九龍地区の北部、地理的には新界地区と言えるでしょう。最寄駅はMTR美孚(メイフー)です。駅の直上から続くペデストリアンデッキを歩いて、さらに坂道を上がった所に文化施設の入り口があります。この出入り口から三層になった丘の斜面を上った最上層にヘリテージロッヂがあります。途中、エレベーターがありますが、最後の登りがスロープと階段です。
元々はライチーコク病院や監獄、労働者の宿舎に利用されていた築100年の建物で、リノベーションして生まれ変わらせた施設です。ホテルではなく、ホステルといった方が合っているかな。二階建ての建物が4つ並んで、うち一つの1階にレセプションがあります。
古いだけにホテルのような快適性は望むべくもありませんが、部屋は綺麗ですし、シャワー(浴槽はありません)の水圧も十分です。ただし出し続けると、途中で水温が下がりますが。金庫も装備されています。宿泊棟から少し離れた所に小ぎれいなカフェがあります。天井に動くものがいるので、よく見るとヤモリでした。これも愛嬌でしょうか。敷地内には猫が複数いて、人懐っこい猫もいます。
前述したように丘の上にあるので、重いスーツケースを持って上がるのは至難の技です。タクシーに乗ればレセプションの入り口まで上がってくれるので、往路はタクシーが便利でしょう。ホステル側も薦めています。
周辺にはコンビニ一軒もありません。自販機はありますが、食料などが必要ならば、下の駅周辺で買い込んで持って上がるべきです。駅周辺にはスーパーや食料品を扱う店が多数あり、価格も中心部に比べて割安です。
空港とのアクセスは空港と直結するA 23のバスが駅近くに止まります。空港まで50分ほどです。美孚には屯馬線が乗り入れていて、一駅乗ると東湧線と接続するので、東湧まで行って、S1のバスで空港に行く手もあります。
タイトルのように、周辺には目立った観光地もなくて、ショッピングを楽しめるモールなどもありません。地元香港の人が非日常を求めて宿泊するような施設で、泊まっていても観光客らしい人には出会いませんでした。宿舎周辺は緑に囲まれ、鳥のさえずりがいつも聞こえてくる自然に恵まれた所です。のんびりと過ごすならば、うってつけと言えるかも知れません。