科学的に貴重な湖!
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- 旅行時期:2014/09(約11年前)
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by norisaさん(非公開)
美浜・三方五湖周辺 クチコミ:2件
水月湖は三方五湖の中の中心的湖ですが、水深が深く湖内に直接流れ込む大きな河川がないため、その流入などで湖底の堆積物がかき乱されることながなく、そのため年縞が1枚ずつきれいに積み重なっている状態が保たれています。
(年縞は材木の年輪のようなものです)
ここは湖底に酸素がないため生物が生息しないことで、年縞がありのまま残っています。
さらに、湖周辺の断層の影響で、湖の底面が堀下がる沈降現象が続いており、湖底に毎年堆積物が積もって侵食して湖が埋まらないという特異な条件が揃っており、水月湖の年縞は現在では「奇跡の堆積物」と呼ばれます。
前回の旅行で霧ヶ峰にある八島が原湿原の泥炭層(8m)が数千年におよぶ気候の記憶の貴重な資料だと書きましたが、この水月湖、それをはるかに上回る歴史の証人ということです。
その規模は八島が原湿原の十倍以上に及びます!
2006年に始まったボーリング調査で総延長70mにも及ぶコアが掘削されましたが、これは過去約16万年分の連続した土を採取できたこととなります。これ以降、日本、イギリス、ドイツなどの共同研究チームが分析を進めて放射性炭素14、炭素12の比率を調べることで、11,200年- 52,800年前にわたる過去約5万年間の放射性炭素年代測定を行ないその研究成果を学術雑誌サイエンス誌に発表しました。
世界放射性炭素会議総会(International Radiocarbon Conference)で地質学的年代決定での事実上の世界標準となった。同様に秋田県の一ノ目潟もまた水月湖と同様に水深が深く、流入流出河川がないそうです。
一ノ目潟の調査は2006年(平成18年)と2011年(平成23年)に実施され、過去3万年にわたる日本海東縁部の大規模地震活動の履歴を詳細に復元できる資料とされています。
ところで、こうした十数万年の気候などの研究が何の役に立つのでしょう?
その代表的な成果が日本、あるいは世界の気候と歴史の関係です。
我々は日本史や世界史で数々の英雄の活躍や国の攻防、あるいは戦乱や一揆の歴史を学びます。
そこでは、誰々が何をしてこうなった、という習い方をします。
桓武天皇はーー、源頼朝はーーー、足利尊氏はーーーなどです。
しかし、殆どの歴史の動乱、変化は実は気候と密接な関係があることが解明されつつあります。
即ち、大きな歴史の転換点は干ばつや洪水、火山噴火による冷害その他の飢饉や病虫害の流行によるパニックが関係しているようです。
特に灌漑設備や治水が不完全だった太古から室町幕府あたりまでは気候の影響をもろに受け、その結果として動乱や政権の交代が起こったと思われます。
まさに衣食足りて礼節を知る、というわけですね(汗)
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦
- アクセス:
- 3.5
- 景観:
- 4.0
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- バリアフリー:
- 3.0
クチコミ投稿日:2014/10/21
いいね!:24票
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