訳も無く、周りは出稼ぎ労働者のおじさんやおにいさんばかりだ。<br />一応ダウンを着てきたのだが、バスは隙間風が入るのでとても寒い。さすがにこの寒さはおかしいなと思ったところなんと雪が降り出した。そうだよな、避暑だもんな、と1人で納得しながらバスは承徳に到着した。雪も一旦やんでいた。良し。<br /><br />街に着いて、宿の客引きを無視しつつ、ガイドブックを見て目をつけていたドミトリーのある宿へ電話。しかし2件ほどかけたがつながらない。困った挙句客引きのおばちゃんと話をしてみることにした。その際私が目をつけていた宿の話も聞いてみたら、一軒はつぶれた。もう一軒は冬だから閉まっていると言われた。でも信じられないのでおばちゃんに文句を言いつつ連れて行ってもらったが本当に閉まっていた。ドアは鎖で施錠してあり「そうか、だから中国語で鍵を閉めることを鎖門というのか」などと下らないことを考えた。<br />おばちゃんと話しながら「今時はみんなオンラインで予約するのよね」なんて言われて、「へいへいどうせ予約してませんよ」と思いながら宿へ到着。中国人向け安宿を値段交渉して泊まる事にした。それぞれの鍵を渡してもらえないタイプ(毎回従業員に言って開けてもらう)だが、避暑山荘の門にも近く、スチーム一応は付いていてトイレもシャワーもついておりなかなかの部屋。<br /><br />その日は着いたのが夕方だったので街をぶらぶらしながら食事するところを探す。街一番の繁華街へ。夏は屋台も沢山出るそうだが冬なのであまりそんなものはない。ぶらぶら。するとまた雪がふりだした。そのためデパートの前で滑って転んでしまった。恥ずかしい。そして懲りずにアイスを食べながら再度ぶらぶら。<br /><br />それにしてもここは不思議な街だ。決して大きな街ではないのだが、その中心部の大半を避暑山荘が占めている。そしてその周りにもチベット式寺院が点在している。とても不思議な雰囲気漂う街である。<br />夕食は結局避暑山荘附近の餃子屋で食べることにした。その名も乾隆餃子館。乾隆帝好きの私にはちょうど良い名前だ。なかなか美味しい味。そしてビール。旅先でのビールは格別だ。<br /><br />その日はそれで部屋に帰ってシャワーを浴びて就寝。ちなみに水圧がものすごく弱くお湯がほとんど出せない。頑張って頭を洗った後就寝。スチームも弱く夜中に何度も目が覚めるが頑張って朝まで寝た。<br /><br />2日目、この日は朝から雪だ。それにも負けず避暑山荘へ。表紙に写真を載せたが、ここの入り口には康熙帝御筆の「避暑山荘」という字がかかっている。この写真を見たことある人も多いのではないだろうか。ちなみに私は「○○御筆」というものが大好きだ。皇帝陛下直筆の書という意味である。この街はこれが多くて私は大変満足した。<br />中へ入ると一面の銀世界。ここは皇帝は夏しかいなかったところである。そう考えるとここの銀世界は皇帝も見なかった風景ということになる。複雑な気持ちだがなんとなく嬉しい。しかし冬で雪まで降ったため人間というものがもの凄く少なかった。そして水という水は全て凍っている。<br />ここは宮殿部分と山や森林の部分に分かれている。まずは宮殿部分へ。康熙帝・乾隆帝の好きだった江南の風景を再現したところもあるが所詮銀世界。なにもそんな気分にはならない。<br />ここで私が一番見たかった建物、それは文津閣である。これは清代に編纂された歴史書『四庫全書』を保管していた建物である。ここでは紙幅の都合で詳しくは書かないので、四庫全書については<br />http://www.karitsu.org/kogusho/e1_4kzs.htm<br />をご参照ください。<br />歴史学を学ぶ身として、やはり四庫全書の保管場所は行っておきたいという気持ちがあるのだ。ちなみに北京の景山の裏辺りに「文津路」という通りがあるが、これはそこにある国家図書館(旧北京図書館)に文津閣の四庫全書を保管していたことに由来するそうだ。<br /><br />話は飛んだが、この宮殿地区を見た後山や森林の方へ。はっきり言って本当の山だ。鹿などの動物も沢山いる。しかも一面雪景色なのでスノボをしたくなってしまった。<br />ある程度回った後、昼くらいには避暑山荘を出て、関帝廟近くの小さな食堂でジャージャー麺の昼食。午後は外八廟巡りだ。それについては次の旅行記へ。

