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 日本最強の民宿「古守宿一作」<br /><br /> 2003年ゴールデンウィーク、後半の3連休。<br />数日前からの天気予報は3日とも晴れとのことだったので、<br />我が家はこの良い季節、ここぞとばかりに<br />バイクツーリングを予定していました。<br /> 行き先は、半年ほど前に予約しておいた<br />小淵沢「古守宿一作」。<br />一晩に一組しか泊めない宿として、<br />色々な雑誌にも紹介されていたこの宿に初めて泊まったのは<br />去年の8月末でした。<br />そうそう簡単には予約をとれないだろうと覚悟しつつ、<br />確か春頃に電話をしてみたところ、<br />8月下旬の平日なら空いているとのこと。<br />外がまだ暗いうちに東京を出発して、<br />一般道をヒイヒイ言いながら現地に到着したのは午後2時過ぎ。<br />高速道路のバイク二人乗りが禁止されているため、<br />タンデムツーリングの私たちはどんなに遠いところでも<br />チンタラと一般道を走るしかないのです。<br /><br /> そうやって凝り固まった体を解きほぐしてくれたのは、<br />薪で焚かれた「古守宿一作」のお風呂なのでした。<br />夕食は、食べ切れない夏野菜。<br />きゅうり、トマト、とうもろこし…。<br />朝ごはんに出た絞りたてのトマトジュース。<br />うみたての卵。<br /><br /> …素晴らしい宿はぜひリピートしたい。<br />でも東京、小淵沢間の150キロを越える一般道の道のりはツライ。<br /> そうして今回は、小淵沢のすぐ手前、韮崎まで<br />主人はひとりで高速道路、<br />私は中央線をひとり特急列車で向かい、<br />JR韮崎駅前で落ち合うというルートを取りました。<br />(ツライと言いながら、二人して列車で行こうとしないところが、やっぱりバイク乗りです。)<br /><br /> 今回は親しい友人佐藤さんファミリーとご一緒する予定で<br />宿を取っていますが、<br />現地集合・現地解散といたって自由な約束です。<br /> 佐藤さんはペンネーム「さとなお」で<br />数多くの食に関するエッセイを出版しておられるグルメ。<br />実は、湯布院の「無量塔」鹿児島の「雅叙苑」<br />そして今や私たちのほうが常連客となってしまった花脊「美山荘」は全て、<br />さとなおさんが先に出かけて、よかったよと推薦してくれた宿だったのです。<br />そんな口うるさい(?)友人でも、<br />ここなら気に入るだろうとお誘いしたのが、<br />この春の「古守宿一作」でした。<br /><br /> 全く雨など心配していなかった5月3日の朝、<br />遠足みたいにわくわくしながら早く目覚めた私の、<br />最初に目に入ったものは窓の外の雨!<br />信じられない展開に、一時は騒然とした我が家でしたが<br />時間とともに空は晴れて予定通りの出発となったのでした。<br /><br /> さて、この宿の魅力はなかなか語り尽くせません。<br />古民家を現代的なセンスで移築した素晴らしい宿は<br />いくつもありますが、この宿は移築ではなく、<br />生まれたときからそこにずっとあった建物。<br />その古民家にご主人のセンスで骨董家具が備えられ、<br />もちろん私の嫌いなテレビはきちんと<br />それらの家具に隠されています。<br /><br /> しかもその古民家の建つロケーションがすごい。<br />南斜面の庭に突き出した月見台の真正面には、<br />遮るものなく南アルプス。<br /> 実は我が家は白金台の南斜面に建つ<br />マンションの9階にありまして、<br />遮るものが何一つない南側には品川駅の高層ビルやお台場、<br />そして羽田空港の離発着が見えるという<br />なかなかのロケーションなのです。<br />「古守宿一作」と我が家は、<br />見える景色は大自然の南アルプスか都会の高層ビルかと<br />正反対ですが、南斜面の高台の上という点においては<br />全く同じです。<br />「うちもいいけど、ここの自然は素晴らしいよね。」<br />とかなんとか自画自賛もしながら、<br />少しぬるくなった白ワインを酌み交わすのは、<br />旅の最高の瞬間でした。<br /><br /> 食事も素晴らしい自然のものばかり。<br />ただし…全てが自給自足のこの宿では猪と鹿を供する冬以外は<br />ほとんど精進料理のようなものです。<br />たんぱく質は、手作り豆腐と朝の産みたて卵のみ。<br /><br /><br /> ゴールデンウィークのこの季節には、山菜が主な食材です。<br />前回、夏野菜ばかりと言えども<br />食べきれなかった経験のあった私たちは、<br />お昼ご飯を少なめにして、グルマンでもあるさとなおさんには「あなた好みの食事の量」だと宣言していたのです。<br /> ところが、今回の夕食に出できたものは、<br />山に自生する様々な<br />(知らない名前のものも多くて、忘れてしまいました。)<br />山菜のおひたしと山菜のてんぷら。<br />さあ、いよいよメインデッシュは…と期待したところに<br />「おろし蕎麦とおもちとごはんで終わりです。」<br /><br />…?<br /><br /> 後で聞いたところによると、<br />全ての食材を偽りなく一から作っているので<br />夏にはたくさんの食材があって食べ切れないほど出せるけど、<br />春先にはまだ食材が少なくて、こうなってしまうとか。<br />まさしく、自然の中の自然のまんまの宿なのでした。<br /><br /> 広々とした民家まるごとを借り切って、<br />夜が更けるまでお酒を飲み、<br />酔い覚ましに庭に出てみると天頂に北斗七星。<br />おなかは少し空いているけど、<br />心も体も芯からのんびりとリラックスした夜でした。<br /><br /> 翌朝食はゆうべとうってかわったすごいボリュームです。<br />夏に感動したトマトジュースに匹敵するのは、<br />なにもつけずに驚くほど甘いグリーンアスパラ。<br />ゆうべ大豆をふやかしたという、作りたての青豆豆腐。<br />「夜より朝にボリュームを持ってくるのが、<br />健康にいいんだからね」などと言いながら、<br />かまどで焚かれたごはんを何度もおかわりしてみんな満腹。<br /> 満腹で動けない体を縁側に横たえると、<br />真正面にはまだ雪の残る南アルプス。<br />枕代わりの二つ折り座布団は、<br />都会人が憧れてやまない田舎の贅沢の象徴です。<br />あ~極楽。<br /><br /> 10時半のチェックアウトで佐藤一家と別れて、<br />私たちは富士山ツーリングを楽んだ後、<br />2日目の西伊豆の常宿「淡島ホテル」に向かいましたが、<br />今回の旅のメインは「古守宿一作」なので、<br />「淡島ホテル」のご案内はまた別の機会にします。<br /><br /> 二人なら1泊2食でひとり2万円くらい。<br />三人以上ならさらに割引となり、<br />しかも一晩に一組しか泊まれないこの宿。<br />ほんとは、これ以上誰にも知られたくないところなんですが…。<br /><br /><br /><br />  宿にこだわるコミュニティ「本物の高級宿を楽しむ」を立ち上げました。<br />よろしかったら、情報交換しましょう。<br /><br />http://4travel.jp/community/main/10000186/<br /><br />

