1873年創業、かつては王侯貴族の夏の社交場でもあった歴史あるホテルです。館内にはベル・エポックの華やかなインテリアがそのまま保存されていました。サロンの窓からは、宝石のように美しいエメラルド色のブリエンツ湖が見下ろせます。反対側にあるレストランでは、ホテル名にもなっているギースバッハの滝を眺めながら食事ができます。
朝食のお茶のコーナーで、スイスの国花エーデルワイスのお茶を発見、早速試してみましたが、くせもなく身体に染みわたるおいしいハーブティーでした。エーデルワイスがお茶になっていることを知り、お土産にしたいとその後は目を光らせていましたが、アルプスハーブ専門店でも見つけることはできませんでした。まさに幻のお茶でした。
周辺にはこのホテルしかないのでハーフボードで予約しました。あいにく体調を崩して食欲がなかったので、ワインや炭酸水は頼まず、あえて飲みやすい水道水を希望しました。ところが水道水を汲んできてもらうのも有料で4フラン、お代わりしてしまったので合計8フラン(1200円!!)も請求されました。水がおいしいスイスでは、たとえ水道水であっても無料で提供されるわけではないので注意が必要です。
WiFiはパスワード式ではなくスイスコムが代行しているWiFiで、SMS認証は日本のキャリアなので拒否され、つながりませんでした。ホテルのスタッフも対応方法がわからず、「レストランエリアなら何もしなくてもつながるから」と言われただけでした。部屋にはホテル情報の説明書もなく謎のQRコードのみ、でも部屋ではWiFiにつなげないので無意味、結局問題があるたびにフロントまで出向かなくてはなりませんでした。
広々とした部屋には開業時から使っているのではと思われる19世紀のアンティーク家具がいろいろ置かれていましたが、現代の電化製品のドライヤーや電気ポット、ミニバーがなく、徹底的に19世紀スタイルを追求しているかのようです。スタンドライトがつかなかったのでスタッフを呼んでつけてもらいましたが、ついでに調光器を操作して部屋全体を明るくしてくれました。お湯は4階のエレベーターホールに置かれたコーヒーマシーンからティーカップに汲んで、エレベーターで自分のフロアに降り更に長い長い廊下を運んでこなくてはならず、非常に不便でした。
宿泊者には、周辺の交通機関、観光スポットが無料になるGiessbach Nostalgia Passがメールで送られてきます。スイストラベルパス対象外のブリエンツ=ロートホルン登山鉄道も含まれていました。
ホテル情報を検索して判明しましたが、こちらのホテルは『愛の不時着』というドラマで、主人公が留学していた音楽学校として撮影に使われたそうです。