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サントリーホール

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オルガンは迫力不足だが、オーケストラ演奏にはいい音響

  • 5.0
  • 旅行時期:2020/12(約5年前)
tadさん

by tadさん(男性)

赤坂 クチコミ:16件

今回聞いた演奏会は、12月22日7時からで、小林研一郎指揮日本フィルハーモニー交響楽団によるベートーヴェン交響曲第9番だった。前半にパイプオルガン独奏で、バッハの「羊は安らかに草を食み」と「トッカータとフーガニ短調BWV565」も演奏された。

サントリーホールは、それまでの東京文化会館やNHKホールなどより、はるかに音響効果の優れたホールで、私も何度も聞いている。しかし、この日のパイプオルガンの音響は感心しなかった。低音が軽すぎる。高音が伸びすぎて、バランスが悪い。せっかくいい演奏だったのだが、バッハのニ短調などは、低音がどっしり響かないと、感動できない。ヨーロッパ各地などで聞いたオルガンは、こういう曲の低音は、もっと聖堂内に力強く響いている。

ベートーヴェンのほうは、合唱団の人数が50人以内に絞られて、大正解!日本は、どういう訳か、第9交響曲の合唱は大人数で素人交じりのハーモニーの汚い音を聞かされた悪い経験が多い。ウィーン国立歌劇場あたりでは合唱陣は、少ない人数でも、ホールに響き渡る迫力を簡単に出しており、素人の濁った音は決して出さない!私の予想通り、今年は清澄な合唱が聞けたのはよかった!独唱の4人も素晴らしいアンサンブルをつくり、感動した。

なお、合唱や独唱は全員マスクをし、指揮者と一部の演奏家もマスクしていた。驚いたのは、マスクで音声の高音が鈍るかと心配していたが、ほとんど、問題を感じなかった!ただ、管楽器は対策が立てにくいだろう。

サントリーホールは、残響もクリーンでいい響きなのだが、大音量になると、飽和点を過ぎて、うるさく感じる欠点がある。それでも、低音が弱弱しいベルリンのフィルハーモニーやザルツブルクの大ホールよりは、いいと思う。この日の第9は、大太鼓が入るフォルテッシモなどは、高音低音のバランスもよく素晴らしい響きだったが、そうでないところは、ダブルベースなどの低音がよく聞こえなくて、高音がうるさく聞こえる傾向がある。理由は、ベルリンのフィルハーモニーなどと同じで、オーケストラの後ろの壁がないホールは、低音が引っ込んでしまうのだ。ウィーンの楽友協会(ムジークフェライン)の低音の充実ぶりと暖かい高音を経験してしまうと、他のホールの軽い低音と出すぎる高音には、不満がでてしまうのだ。

それでも、サントリーホールは、ベルリンやザルツブルクの巨大ホールに不満があったヘルベルト・フォン・カラヤンの助言に従って多少は改善したと思われる。多分、サントリーホールは客人数を2000人に絞った効果が大きい。その分、限度を過ぎた大音量には弱い。かなりうるさく鳴りすぎる時がある。前、マーラーを聞いたときもそう感じた。不思議なことに、ウィーンのムジークフェラインは、1700人プラスだが、飽和点にもっとゆとりがある。天井の反響版など、真似できない部分があるように思う。

どうやら、サントリーホールは、ベートーヴェンを古楽器オーケストラあたりで聞くのが一番いいような気がする。実際、以前聞いた鈴木雅之指揮バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏によるマタイ受難曲とメサイアなどが特別快適な音響で聞けたような気がする。

なお、今回は、演奏の後、数名の客が館内を撮影していたので、それならと私も二枚ほど撮影した。撮影禁止の表示があちこちあり、場内アナウンスでも繰り返すが、演奏の後も禁止だろうと思って遠慮していたのだ。演奏後はいいのか、はっきりさせてほしい。ウィーンでも、ロンドンでも演奏会後の撮影を禁止されたことはないのに、ここでは、今まで禁止だと思い込んでいたのだが。。

施設の満足度

5.0

利用した際の同行者:
カップル・夫婦(シニア)

クチコミ投稿日:2021/03/03

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