いわゆる「穴あきダム」で普段は貯水しておらずダム底部のオリフィスを通過して普通に川は流れています。

4.5
旅行時期：2025/04（約9ヶ月前）

by kasakayu6149さん（男性）

金沢クチコミ：3件

辰巳ダムは2012年（平成24年）竣工の重力式コンクリートダム

いわゆる「穴あきダム」で普段は貯水しておらず
ダム底部のオリフィスを通過して普通に川は流れています。
洪水等によりオリフィス（穴）の口径以上の水の流入があった際はその分がダムに貯まる訳です。上流からの洪水が流入しても非常用洪水吐を超えない限りは下流部へは規定量（オリフィスのサイズ）以上は流れない事で下流部の洪水を予防します。

ダム直下には兼六園の曲水の水源でもある歴史ある「辰巳用水」の取水口が在ります

当初計画だと完全水没されるところでしたが、国指定史跡と言う事で取水口の少し上流部にダムを建設するように設計変更したそうです。

ダム天端は道路として開放されていて上流部も下流部も望めます。
ダム下流部直下に辰巳用水」の取水口があります。辰巳用水取水口を上部から見学できるように展望台もあります

辰巳用水は1632年に竣工した用水路で約4kmもの導水トンネルを造り金沢市街地に水を供給します。
貴重な土木遺産であり現役で利用されていますが、当初計画では水没する予定でしたがダムの設置位置を上流部に移し保存される事となりました
付近が最適なダム建設地だった様で、移設位置は取水口の本当に少しだけ上流部となります。つまりダム直下に取水口がある訳です

有事の際は「辰巳ダム」によってダム湖が形成される訳ですが、普段は普通の河原です。
とは言え有事の際は膨大な水が溜まり危険なため常時立入禁止となっています。
また水没エリアに大木があると水没時に根元から抜けダム堤体を含む下流部に被害が生じるためダム湖予定地は定期的に伐採作業が行われています

洪水時しか出現しない、ある意味幻の湖ですが「犀清の湖」と名前が付いています

尚、ダムカードは石川県庁での配布となります（ダムを訪問した写真等を提示が必要）