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 大歩危峡は吉野川(長さ194Km、別名・四国三郎)沿いの結晶片岩が水蝕されてできた溪谷で、徳島県の天然記念物に指定されている巨岩・奇岩が5kmも続く。崖が切り立ち、川の流れも速く、古くからの難所として有名で「大股で歩くと危ない」という意味で大歩危と名付けられたそうだ。舟下りは川幅が広いところは穏やかな流れだったが、川幅が狭いところは白い水しぶきが飛び、流れが速くスリルがあった。<br />四万十川(しまんとがわ)は長さ196Kmで四国最長の大河。不入(いらず)山(1,336メートル)の東斜面に源を発し、主な支流35、支流総数318、四国西南地域を大きく蛇行しながら、落差のない流れとなって、太平洋に注ぐ。水量豊かな緩やかな流れの清流で四万十川舟下りはゆったりとした風情がある。<br />四万十川の沈下橋は、増水時に川に沈んでしまうように設計された欄干のない橋のことで緑の山々に青い四万十、沈下橋という風景は、四万十川らしい風景と言われている。河口からいちばん近い佐田(今成)沈下橋を渡った。欄干が無いので川に落ちないように注意が必要だが、清流にかかる橋を渡る気分はそう快だ。<br /> 四国最南端の足摺岬の断崖絶壁に打ち寄せ砕け散る白波は迫力があった。近くには文学作品「足摺岬」の記念碑が建っている。田宮虎彦(1911〜1988年)作「足摺岬」はプロレタリアート思想の嫌疑で投獄された苦学生が足摺岬の断崖から飛び込み自殺をしようと苦悩するという文学作品で1954年に 吉村公三郎監督によって映画化されている。その後足摺岬は自殺の名所になったそうだ。田宮虎彦は1988年1月脳梗塞で倒れ右半身不随となり、「足摺岬」の断崖からではなく、自宅のマンションから飛び降り生涯を閉じている。 <br />足摺岬では竜串海岸の岩場と四国八十八霊場の38番札所で823年弘法大師・空海(774−835の年)開創と伝えられる金剛福寺が良く知られている。<br />弘法大師・空海の四国行脚の際、足摺岬で観世音菩薩を感得、天皇に報告すると嵯峨天皇は『補陀洛東門』の勅額を授け金剛福寺を建立したそうだが足摺岬にはこれにまつわる仏教の説話がある。「弘法大師・空海が観世音菩薩を感得後、観音様の住む浄土のことを補陀洛山と言い観音様に会いたい人達は足摺岬から船出したので周辺を補陀洛渡海と言った。観音様に会うために補陀洛渡海に賀登上人と弟子の日円上人が来たところ一人の空腹の修行僧が現れた。慈悲深い日円上人は食べ物を分けたが賀登上人は分けなかった。すると船出のとき舟は修行僧と日円上人だけを乗せて補陀洛山を目指した。修行僧は実は菩薩様で残された賀登上人は大変悔しがり足を摺りながらこの地を去ったので足摺岬と言われるようになった」というものだ。<br />弘法大師・空海は804年から3年間唐で密教を学び真言宗の開祖となった日本の仏教発展の偉人だが、讃岐(香川県)出身とはいえ四国八十八ヶ所行脚など国内の修行もたいしたものだ。旅に出ると自分の知らない発見があることも大きな魅力の一つだ。(写真は足摺岬)<br />

日本の旅 四国・清流の四万十川、足摺岬、大歩危峡

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2001/09/23 - 2001/09/24

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さすらいおじさん

さすらいおじさんさん

大歩危峡は吉野川(長さ194Km、別名・四国三郎)沿いの結晶片岩が水蝕されてできた溪谷で、徳島県の天然記念物に指定されている巨岩・奇岩が5kmも続く。崖が切り立ち、川の流れも速く、古くからの難所として有名で「大股で歩くと危ない」という意味で大歩危と名付けられたそうだ。舟下りは川幅が広いところは穏やかな流れだったが、川幅が狭いところは白い水しぶきが飛び、流れが速くスリルがあった。
四万十川(しまんとがわ)は長さ196Kmで四国最長の大河。不入(いらず)山(1,336メートル)の東斜面に源を発し、主な支流35、支流総数318、四国西南地域を大きく蛇行しながら、落差のない流れとなって、太平洋に注ぐ。水量豊かな緩やかな流れの清流で四万十川舟下りはゆったりとした風情がある。
四万十川の沈下橋は、増水時に川に沈んでしまうように設計された欄干のない橋のことで緑の山々に青い四万十、沈下橋という風景は、四万十川らしい風景と言われている。河口からいちばん近い佐田(今成)沈下橋を渡った。欄干が無いので川に落ちないように注意が必要だが、清流にかかる橋を渡る気分はそう快だ。
 四国最南端の足摺岬の断崖絶壁に打ち寄せ砕け散る白波は迫力があった。近くには文学作品「足摺岬」の記念碑が建っている。田宮虎彦(1911〜1988年)作「足摺岬」はプロレタリアート思想の嫌疑で投獄された苦学生が足摺岬の断崖から飛び込み自殺をしようと苦悩するという文学作品で1954年に 吉村公三郎監督によって映画化されている。その後足摺岬は自殺の名所になったそうだ。田宮虎彦は1988年1月脳梗塞で倒れ右半身不随となり、「足摺岬」の断崖からではなく、自宅のマンションから飛び降り生涯を閉じている。
足摺岬では竜串海岸の岩場と四国八十八霊場の38番札所で823年弘法大師・空海(774−835の年)開創と伝えられる金剛福寺が良く知られている。
弘法大師・空海の四国行脚の際、足摺岬で観世音菩薩を感得、天皇に報告すると嵯峨天皇は『補陀洛東門』の勅額を授け金剛福寺を建立したそうだが足摺岬にはこれにまつわる仏教の説話がある。「弘法大師・空海が観世音菩薩を感得後、観音様の住む浄土のことを補陀洛山と言い観音様に会いたい人達は足摺岬から船出したので周辺を補陀洛渡海と言った。観音様に会うために補陀洛渡海に賀登上人と弟子の日円上人が来たところ一人の空腹の修行僧が現れた。慈悲深い日円上人は食べ物を分けたが賀登上人は分けなかった。すると船出のとき舟は修行僧と日円上人だけを乗せて補陀洛山を目指した。修行僧は実は菩薩様で残された賀登上人は大変悔しがり足を摺りながらこの地を去ったので足摺岬と言われるようになった」というものだ。
弘法大師・空海は804年から3年間唐で密教を学び真言宗の開祖となった日本の仏教発展の偉人だが、讃岐(香川県)出身とはいえ四国八十八ヶ所行脚など国内の修行もたいしたものだ。旅に出ると自分の知らない発見があることも大きな魅力の一つだ。(写真は足摺岬)