思う壺Barマダムの「古守宿一作」…ワインとグラスとソムリエナイフ、それから2~3日分の本を抱えて宿に篭りっきり

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2003/05/03 - 2003/05/04

13219位(同エリア13598件中)

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miu

miuさん

 日本最強の民宿「古守宿一作」

 2003年ゴールデンウィーク、後半の3連休。
数日前からの天気予報は3日とも晴れとのことだったので、
我が家はこの良い季節、ここぞとばかりに
バイクツーリングを予定していました。
 行き先は、半年ほど前に予約しておいた
小淵沢「古守宿一作」。
一晩に一組しか泊めない宿として、
色々な雑誌にも紹介されていたこの宿に初めて泊まったのは
去年の8月末でした。
そうそう簡単には予約をとれないだろうと覚悟しつつ、
確か春頃に電話をしてみたところ、
8月下旬の平日なら空いているとのこと。
外がまだ暗いうちに東京を出発して、
一般道をヒイヒイ言いながら現地に到着したのは午後2時過ぎ。
高速道路のバイク二人乗りが禁止されているため、
タンデムツーリングの私たちはどんなに遠いところでも
チンタラと一般道を走るしかないのです。

 そうやって凝り固まった体を解きほぐしてくれたのは、
薪で焚かれた「古守宿一作」のお風呂なのでした。
夕食は、食べ切れない夏野菜。
きゅうり、トマト、とうもろこし…。
朝ごはんに出た絞りたてのトマトジュース。
うみたての卵。

 …素晴らしい宿はぜひリピートしたい。
でも東京、小淵沢間の150キロを越える一般道の道のりはツライ。
 そうして今回は、小淵沢のすぐ手前、韮崎まで
主人はひとりで高速道路、
私は中央線をひとり特急列車で向かい、
JR韮崎駅前で落ち合うというルートを取りました。
(ツライと言いながら、二人して列車で行こうとしないところが、やっぱりバイク乗りです。)

