「BUNDAN COFFEE & BEER」駒場公園の近代文学館内にひっそりと佇むcafeでランチ ♪
- 5.0
- 旅行時期:2025/12(1ヶ月以内)
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by Yukinoさん(女性)
渋谷 クチコミ:3件
お店の名前であります「BUNDAN」は「文壇」
「文壇(ぶんだん)」とは、Wikipediaによると「作家、文芸評論家、雑誌編集長、出版社の編集者など文学・文筆活動を取り巻く人たちのつながりと付き合いの世界の事」だそうです。
文学作品にちなんだドリンクや料理を堪能できるお店と言う事で、とても楽しみでした。
メニューにはひとつひとつ料理や飲み物の由来が書かれています。
店内撮影は✖️で、料理撮影は○でした。
まず、私がオーダーしたのは「シーフードドリア」です。
♦︎青森県出身の歌人・劇作家である寺山修司の詩篇と、洋画家・絵本作家の永井泰子の絵によって構成された詩画集『恋するドリア』1974年から1976年まで千趣会から毎月1冊ずつ頒布された「千趣ミニブックス」として刊行され、装幀は栃折久美子が手がけています。BUNDANでは本書からインスピレーションを受け、手作りのドリアを作ってみました。
セットドリンクは「谷崎潤一郎の炭酸水(ペリエ)」
♦︎その内に僕等は裏神保町の或カッフエへ腰を下ろした。何でも喉の渇いたため、炭酸水か何か飲みにはひつたのである。僕は飲みものを註文した後も、つらつら谷崎氏の喉もとに燃えたロマンティシズムの烽火を眺めてゐた。(芥川龍之介「谷崎潤一郎氏」)
そして、親友は「そぼろカレー」
♦︎小説家だけではなく、デザイナー、編集者など多彩な顔をもった宇野千代は、多くの有名芸術家と浮名を流したことでも知られています。そのうちの一人、東郷青児はカレーが好物で、
宇野は東郷との生活の中で、カレー作りの腕を磨きました。そんな自著「私の作ったお惣菜」の中で、食べ易くもあり、消化にも良いとおすすめする「新機軸のカレー」をどうぞ。
この挽肉入りのカレーならば、肉が足りなくてお客さまに、侘しい思いをさせなくても済むのではありませんか。また、もし、カレーが足りなくなったら、スープをちょっと加えるだけで、たちどころに、四、五人前くらいは増やせるではありませんか。挽き肉からは、旨みも充分に出ています。それに食べ易くもあり、消化にも良いはずです。(宇野千代「私の作ったお惣菜」)
セットのドリンクは「芥川(珈琲)」
♦︎芥川龍之介をはじめ、高村幸太郎、菊池寛、与謝野晶子から宮沢賢治に至るまで多くの文士が通い、日本におけるコーヒー文化発祥の地とされる「カフェーパウリスタ」。1913年(大正2年)、銀座にオープンした同店が提供していたのは、ブラジルコーヒーであり、「銀座にブラジルコーヒーを飲みに行こう」というのが「銀ブラ」の語源だとも言われています。BUNDANでは、当時提供されていたであろうものを再現。ビールのような酸味とナッツのような甘さが特徴のこのコーヒーを「AKUTAGAWA」と名付けました。
僕たちは金の工面をしてはカッフェやお茶屋へ出入した。彼は僕よりも三割がた雄の特製を具えていた。ある粉雪の烈しい夜、僕達はカッフェ・バウリスタの隅のテエブルに坐っていた。(芥川龍之介「彼 第二」)
いま、この文章を書いていると、無性に文学を読みたくなりました。現代小説でも無く漫画でもなく、明治後期から大正にかけてのものを。
- 施設の満足度
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5.0
クチコミ投稿日:2025/12/26
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