ご本尊はぜひ間近で見てみたい。

4.0
旅行時期：2015/05（約11年前）

by まいこさん（男性）

東神奈川・保土ヶ谷・弘明寺クチコミ：1件

坂東三十三箇所第１４番札所、及び武相不動尊第１８番札所となっている寺院です。横浜市営地下鉄及び京急線に本寺の名前を冠した駅があるように、比較的アクセスは良好です（京急線に至っては元々のお寺の敷地内に駅を設けた程で徒歩数分の距離にあります）。
正面の山門から少々急な石段を登った正面に立派な本堂があり、本堂奥にご本尊の十一面観音菩薩像が祀られています。内陣参拝には別途５００円必要。間近でご本尊を拝見すると、木像表面の荒々しい鑿跡が確認でき、写真などで見たものとは全く違った印象を受けます（お寺のホームページに載ってる写真は、わりとのっぺりした感じで、間近で受ける力強さを再現できていない）。
内陣巡りをした人には、お寺のパンフレット、及び五色の羂索（小さいもの）が頂けます。パンフレットの記載内容は基本的にホームページのものとほぼ同等かと思います。パンフレットの記述で興味深いなあと思ったのは、上述のご本尊について、寺伝による制作者（行基）は一応挙げつつも、実際に制作された時代を平安時代であると明記している点で、後世の箔付けや牽強付会的な説明が比較的少ないことです。こういう伝承の否定は、ある種、御利益の否定とも捉えられかねないのですが、私個人の印象としては、いま、そこに信仰の対象となっているものがあり、それ自体が相当程度長い年月信仰されてきた以上、その由来が伝承のそれとは異なっていたとしても、信仰の対象としてのそれは、もはや揺らぐことがないものとして確立しているのではないのか、と思うこともあるため、こういった紹介の仕方に対して好感を抱くことができました。