「踊るドライバー」 - ホーチミンのクチコミ
- 雪兎さん
- 非公開 / ホーチミンのクチコミ : 2件
- 旅行時期 : 2004/03(約22年前)
ヴェトナムに限らず外国には不思議な事が沢山ありますが、
私の場合ヴェトナムでの特筆はこれです。
ドライバーが実に頻繁に擦違う車に手をつき上げて挨拶?合図?します。
また、突然片手を挙げイェ〜ィとばかりに二・三回肩に掛けます。
丁度何かを振り払う様にです。
しかもプップと軽くクラクションを鳴らしながらです。
何だかロックコンサートの観衆のノリです。
連れの曰く「音無しで踊るドライバー」
どのくらいの頻度かというと、殆ど全ての対向車に対してです。
幾らヴェトナムだってチョット市街を出たくらいのところでは、
それなりの交通量はありますから、その数たるや想像してみて下さい。
しかもツアーの行き帰り何時間もこれが続きます。
余り面白いので、ツアーの度に観察する事にしました。
初めの頃は、随分知り合いが多い人だと思いました。
だって、相手の車も同じ様に手を上げているんですから。
でもその回数が百回を越すと、猛烈に疑問がわいてきました。
最初は同じツアー関係の知人。次は恐らく大勢居る親戚・姻戚関係。
それ以上になると、多分軍隊で同じ釜の飯を食った戦友一大隊位。
そう思うしかない回数と人数です。
更に目を凝らすと、手を振り上げる時人差し指を立てています。
時々指が二本になったり三本になったりします。
気になったらそのままにして置けないので、
休憩時ついにあるドラーバーに聞いてみました。
「あなたは友達がとっても多いんですね?」
「何で?」
「あなたは運転しながらしょっちゅう他の車にハローと言っている。」
「アハハ…あれは秘密のサインだ」「何の秘密か聞いていいですか?」
「アレはポリスが見張ってるというサインだ。一本が一人三本は三人。」
「では、これは?(手を振る)」
「ポリスは居ないからドンドン行けだ。」
「スピードオーバーを見張ってるんですね?捕まりますね。」
「いや。スピードは何時も誰でもオーバーしてるからそうではない。」
「ハ?」
「彼らは金が欲しくなると時々車を捕まえに出てくる。金は自分の懐に入れる。だからドライバーは助け合うんだ。捕まえても金を払えば放してくれるが、金をとられる自分は大変なんだ。」
お互い片言の英語でその他色々聞くことが出来ました。
若くなるにしたがって、警笛やライトのパッシングくらいになります。
どちらかと言うと年配のドライバーにジェスチャーの大きい傾向がありました。
どうやらヴェトナム戦争で米国に勝った自信と誇りが大きい人ほどこの傾向が強く、
終戦当時非常に若かく、殆ど戦闘経験など在るまいと思える年の人でも、
参戦経験を大変自慢そうに話します。しかも笑顔で。
それが殆どいかにして米兵を殺したかと言う具体的な話になるので、
時々聞いていて辟易する事がありました。
シンカフェなどツアーバスに乗ったら是非最前列でご覧になって下さい。
因みに、私達が幾ら目を凝らしてもポリスが何処にいるか殆ど分かりません。
市街地を出ると始まります。
年配者ほどオーバーにやります。
しかもヴェトナムだけの現象です。
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