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  • 足摺岬の断崖絶壁に打ち寄せ砕け散る白波。

    足摺岬の断崖絶壁に打ち寄せ砕け散る白波。

  • 足摺岬の砕け散る白波。

    足摺岬の砕け散る白波。

  • 足摺岬の砕け散る白波。

    足摺岬の砕け散る白波。

  • 足摺岬の砕け散る白波。

    足摺岬の砕け散る白波。

  • 四国最南端の足摺岬の断崖絶壁に打ち寄せ砕け散る白波。

    四国最南端の足摺岬の断崖絶壁に打ち寄せ砕け散る白波。

  • 足摺岬の灯台。

    足摺岬の灯台。

  • 文学作品「足摺岬」の記念碑。田宮虎彦(1911〜 1988年)作「足摺岬」はプロレタリアート思想の嫌疑で投獄された苦学生が断崖から飛び込み自殺をしようと苦悩するという文学作品で1954年に 吉村公三郎監督によって映画化されている。その後足摺岬は自殺の名所になったそうだ。

    文学作品「足摺岬」の記念碑。田宮虎彦(1911〜 1988年)作「足摺岬」はプロレタリアート思想の嫌疑で投獄された苦学生が断崖から飛び込み自殺をしようと苦悩するという文学作品で1954年に 吉村公三郎監督によって映画化されている。その後足摺岬は自殺の名所になったそうだ。

  • 四国八十八霊場、38番札所823年弘法大師・空海(774−835の年)開創と伝えられる金剛福寺。

    四国八十八霊場、38番札所823年弘法大師・空海(774−835の年)開創と伝えられる金剛福寺。

  • 金剛福寺の弘法大師・空海像。

    金剛福寺の弘法大師・空海像。

  • 足摺岬の船着場。

    足摺岬の船着場。

  •  足摺岬の竜串海岸。

    足摺岬の竜串海岸。

  • 四万十川(しまんとがわ)の清流。

    四万十川(しまんとがわ)の清流。

  • 四万十川の清流。

    四万十川の清流。

  • 四万十川。

    四万十川。

  • 四万十川の清流。

    四万十川の清流。

  • 四万十川。

    四万十川。

  • 四万十川の清流。

    四万十川の清流。

  • 四万十川下りの舟。

    四万十川下りの舟。

  • 四万十川の沈下橋、佐田(今成)沈下橋。増水時に川に沈んでしまうように設計された欄干のない橋。

    四万十川の沈下橋、佐田(今成)沈下橋。増水時に川に沈んでしまうように設計された欄干のない橋。

  • 大歩危峡。吉野川(長さ194Km、別名・四国三郎)沿いの結晶片岩が水蝕されてできた溪谷で、徳島県の天然記念物に指定されている巨岩・奇岩が5kmも続く。崖が切り立ち、川の流れも速く、古くからの難所として有名で「大股で歩くと危ない」という意味で大歩危と名付けられたそうだ。

    大歩危峡。吉野川(長さ194Km、別名・四国三郎)沿いの結晶片岩が水蝕されてできた溪谷で、徳島県の天然記念物に指定されている巨岩・奇岩が5kmも続く。崖が切り立ち、川の流れも速く、古くからの難所として有名で「大股で歩くと危ない」という意味で大歩危と名付けられたそうだ。

  • 大歩危峡。

    大歩危峡。

  • 大歩危峡。

    大歩危峡。

  • 大歩危峡。

    大歩危峡。

  • 大歩危峡を下る観光船。

    大歩危峡を下る観光船。

  • ライト・アップした明石海峡大橋。

    ライト・アップした明石海峡大橋。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • fkさん 2005/08/27 10:48:27
    四万十川
    さすらいおじさん,

    日本の川,原風景ですね〜

    大歩危小歩危もむかしと変わらず秘境,
    落人部落の面影も残っていましたか?

    さすらいおじさん

    さすらいおじさんさん からの返信 2005/08/27 11:21:33
    RE: 四万十川
    fkさん  四国をご覧いただきありがとうございます。

    >日本の川,原風景ですね〜

    四万十川は水が澄んで水量も多く、のどかな舟下りができました。昔の風景と変わっていないと思います。

    >大歩危小歩危もむかしと変わらず秘境,
    落人部落の面影も残っていましたか?

    この時は大歩危だけでした。大歩危は大分観光地化されたイメージでした。
    小歩危、かずら橋、平家屋敷に行ったのは5年以上前ですが、平家落人部落のイメージはあまり感じませんでした。
    平家屋敷には平家の遺品が展示されていましたが。もっと山中に行けば落人村が残っているかもしれません。

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