宿はいかにもサンチャゴ街道とでも言いたいような道路に面しています。
特にエントランスのスペースといったものもなく泊った部屋も窓が道路に面していました。
日本の温泉によくある鄙びた道路沿いのお宿という感じがぴったりします。
宿泊時は雨でしてそう車も多くは無かったのですがシーズンになるとかなり車の往来が多そうです。
その防音の為にか部屋の窓は鉄のシャッター付+二重のガラスのハメゴロシになっていました。
鉄のシャッターは二枚のガラスの内側に設置されており、横に付いている紐で上下します。
ぴんと張った真田紐なので一見どう扱うか分かりかねますが、色々引っ張るうちに要領が分かります。
上から下に引き下ろすと開・下から上に引っ張り上げると閉です。
内側のガラス戸だけ開きますがシャッターのメンテナンス用でしょうか。
エントランスはこじんまりしています。ホテルと言うより宿屋と言う感じです。
施設全般を見ても巡礼宿とはこういうものかもしれないという印象を強く持ちました。
ショーケースにはサンチャゴグッズが展示されておりインテリア代わりになっています。
同じ階にあるレストランとバルは背合わせに繋がっており少ない人数で賄える工夫が見て取れます。
このバルは結構酒の種類が揃っていました。摘むものも厨房から出てきます。
雨で廻りを見る余裕もありませんでしたが宿の中でも充分酒は楽しめると思います。
ロビーから日本に電話をかけたのですが、女の人がとんで来てぱちんと電話ボックスの電灯をつけてくれました。
愛想のいい笑顔の叔母さんでした。余り言葉は通じませんでしたが兎に角親切で愛想がよいことには感激しました。
又、電話もシンプルでかけ易いものでした。公衆電話のわき腹にモジュラージャックがありました。
私の泊った部屋はトリプルルームでした。余り広くはありません。
ベッドはシングル。身体の大きい白人はどうするのかと思うくらいのベッドです。
スプリングはぶよぶよで、好み以前のグレードです。でもリネンがまあまあの質でした。
部屋の色調はグリーンで家具は木製です。TV・ミニバー・冷蔵庫がありました。
ポットやサービスドリンクはありません。
バスタオルとフェイスタオル、他にアメニティーはバスジェル・石鹸・コームが付いていました。
それと、全体の施設が古いせいでしょうか。木部は磨り減って艶々としていい具合なのですが、
バスタブの縁が黒ずんでいました。掃除にも限度があるようです。
実はドアが硬くて開け閉ての音が凄く響きます。雨の湿気のせいでしょうか。
それと凄く煙草の臭いがしました。
窓が開けられないのでドアを開けバスに入浴剤を入れて湯気を立てるなどして凌ぎました。
ツアーでは予め添乗員に禁煙ルームのリクエストをしておいたほうが良いと思います。
スペインではもう直ぐ施設内禁煙が実施されるようです。
雨で静なのとまあまあのリネンでゆっくり休めました。
宿の雰囲気とキビキビ働く従業員も気に入りました。
TVで巡礼のニュースをやっていたせいか、とにかく明日への期待が高まる宿でした。
明日は当然サンチャゴです。
特筆は
道の向かい側に数件小さなレストランがあります。
気分を変えるのなら近くて良いです。
この宿で食べた鱈の切り身はとても太っていて素敵でした。
醤油かポンズならもっと美味しかったろうと思います。