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本居宣長と賀茂真淵の「松阪の一夜」の旅籠・新上屋(しんじょうや) - 松阪  のクチコミ

本居宣長と賀茂真淵の「松阪の一夜」の旅籠・新上屋(しんじょうや)

満足度: 3.0

さすらいおじさんさん 写真

さすらいおじさんさん
男性 / 松阪のクチコミ : 9件
旅行時期 : 2011/05(約15年前)

本居宣長記念館前の新上屋の「松阪の一夜」を記念した碑

本居宣長記念館前の新上屋の「松阪の一夜」を記念した碑

  • 本居宣長記念館前の新上屋の「松阪の一夜」を記念した碑

新上屋は、日野町、参宮街道沿いにあった旅籠で魚町の宣長宅からは徒歩約8分。
 和歌山街道との分岐点に近いこのあたりには本陣・美濃屋や馬問屋を始め旅宿が何軒もあったそうだ。
 この旅籠で、宝暦13年5月25日(西暦1763年7月5日)、本居宣長(34歳)と賀茂真淵(67歳)が初めて対面した。
 真淵は静岡県浜松の生まれで当時江戸に住み古典研究の第一人者であった。京都・大和を経て参宮の途中、この宿に数日滞在した。 宣長が宿の近くにあった本屋・柏屋兵助からこのことを聞いたときには、既に出立の後であった。 かねてより真淵を私淑していた宣長は残念に思い、帰りにも泊まられることを期待して待った。 望みはかない宣長は真淵と対面することが出来た。近所の尾張屋太右衛門を引き連れ訪ねた宣長を快く迎えた真淵は、宣長の『古事記』研究のためにはまず『万葉集』を学ぶことを勧め、自分の生涯をかけた『万葉集』研究の成果一切を宣長に伝えることを約束する。
 生涯たった一度の対面であったが、国学の歴史の新たな展開がここに始まった。
 この日のことを、二人の対面を描いた佐佐木信綱の文章により「松阪の一夜」と呼んだ。
 旅籠は既に無くなってしまったが、場所は「新上屋跡」として、市の史跡指定を受け、現在は碑と山桜が植えられている。

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