避暑ではない避暑山荘

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2004/02/20 - 2004/02/22

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LaoBeijing

LaoBeijingさん

避暑山荘。これを聞いて皆さんは何を想像するだろうか?夏の暑さを避けて涼みに行く山荘?その通り。今回行った避暑山荘とは、世界遺産にも指定されている清代の皇帝の避暑地。山一つ丸々含む、中国最大の宮廷建築だ。康熙帝以降の清代の皇帝は夏の時期を紫禁城から離れてここで過ごした。つまり夏の間、政治はここで行なわれたのだ。そして清代後半には諸民族融和の場所となり(清朝の皇族自体は中国東北地方にルーツを持つ満州族であり、彼らは中国本土では中華王朝の皇帝、モンゴル地域ではモンゴルのハン、チベット地域ではラマの保護者という立場を取り、各民族の統合の上に君臨していた)、避暑山荘を中心に12のチベット仏教寺院を作り、これらを外八廟と呼んだ。
ここ、避暑というだけあり北京より気温は数度下がる。これはそんなところにまだまだ寒い時期に行ってしまった私の旅行記である。

避暑山荘は北京からバスで数時間(3時間くらいだったような気がする)のところにある、河北省の承徳にある。ここはかつて熱河省が存在した頃はその省都だった街であり、そのためイメージとしては「河北省」よりもむしろモンゴル方面に近い。実際人口における少数民族の比率は高く、モンゴル・チベット・満洲などの少数民族が多く暮らしているそうだ。
避暑山荘はその名の通り夏がメインの観光地だが、話によると夏の避暑山荘は信じられないくらい混むのだという。そのため混む前に!と思い、2月の後半のとある日に行くことにした。北京では湖の氷も溶けて、ダウンを脱いでそろそろジージャンになろうとしていた頃だった。北京で授業を受けて軽く昼食を食べてから昼過ぎに出発。東直門からバスに乗るのだ。もちろんぼろい小さなバス。こんな時期に観光客がいる訳も無く、周りは出稼ぎ労働者のおじさんやおにいさんばかりだ。
一応ダウンを着てきたのだが、バスは隙間風が入るのでとても寒い。さすがにこの寒さはおかしいなと思ったところなんと雪が降り出した。そうだよな、避暑だもんな、と1人で納得しながらバスは承徳に到着した。雪も一旦やんでいた。良し。

街に着いて、宿の客引きを無視しつつ、ガイドブックを見て目をつけていたドミトリーのある宿へ電話。しかし2件ほどかけたがつながらない。困った挙句客引きのおばちゃんと話をしてみることにした。その際私が目をつけていた宿の話も聞いてみたら、一軒はつぶれた。もう一軒は冬だから閉まっていると言われた。でも信じられないのでおばちゃんに文句を言いつつ連れて行ってもらったが本当に閉まっていた。ドアは鎖で施錠してあり「そうか、だから中国語で鍵を閉めることを鎖門というのか」などと下らないことを考えた。
おばちゃんと話しながら「今時はみんなオンラインで予約するのよね」なんて言われて、「へいへいどうせ予約してませんよ」と思いながら宿へ到着。中国人向け安宿を値段交渉して泊まる事にした。それぞれの鍵を渡してもらえないタイプ(毎回従業員に言って開けてもらう)だが、避暑山荘の門にも近く、スチーム一応は付いていてトイレもシャワーもついておりなかなかの部屋。

その日は着いたのが夕方だったので街をぶらぶらしながら食事するところを探す。街一番の繁華街へ。夏は屋台も沢山出るそうだが冬なのであまりそんなものはない。ぶらぶら。するとまた雪がふりだした。そのためデパートの前で滑って転んでしまった。恥ずかしい。そして懲りずにアイスを食べながら再度ぶらぶら。

