1997/06/04 - 1997/06/06
988位(同エリア1209件中)
さらさん
アテネへの乗り継ぎ地点となったブリュッセル。帰りはブルージュまで足を延ばし2泊した。
PR
-
ギリシャに別れを告げベルギーへ。アテネの空港では出発ホールで隣に座っていたおじさんから「今流れている曲のタイトル、知ってるかい?」と聞かれた。「みんな死ぬ」とか「みんな死んだ」とかいう曲名らしい。悪趣味だと言わんばかりにため息をついていたおじさん、人生に疲れたような顔をしていた。
飛行機がベルギーの空港へ到着するとみんな拍手した。「着陸ってそんなにすごいことなのか?」と思ったがサラもつられて拍手した。
空港からブリュッセルへ向かう列車に乗る。ノルド駅でオステンド行きに乗り換えてブルージュへ。列車は快適。
車窓からのんびりと草を食む牛を眺めているうちにブルージュへ到着。
写真はホテル近くの運河。絵葉書みたい。 -
どのバスに乗ればよいのかわからなかったので彼女たちは歩いた。広い通りは、車道・自転車道・歩道と3つに分かれていた。サラたちは気付かずに途中まで自転車道を歩いていた。そこから中心部へ入っていくと石畳の道が続く。石畳でピギーバックを転がすとガラガラとものすごい音を立てる。二人はカフェでくつろぐ人々の視線を集めた。
ホテルDie Swaeneへは15分くらいで着くだろうとタカをくくっていたが、実際は30分もかかってしまった。
部屋はいかにもヨーロッパという感じ。サラは思わず「かわい〜!!」と叫んでしまった。
窓の外は木が生い茂っているので町並みを見ることはできないが、小鳥やフクロウの鳴声、時折カリヨンの音が聞こえるだけでとても静かだ。たまにはこんな、ちょっとした贅沢もいいなと思った。その隣でおばあちゃんはお姫様気分でうっとりしていた。 -
隣村ダムへ行くには、
1.運河をボートで
2.運河沿いの道を自転車で
3.徒歩で
と、いくつかの方法がある。おばあちゃんと行くのでボートにした。ボート乗り場まではマルクト広場からバスに乗っていく。ボート乗り場は、いかにもな所にあるので降り損ねることはなかった。
ボートの乗客はサラたちと比較的若いカップル1組を除いて、欧米の中年または老夫婦ばかり。若者は自転車で行くのだろう。しかし自転車を使うのは若者だけではなかった。眠くなるくらいゆっくり進むボートを後目に、どう見ても60歳は過ぎているおじいちゃんおばあちゃんたちが、Tシャツ・短パン姿で自転車に乗り、軽やかに通りすぎていくのを何度も目にした。
ボートが通る運河沿いの土手には草が生い茂っている。しかし、ところどころ、畳1枚分くらい地面が露出している場所があり、そんなところには大抵、釣人がいる。水はかなり淀んでいるのにこんなところで釣れるのだろうか?彼らのほとんどは寝転んでいるし、熟睡しているような人や釣竿だけ設置して人の姿のないところもある。
「やっぱり釣れないんだよ」とサラが思ったその時、前方で釣竿を引いているおじさんが目に飛び込んだ。糸の先には細長いものが。鰻のようだ。サラは思わず「おおっ!」と言って拍手していた。ボートの乗客のおじさんたちも拍手した。釣り上げたおじさんはうれしそうに獲物を掲げ、手を振った。 -
ダムはとても小さな村だ。それにしては飲食店の数がとても多い。ここでランチにしようと思った店はよく見ると中のテーブルにも外のテーブルにも客がいない。いや、客どころか店員もいなかった。
不思議に思っているとその店のすぐ横の通路にエプロンを着けたお兄さんが入っていくのが見えた。のぞいてみると、奥には中庭があって、芝生の上には白いテーブルとイスが並んでおり、客はそこにいた。
早速サラたちもそこに加わりクロックムッシュとグーズを注文した。サラはビールが苦手だけど、昨日挑戦したさくらんぼのビール、クリークがとてもおいしかったので、更に挑戦してビールらしいビールを注文してみたのだ。
成功だった。静かな庭、時々やってくる鳥の美しいさえずり。雰囲気がよかったためか、立派なレストランで食べる豪華な食事よりおいしいかもとサラは思った。
おばあちゃんも、
「このマヨネーズはおいしい!このマヨネーズは特別な味がする」とひどく感動していた。 -
ブルージュに限らず、ベルギーにはチョコレート屋さんがいっぱいある。
チョコレートが好きなサラは自分の分とお土産にチョコを買おうと思った。たくさんある店の中から意を決して入った店で、店員がほかの客の相手をしている間ショーケースの中を眺めていたら、1匹のハエが入ってきてチョコにとまった。そのハエがあちこちのチョコレートの上に止まるのを見たサラは思わず店を出た。
どこで買おうかと思いながらホテルへ戻っていると感じのよいお店を発見。中にはやさしげな笑顔の女性店員2人がいた。
サラは迷いに迷った挙句オランジェットとチェリーボンボンをそれぞれ300gずつ買った。
2種類のチョコとスペキュロス(ビスケット)とおばあちゃんのケース入りチョコ、全部で1001BF(約3500円)。
「まあすごい!1BFおまけして1000BFでいいわよ」。
ベルギーにおけるチョコレートは日本でいえばおまんじゅうみたいものかなと、サラは思った。人々は仕事帰りや買い物の途中にその日の分だけ買う。
「タンサンまんじゅう10個とかんころ餅10個とみたらし団子5個と羊羹1本ください」と言っているようなものかな?と思うとおかしかった。
写真奥に見えるのは聖母教会 -
前日、遅い夕食の後ブルグ広場のほうへ散歩に行くと、ライトアップされた市庁舎がとても美しかった。その時カメラを持っていなかったので、この旅最後の夜はこの写真を撮るため、22時過ぎにサラはカメラ片手に一人でホテルを出た。
ホテルから広場まではほんの数十秒。まだ空はうっすらと明るかったが、広場のカフェは暖かい色で包まれ、市庁舎もライトアップされていた。
三脚持参でカフェの写真を撮りに来ている男の子がいた(写真左端に小さく写っている)。サラは三脚も一脚も持っていなかったので、ベンチの背もたれに固定してシャッターを切った。カフェもいい雰囲気だったが、あいにく手ごろな場所にベンチがなかったので撮影は断念した。
市庁舎の向かって左側の一部が工事中だったのがちょっと残念。
初めての個人旅行は、行くまでは不安でいっぱいだったが、困った時にはきっと誰かが助けてくれた。とても幸福で思い出深いものとなった。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ブルージュ(ベルギー) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
6