《祝》新造船就航・3代目さるびあ丸。

4.5
旅行時期：2020/10（約5年前）

浜松町・竹芝クチコミ：1件

伊豆諸島航路に28年間活躍した2代目さるびあ丸のバトンを受けて、令和2年6月25日、新造船、3代目さるびあ丸が就航しました。

主に、東京竹芝-大島-利島-新島-式根島-神津島の片航路に就航しますが、一部の日は、東京竹芝-三宅島-御蔵島-八丈島の三八航路にも就航します。
また、小笠原海運:おがさわら丸がドッグ入りする時は、東京竹芝-父島航路にも代船として就航するようです。

総トン数6,099トンと、過去最高の大きさを誇る船舶なんですが、実際の大きさは姉妹船の橘丸(5,681t)と同じ全長118m・幅17mとなっており、船室と定員が増加しています。
夏の繁忙期、奴隷船のようになった大部屋の2等和室は定員4～18名の部屋となりました。
ひとりひとりのスペースには、パーテーションが設けられており、横を向くと隣の人の寝顔が見えることはなくなりました。
なお、仲の良いカップルのお客様は顔を見つめ合って寝られるように、パーテーションは畳むことも可能です。
2等和室は枕だけとなり、毛布は1枚100円で貸し出されます。
なお、GOTOキャンペーン期間中は、夜行往路便のみ毛布1枚無料でサービスしてくれます。
ひとりひとりのスペースの上にはリターンコイン式の小さなロッカーがあるので、貴重品を入れておくのに便利です。
コンセントは、ひとりひとりにはなく、各室に数か所となるので譲り合って使いましょう。

1等は、2等のひとりひとりのスペースを広くし、マットと毛布・個別のコンセントがあります。

先代の船では、利用率の低かった2等椅子席は、座席がグレードアップし、ロールカーテンで各席を仕切ることができます。
各席にはUSBポートがあり、椅子席の区画後方に100円リターン式の小さなロッカーが座席人数分用意されています。
難点を申しあげると、せっかくグレードあっぷした座席なのですが、リクライニング角度が前船より浅くなったのと、前後の間隔が狭くなったような感じがしました。
また、各席のひじ掛けは可動しないので、前船のようにひじ掛けをあげて横になることもできなくなっています。
昼行となる東京行きか各島間利用では2等座席でも良いと思いますが、夜行となる島行きでは横になれる2等和室の方が良いと思いました。

今回、私は特2等を利用しました。
特2等は、近年、フェリーでよくみられるようになった階段式2段式ベッドです。
各ベッドがカーテンで仕切られるので、プライバシーが保たれ、各ベッドにはマット・毛布・枕が配備され、寝台灯・コンセント・100円リターン式小ロッカーもあるので、快適です。
島島きっぷ利用だと、特2等が標準となります。

船内に風呂はありませんが、コインシャワー(3分100円)があります。
シャワー室にあるシャンプーは薬品の独特な匂いがします。
私は気になりませんが、気になる方は自前でシャンプーなど持っていった方が良いです。

レストランは、ラーメンやカレー・そばうどんなどがあり、一番高いのは、さるびあ中華セット1,500円から焼肉丼が900円、生ビールが600円などです。
6Fの高いところにレストランが設けられ、窓も大きいので、明るい時間帯は窓側に座れれば、大海原を眺めながら食事ができます。

さて、総トン数が増加したさるびあ丸ですが、船室と定員を増やした為、同サイズの姉妹船.橘丸より船内が狭く感じました。
乗船前に買ったお弁当などの食材をどこで食べるか？
パブリックスペースがほとんどなくなってしまい、船内では4Fと5Fの自販機前に数名分のベンチと、3F特2等の区画にベンチ数か所(ここは消灯後暗くなります)だけです。
レストランスペースは、コロナにより営業時間外は閉鎖されます。
また、外の甲板部は、5Fデッキに細長いベンチ・6F後部デッキにテーブルのある6名席が4卓・7F展望デッキに数名分のベンチがあるだけとなってしまったので、繁忙期は場所の取り合いになることは避けられないと思います。
2代目の広大なアウトデッキを知る方は、「うわぁ、狭くなったな」と感じることは間違いないと感じました。

ちょっと、辛口のコメントを書きましたが、振動や動揺は減りました。
大島沖で時間調整の停泊があるのですが、いつ停泊したのかわからないほど静かです。
また、2mほどのうねりがある海況でも、動揺はあまり感じられず、船にある重油臭もしません。

先代と比較すると、一長一短の3代目さるびあ丸ですが、これからたくさんの人々に愛される船になるでしょう。
ありがとうございました。