それにしてもここは不思議な街だ。決して大きな街ではないのだが、その中心部の大半を避暑山荘が占めている。そしてその周りにもチベット式寺院が点在している。とても不思議な雰囲気漂う街である。
夕食は結局避暑山荘附近の餃子屋で食べることにした。その名も乾隆餃子館。乾隆帝好きの私にはちょうど良い名前だ。なかなか美味しい味。そしてビール。旅先でのビールは格別だ。

その日はそれで部屋に帰ってシャワーを浴びて就寝。ちなみに水圧がものすごく弱くお湯がほとんど出せない。頑張って頭を洗った後就寝。スチームも弱く夜中に何度も目が覚めるが頑張って朝まで寝た。

2日目、この日は朝から雪だ。それにも負けず避暑山荘へ。表紙に写真を載せたが、ここの入り口には康熙帝御筆の「避暑山荘」という字がかかっている。この写真を見たことある人も多いのではないだろうか。ちなみに私は「○○御筆」というものが大好きだ。皇帝陛下直筆の書という意味である。この街はこれが多くて私は大変満足した。
中へ入ると一面の銀世界。ここは皇帝は夏しかいなかったところである。そう考えるとここの銀世界は皇帝も見なかった風景ということになる。複雑な気持ちだがなんとなく嬉しい。しかし冬で雪まで降ったため人間というものがもの凄く少なかった。そして水という水は全て凍っている。
ここは宮殿部分と山や森林の部分に分かれている。まずは宮殿部分へ。康熙帝・乾隆帝の好きだった江南の風景を再現したところもあるが所詮銀世界。なにもそんな気分にはならない。
ここで私が一番見たかった建物、それは文津閣である。これは清代に編纂された歴史書『四庫全書』を保管していた建物である。ここでは紙幅の都合で詳しくは書かないので、四庫全書については
http://www.karitsu.org/kogusho/e1_4kzs.htm
をご参照ください。
歴史学を学ぶ身として、やはり四庫全書の保管場所は行っておきたいという気持ちがあるのだ。ちなみに北京の景山の裏辺りに「文津路」という通りがあるが、これはそこにある国家図書館(旧北京図書館)に文津閣の四庫全書を保管していたことに由来するそうだ。

話は飛んだが、この宮殿地区を見た後山や森林の方へ。はっきり言って本当の山だ。鹿などの動物も沢山いる。しかも一面雪景色なのでスノボをしたくなってしまった。
ある程度回った後、昼くらいには避暑山荘を出て、関帝廟近くの小さな食堂でジャージャー麺の昼食。午後は外八廟巡りだ。それについては次の旅行記へ。

  • バスが給油休憩中。このバスで北京から承徳へ行ったのだ。乗り心地は。。。

    バスが給油休憩中。このバスで北京から承徳へ行ったのだ。乗り心地は。。。

  • 休憩所のトイレ。中はもちろん穴を掘っただけである。

    休憩所のトイレ。中はもちろん穴を掘っただけである。

  • 承徳の関帝廟

    承徳の関帝廟

  • 街の真ん中には康熙帝の銅像が建っている。

    街の真ん中には康熙帝の銅像が建っている。

  • 餃子と地ビール!

    餃子と地ビール!

  • 雪の中の避暑山荘の門

    雪の中の避暑山荘の門

  • 雪の避暑山荘。

    雪の避暑山荘。

  • 避暑山荘の鉄獅子

    避暑山荘の鉄獅子

  • 避暑山荘

    避暑山荘

  • 雪道

    雪道

  • 凍った湖

    凍った湖

  • 派出所もこんな建物なのだ!

    派出所もこんな建物なのだ!

  • 避暑山荘

    避暑山荘

  • 文津閣。ここに『四庫全書』が保管されていた。

    文津閣。ここに『四庫全書』が保管されていた。

  • 塔。

    塔。

  • 東屋。

    東屋。

  • 雪道

    雪道

  • 雪山

    雪山

  • 雪山

    雪山

  • 雪に書かれた落書き

    雪に書かれた落書き

  • 道教の雷神。日本の烏天狗に見える。

    道教の雷神。日本の烏天狗に見える。

  • 門の裏に書いてある康熙帝の御手による書。満洲文字・チベット文字・モンゴル文字・ウイグル文字・漢字で書いてある。

    門の裏に書いてある康熙帝の御手による書。満洲文字・チベット文字・モンゴル文字・ウイグル文字・漢字で書いてある。

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