 今回は親しい友人佐藤さんファミリーとご一緒する予定で
宿を取っていますが、
現地集合・現地解散といたって自由な約束です。
 佐藤さんはペンネーム「さとなお」で
数多くの食に関するエッセイを出版しておられるグルメ。
実は、湯布院の「無量塔」鹿児島の「雅叙苑」
そして今や私たちのほうが常連客となってしまった花脊「美山荘」は全て、
さとなおさんが先に出かけて、よかったよと推薦してくれた宿だったのです。
そんな口うるさい(?)友人でも、
ここなら気に入るだろうとお誘いしたのが、
この春の「古守宿一作」でした。

 全く雨など心配していなかった5月3日の朝、
遠足みたいにわくわくしながら早く目覚めた私の、
最初に目に入ったものは窓の外の雨!
信じられない展開に、一時は騒然とした我が家でしたが
時間とともに空は晴れて予定通りの出発となったのでした。

 さて、この宿の魅力はなかなか語り尽くせません。
古民家を現代的なセンスで移築した素晴らしい宿は
いくつもありますが、この宿は移築ではなく、
生まれたときからそこにずっとあった建物。
その古民家にご主人のセンスで骨董家具が備えられ、
もちろん私の嫌いなテレビはきちんと
それらの家具に隠されています。

 しかもその古民家の建つロケーションがすごい。
南斜面の庭に突き出した月見台の真正面には、
遮るものなく南アルプス。
 実は我が家は白金台の南斜面に建つ
マンションの9階にありまして、
遮るものが何一つない南側には品川駅の高層ビルやお台場、
そして羽田空港の離発着が見えるという
なかなかのロケーションなのです。
「古守宿一作」と我が家は、
見える景色は大自然の南アルプスか都会の高層ビルかと
正反対ですが、南斜面の高台の上という点においては
全く同じです。
「うちもいいけど、ここの自然は素晴らしいよね。」
とかなんとか自画自賛もしながら、
少しぬるくなった白ワインを酌み交わすのは、
旅の最高の瞬間でした。

 食事も素晴らしい自然のものばかり。
ただし…全てが自給自足のこの宿では猪と鹿を供する冬以外は
ほとんど精進料理のようなものです。
たんぱく質は、手作り豆腐と朝の産みたて卵のみ。


 ゴールデンウィークのこの季節には、山菜が主な食材です。
前回、夏野菜ばかりと言えども
食べきれなかった経験のあった私たちは、
お昼ご飯を少なめにして、グルマンでもあるさとなおさんには「あなた好みの食事の量」だと宣言していたのです。
 ところが、今回の夕食に出できたものは、
山に自生する様々な
(知らない名前のものも多くて、忘れてしまいました。)
山菜のおひたしと山菜のてんぷら。
さあ、いよいよメインデッシュは…と期待したところに
「おろし蕎麦とおもちとごはんで終わりです。」

…?

 後で聞いたところによると、
全ての食材を偽りなく一から作っているので
夏にはたくさんの食材があって食べ切れないほど出せるけど、
春先にはまだ食材が少なくて、こうなってしまうとか。
まさしく、自然の中の自然のまんまの宿なのでした。

 広々とした民家まるごとを借り切って、
夜が更けるまでお酒を飲み、
酔い覚ましに庭に出てみると天頂に北斗七星。
おなかは少し空いているけど、
心も体も芯からのんびりとリラックスした夜でした。

 翌朝食はゆうべとうってかわったすごいボリュームです。
夏に感動したトマトジュースに匹敵するのは、
なにもつけずに驚くほど甘いグリーンアスパラ。
ゆうべ大豆をふやかしたという、作りたての青豆豆腐。
「夜より朝にボリュームを持ってくるのが、
健康にいいんだからね」などと言いながら、
かまどで焚かれたごはんを何度もおかわりしてみんな満腹。
 満腹で動けない体を縁側に横たえると、
真正面にはまだ雪の残る南アルプス。
枕代わりの二つ折り座布団は、
都会人が憧れてやまない田舎の贅沢の象徴です。
あ~極楽。

 10時半のチェックアウトで佐藤一家と別れて、
私たちは富士山ツーリングを楽んだ後、
2日目の西伊豆の常宿「淡島ホテル」に向かいましたが、
今回の旅のメインは「古守宿一作」なので、
「淡島ホテル」のご案内はまた別の機会にします。

 二人なら1泊2食でひとり2万円くらい。
三人以上ならさらに割引となり、
しかも一晩に一組しか泊まれないこの宿。
ほんとは、これ以上誰にも知られたくないところなんですが…。



宿にこだわるコミュニティ「本物の高級宿を楽しむ」を立ち上げました。
よろしかったら、情報交換しましょう。

http://4travel.jp/community/main/10000186/

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