1.アクセス
KOBLENZ(CH)から徒歩30分である。駅で地図をもらい、タクシー又はバスがないため徒歩以外の方法はな...
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2.全体の印象
巨大なスイス製兵器のショールームである。特に、かつてはスイスを代表する兵器メーカーOerlikonの過去の高角砲、機関砲の展示が充実している。
エリコンの機関砲は日本の海上自衛隊を含む各国海軍の対空砲として、自走対空戦車の対空砲として、ゼロ戦後期型には改良型が装備されている。
どこの艦艇に装備されていたのか、どの陸上兵器に装備されていたのか、プラスチックモデル及び縮小模型が展示されていることから理解できる。
レーダーと対空ミサイルシステムを組み合わせた対空システム及び無人偵察機を展示し、最新のスイスの対空防衛システムを展示している。
陸上兵器としてはスイスに拠点を置く、MOWAG ブランドの General Dynamics European Land Systems Group の特殊装甲車両の展示場である。MOWAGブランドの装甲車両はアラビア諸国等に輸出されている。
過去のドイツの戦車についてはタイガー戦車の復元中である。その他ロシア、イギリス、米国、ドイツ及びフランスの戦車の展示はなく、戦車の展示場としては小規模である。
3.スイスの軍需産業
スイスというのは中立を維持する平和国家だとの印象を持っていた。しかしながらこの博物館に来ることによりこの印象は大きく変化した。
スイスは兵器メーカーOerlikonの高角砲、機関砲を輸出することにより、大きな利益を上げて来た第二次世界大戦前からの武器輸出国である。具体的には、Oerlikonの高角砲、機関砲は第二次世界大戦前からドイツに輸出され、ドイツ海軍の戦艦に装備されナチスドイツの再軍備に協力してきた。
それに気がついたのはドイツの戦艦の模型が展示され、対空砲がOerlikon製である旨の記述があったからである。現在であっても、防空システム及び装甲車両の開発を行い積極的に輸出しようとしている。
4.日本の軍需産業とスイスの軍需産業の比較
スイスの軍需産業は国内の軍隊にはほとんどニーズがないにもかかわらず、輸出をするために兵器の開発を行っている。
日本の軍需産業は国内の軍隊用の兵器のコストダウンを図るために輸出を計画している。日本も兵器開発に際しては、輸出可能先との共同開発又は輸出可能な仕様の検討を行うべきではないかと思う。
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投稿日:2015/09/30