シリア、ヨルダン参考事項 - シリアのクチコミ
- 神戸さん
- 男性 / シリアのクチコミ : 1件
- 旅行時期 : 2007/12(約18年前)
■シリアとヨルダンに行くというと殆どの友人はなぜ今そんな危ない所に行くのかと尋ねられます。まずこれに対する回答です。中東は東西の文明の十字路であり、チグリスユーフラテス川にの世界3大文明の発祥の地であり、一度は行ってみたいところです。小生の常識でもイスラム圏は危険な国としてあまり良いイメージを持っていませんでした。しかしツアーのパンフレットを見ているとこれら中東の文化遺産ををめぐる計画がいくつかあり、大体が催行されています。
今回のテーマのツアーはシルクロード西端の隊商の町を訪ねる旅で、レバノン、ヨルダン、シリアを回るプランであったが、ほぼ同じ日数で政情不安なレバノン抜きで同じ日数の旅であったので日程的にはゆったりとしていた。とにかく死海とペトラ、パルミラを見ることで、中東の歴史の一端を見てみたいと思った。レバノンのベイルート、バールベックの遺跡に行けないのは残念であった。
■シリア、ヨルダンは日本に対して非常に友好的で親切です。ヨーロッパのような泥棒や、引ったくり、スリなどはいません。ツアー客なので断片的な感想ですが、日本人が安心して旅行できる国です。世界遺産も多く、数千年前から栄えた国で、民族はアジア、アラブ、エジプト、ヨーロッパなど各国の混血で様様な民族から成り立つ国です。治安もすこぶる良く宿も交通機関も充実していて、観光旅行しやすいところと実際旅をしていてそう感じた。ヨルダンは石油もなく、水も少なく70%は砂漠の国ですが、ヨルダン峡谷で出来るフルーツが唯一の産業です。あとは難しい中東において輸出に努め比較的富裕で、今アンマンでは再開発のビル工事が盛んである。再開発地区はすべて王様の持ち物とのこと。シリアは石油もあり、石油やガスのパイプラインがイラクから地中海に埋設されており、農業、鉱工業、商業のバランスがとれた産業構造である。シリアヨルダンの側に立つと、イスラエルがすべての悪の元凶だが、どちらの国も沢山のパレスチナ難民を受け入れて、自分たちの仲間として仕事も与えることで頑張っているのには頭が下がる。ツアーの観光バスの運転手もレバノンからの難民と聞いた。早く平和がと思うのだが、長い因縁の中東の問題は簡単に解決しない。
■エミレーツ航空は関西空港を出てから中国を横断して、インドの西の端からインド洋に出てドバイに着く。ドバイからアンマン、ダマスカスなど中東の首都に定期便が飛んでいるが、いずれの場合もジャンボ機が、カタール、バーレーン、ドーハ、クエートからイラクとの境界線近くを飛んでゆきます。湾岸戦争や今のイラク戦争などで聞く町がすぐ近くにあると思うといつ撃ち落されても不思議ではない航路をジャンボ機は安全に飛んで行くのが不思議に思われます。
■遺跡はいずれも素晴らしく大規模であるが、まだ発掘ができていないものもあり、今後の計画的な発掘が望まれます。どこにもローマ劇場、列柱通り、神殿が無造作に広がっています。どこの町にも国立博物館がありますが、展示まだまだ工夫が必要です。規模も小さく、まだ体系的には整理されておらず考古学の大発見があったところという説明がありますが、展示、解説ともに不十分であまり感激しませんでした。ローマ時代の遺跡は壮大で立派ですが、国立博物館はあまり観光者には判りにくい展示でありまとまりがない感じでした。素晴らし遺産が沢山あるのに残念です。最もイギリス、ドイツ、フランスなどが持っていってしまう為、発掘などの進捗が進まないためなどいろいろ理由がありますが、折角の古い遺産が体系的に展示されないのは残念です。
■たまたま犠牲祭の前日で、またクリスマスも近く、町やスークは大変な人出でした。買い物をしている人は皆元気そうで、特に子供は銃のおもちゃを買ってもらってはしゃいでいました。男の子のおもちゃは皆ピストルか拳銃でした。アラブ社会の通例で店の人やホテルの従業員は男性が多いのですが、買物は圧倒的に女性が多く見かけました。
■両国とも世界の衛星テレビが見れる。アレッポ、アカバなどで、ビルの屋上に林立するパラボラアンテナに驚きました。アルジャジーラの英語版を見ることができますがCNNよりも分かりやすいニュースでした。CNNも欧州の各国テレビもホテルでは見ることができました。アンマンでは日本語テレビも受信できました。そういう意味ではある程度の情報が自由に入手できるし、皆がそれを理解できるので複眼的な考え方ができる人たちで、教育の程度が高いと感じました。
■ヨルダンはディナール、シリアはシリアポンド。両国とも現地通貨に両替するのが原則ですが、お土産、ビール、ワイン代ぐらいはアメリカドルが通貨として使えます。ホテルではドルでお釣りも来ます。
少しだけ両替する。現地通貨が望ましいものにトイレチップがありますが、1米ドル札で二人とか言って現地の通貨が無くても問題ありませんが、トイレチップが必要なのは面倒です
■時代考証 文明の十字路として古代から現代にいたるこの地区の歴史を理解しておくと便利です。訪問個所を時代別に整理すると大体下記のようになります。
紀元前3000年ー紀元前4</span>世紀 [先史古代文明の時代] ネボ山、ウガリット遺跡
紀元前4世紀-紀元前1世紀 [ギリシャヘレニズム時代] 今回はなし
紀元前1?紀元後4世紀 [ローマ時代] ペトラ、ジェラシュ、パルミラ、ボスラ
4-7世紀 [ビザンチン時代] ハマの水車、マタバ、マアルーラ
7-9世紀 [イスラム初期時代] ウマイヤドモスク、アムラ城、アレッポ城
11-13世紀 [十字軍時代] クラックデシュバリエ、サラディーン城
12-16</span>世紀 [アイユーブ・マルムーク時代] 今回はなし
16-20世紀 [オスマントルコ時代] アゼム宮殿、ヒジャーズ駅
■関連映画
映画「アラビアのロレンス」の舞台にもなったワディ・ラム
「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」に出てきたペトラ遺跡
「天空の城 ラピュラ」のモデル所と言われている「サラディーン城」
十字軍については、『キングダム・オブ・ヘブン
■参考文献
NHK出版 樋口隆康著 地中海シルクロード2007年
中公新書1594 牟田口義郎著 [物語中東の歴史]2001年
『隊商都市』ミカエル・ロストフツェフ 著 青柳正規 訳 新潮選書(新潮社) 1978年発行、現在は絶版
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