2002/05/04 - 2002/05/11
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金魚のじいちゃんさん
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長崎のハウステンボスには数回訪れている。西海の陽光を浴び、チューリップが咲きほこり、カラカラと小気味良く風車が回り、運河には白鳥と遊覧船がのんびりと浮かんでいる。カラフルな前掛けに、木靴を履いたチャーミングな売り子さん。造作もサービスも食事も申し分ない本場と同名のホテル。オランダのエッセンスを詰め込んだようなこのテーマパークは、私のお気に入りだった。
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こんな絵本に描かれているようなオランダを期待してスキポール空港についたら、なんと、四月の末というのに雪まじりの霧雨に迎えられた。日本では花冷えという言葉があるが、オランダではなんというのだろうか。
空港から北に向かったツアーバスは、寒風吹きすさぶザーンセ・スカンスの風車を訪ねたが、風車に登る雰囲気ではなく、寒さを避けて飛び込んだ土産物屋で、木靴とチーズを品定めしただけで、一目散に国境の街マーストリヒトまで南下してやっとひと息ついた。
その後、ルクセンブルク、ベルギーをまわって、ふたたびオランダに戻ってきた。こうして十日間の旅を終えたのだが、この国は描いていたイメージとはかなり違っていた。もちろんそれはこの国の所為ではなく、私の想像がいいかげんであったからだが。 -
世界は神が創ったが、オランダはオランダ人が作ったといわれる、起伏の少ない国土は、旅行中厚い雲にさえぎられて光を失っており、菜の花の黄色も、牧草の緑もくすんだ色で広がっていた。陰気というほどではないが、関西弁の「あいそなし」という言葉が似合う素っ気なさだった。
少し前まではヨーロッパというより、世界の覇権を争っていたこの国には、腐っても鯛というプライドが色濃く残っているようだ。世界の常識とは少し異なった独自の価値判断基準を持ち、同性愛者のクラブや麻薬バーなどが、文字通り旗印も鮮明にアムステルダムの街角で営業していた。
オランダ人は、北欧人らしく平均的に背が高い。それでいて顔は小さく、眉の下の目が落ち込んでいるタイプが多い。自然に意地悪な表情に見えてしまうのは、気の毒だけれども仕方がない。 -
(同性愛者のクラブや、麻薬バーが、堂々と軒を連ねる首都アムステルダムの繁華街)
われらがガイド嬢も、まさにこの手の美人で。ツアーの一行は、小学生が先生を取り囲むように、彼女を仰ぎ見て説明を受けていた。時折「こんなことも知らないの?」「教えてあげるワ」といいたげなようすが見受けられ、私はごまめの歯軋りをしていた。
「あんたら日本人、カネ持ってきた旅行者だから、相手してあげるのよ」という眼差しを、ザーンセ・スカンスのみやげ物店のおかみさんから受けたが、それはこの店だけではなかった。思いもかけない寒気の手荒い歓迎を受けて、きっと私が僻みっぽくなっていたのだろう。
あまりにも明るく、輝いていたハウステンボスを、オランダと思い込んだのがミスだった。テーマパークはあくまでも、その最良を表現していたのに過ぎなかったのだ。
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