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王中の王パラッカマバーフ1世の偉業を偲ぶ遺跡です。

  • 4.0
  • 旅行時期:2018/06(約8年前)
beanbagさん

by beanbagさん(男性)

ポロンナルワ クチコミ:2件

パラークラマ・サムドラ(パラッカマの海)はその名の通りパラッカマバーフ1世が築造した貯水池です。パラッカマバーフ1世は、スリランカ史上最高の英傑、王中の王と呼ばれる偉大な存在。歴史書「チューラヴァンサ」の3分の1は彼の興隆とその事績を詳しく記述しています(第62章~第79章)。

ポロンナルワに都を移したヴィジャヤバーフ1世が死去して以降、4愚王が割拠し、王位継承をめぐる争いや南インドからの侵略者などでランカー島は再び乱れ、国土と人心は荒廃します。数々の苦難の末、こうした状況を打開しランカー島を平定したのがパラッカマバーフ1世です。彼はランカー島のみならず下ビルマ・ラーマンニャ国バガンに侵攻したり、南インド・パンドゥ国の混乱を平定し、パンドゥ国の宗主国となるなど、南アジア一帯に存在感を示します。

パラッカマバーフ1世の事績は、三宗派の統一、プラッティの都にジェータヴァナヴィハーラ(祇園精舎)の造営、ティヴァンカ堂の建立、歯舎利堂(現ワタダーゲ)の建立、ウッタラ精舎(北院)/三窟院(現ガルヴィハーラ)の造営など数限りなくありますが、その偉業に比べ現在確認できる遺跡はポロンナルワにおいてさえそれほど多くありません。

高邁な大志を抱き、王位についたパラッカマバーフは、短期間のうちに自国を他国に勝る強大な王国にしなければならないと思い、「第一に行うべきは、あらゆる方法で穀物を増産、集積することである」と考え、「私の領有する国土においては、今だに川や大貯水池から導いた水を利用して耕作する稲田は稀である。(中略)このような国では、雨によってもたらされた少量の水でさえも、そのまま利用せずに海に流してしまうことは、あってはならないことである」と言って、貯水事業、灌漑システムの整備に取り組みます。パラッカマバーフが築いた貯水池は数多くあり、また既存の貯水池、導水路、水門も修築します。

パラークラマ・サムドラ(パラッカマの海)もそのようにして造られた貯水池の一つです。丘と丘の間に大きな石の堤防を造ってカーラ川を堰き止め、その豊富な水をアーカーサ川と呼ばれる大導水路に導きました。その貯水池の中には見事な宮殿がキラキラと輝き、まるで第二の海のようであったと、チューラヴァンサは伝えています。

実際、この貯水池は現代のダム湖にも匹敵する(あるいはそれを上回る)巨大な湖で、今なお周辺の田畑に水を供給しています。崩壊寸前の遺跡を見るより、この貯水池を見るほうがパラッカマバーフ1世の偉大さをよく知ることができると思います。

施設の満足度

4.0

利用した際の同行者:
一人旅
観光の所要時間:
1-2時間
アクセス:
4.0
チケットオフィスのすぐ前です。
コストパフォーマンス:
3.5
遺跡地区全体の入場料はUS$25です。
景観:
4.0
貯水池とは考えられない広大さです。
人混みの少なさ:
4.0
景色の一部なので、じっくり見物する人はまずいません。

クチコミ投稿日:2018/06/26

いいね!:34

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