个園は清代の中国庭園の名園です
- 4.5
- 旅行時期:2011/05(約13年前)
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by そんざーさん(男性)
揚州 クチコミ:4件
中国江南地域には多くの中国庭園があり、特に蘇州には、拙政園、留園や網師園といった素晴らしい庭園が多いことが知られています。これらの庭園は「蘇州古典園林」と呼ばれ、多くは明の時代に造られた庭園です。
一方、清の時代、塩の流通で富を築いた揚州の繁栄を描写した言葉に、「揚州は庭園をもって勝る」、「車馬は船より少なかり、庭園は宅より多かり」などといったものがありますが、清代の揚州には多くの庭園があったと言われています。これらの庭園の多くは、太平天国の乱、辛亥革命、国共内戦や日中戦争といった相次ぐ戦争の中で焼かれて喪失してしまったわけですが、いくつか戦災を免れた庭園もあって、その中で个園(個園)は最も代表的な庭園です。
揚州の庭園の多くは、清の時代に造られたことから、狭い敷地に立体的に構成されていること、したがって建物が二階建てになっていて狭い空間を様々な角度から見せることにより変化をもたせていること、巨大な太湖石があまり使われていないないこと(清の時代には、既に太湖石は掘り尽くされていて手に入らなかった。)、などが特徴です。
个園(個園)という名前にある「个」という字は、竹の象形文字で、これを左右に二つ並べると今の「竹」という字になります。
この个園を造った清の時代の塩商人、黄応泰は竹を愛していたといわれていますが、その理由を「竹の幹は『虚』であり、それ故に何にでも応じられる。また、竹は『堅固』であり、かつ『直』であり、人間の心構えにも通じるものである。」としています。それ故に、黄応泰は庭園を个園と名づけたとされています。
个園の特徴に「四季の景」があります。
个園の案内書によれば、「春の景」は「色気があって美しく微笑んでいるかのよう」であり、「夏の景」は「濃い緑でしずくが垂れる」ようであり、「秋の景」は「化粧をしたように明るく美しく」、「冬の景」は「眠ったように薄暗い」といったように特徴を見せています。「春の景に遊び、夏の景を眺め、秋の景に登り、冬の景に眠るのが良い」というのが、个園の「四季の景」の設計思想であり、この「四季の景」を、个園の中央に位置している宜雨軒は、四面をガラス張りにすることによって、いながらにして味わえるようにしているのです。
蘇州の名園にも劣らない素晴らしい庭園、个園は見所一杯です。じっくりとゆっくりと清代の塩商人の造った庭園を楽しみましょう。
个園のすばらしさについては、関連旅行記をご覧ください。
- 施設の満足度
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4.5
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 観光の所要時間:
- 半日
- アクセス:
- 4.0
- コストパフォーマンス:
- 5.0
- 人混みの少なさ:
- 4.5
- 展示内容:
- 4.5
クチコミ投稿日:2011/11/12
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