モザイクのコレクションがすばらしい
- 4.5
- 旅行時期:2009/04(約17年前)
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by konomiさん(女性)
チュニス クチコミ:24件
メトロの駅から建物は目の前に見えているのに、左側にぐるりと廻って裏に行かないと入り口が見えません。
この美術館はオスマン帝国に占領されていた時代、その代官というか地方長官であったベイの宮殿だったところ。(オスマントルコの支配は1492年から1881年。)
きらびやかなビザンチンのものとは違い、石の素朴な色合で、床を飾ったり、墓標として使用されたりしたもの。歴史や神話に元づく題材が多い。
墓標の中に、心が痛くなるようなものがありました。小さい子供の墓標で、解説に
「この子が生きたのは8年と10ヶ月24日と6時間でした・・」と書かれている。いかに子供を失ったのが悲しかったかがわかります。
バルドー博物館ではオデュッセイアとセイレーンのモザイクが有名ですが、これはドゥッガ遺跡で発見されたもの。
「ネプチューンの勝利」は海馬に乗ったネプチューンが勇ましい。紀元3世紀のもの。
この時代はまだローマ帝国でキリスト教が迫害されていたため、テーマはギリシャ神話もしくは単純に狩りのシーンや獲物を描いたものが多い。
3階にはローマ以前のカルタゴ時代のバール神の彫像もあった。カップ・ボンで出土したものだそうだ。バール神はフェニキア人の神だったが、フェニキア人はもともとオリエント、今のレバノンを中心に住んでいた民族。
子供を神にささげる犠牲にしたということで、ローマ人はこれを野蛮な行為と大変忌み嫌ったそうだ。
2階カルタゴの間に来ると、ここにはディオニソスのモザイクが、在りし日のままに床面に保存してある。紀元3世紀のものだが、かわいい天使たちが、葡萄を収穫している様子が描かれている。
その隣のスースの間は天上がイスラム様式で美しい。
1階にはギリシャ時代の彫像があるが、女性の裸像に黒い墨のようなものでパンツを描いてあるのが数点あっておかしかった。多分、イスラム教の時代になってから、余りのあられのなさにいたたまれなくなったイスラム教徒が描き足したのでしょう。
男性の裸像はそのままほったらかしでした(笑)。
イスラム装飾のギャラリーは、ベイ(オスマン時代の長官)のハーレムの女性たちの部屋が広間をぐるりと取り囲んでいる。陰影が美しく、アラベスクで埋め尽くされており、中央の床にはゾーディアック(星座)を描いたモザイク、壁のひとつには、ヴェルギリウス(ヴァージル)が歴史の女神クリオ、悲劇の女神メロポメネからインスピレーションを受け、叙事詩「アエネーイス(アイネイアス)」を書いているとろ・・・と解説が書かれていました。これは必見です。
- 施設の満足度
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4.5
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 観光の所要時間:
- 1-2時間
- アクセス:
- 4.0
- 市内中心からメトロ(とはいっても路面電車)を使用してアクセス
- コストパフォーマンス:
- 4.5
- 写真は別料金です。
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- それほど込み合っていないので快適。
- 展示内容:
- 5.0
- ローマ時代のモザイクとしては最高レベルのコレクション
クチコミ投稿日:2013/01/19
いいね!:4票
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