中学時代か高校時代か、定かでない。国語の教科書に鳥取県の生徒が書いた文が載った。遠足で長谷寺を訪れたときの話である。急な...
続きを読む階段を登る生徒の姿、仁王像を見ての感慨深さが印象的だった。何故か記憶に残り、いつか鳥取県倉吉市を訪れる機会があれば、訪ねたい、と心に秘めた。
倉吉市の白壁土蔵群を見学時、土産物店で長谷寺のことを聞いた。「長谷寺は知らない」という。喫茶店風の店先でその主人らしい人に聞いた。かつて倉吉には仏師が結構いた、という。今でも仏師はいるという、歴史の町だ。「あそこでないか」といい、道順を教えてくれた。山際の小さい駐車場に車を止め、参道を登った。文章の印象と違い、それほど急峻な山道ではなかった。
長谷寺は奈良時代創建の古刹である。本尊の薬師如来は、室町時代前後のものだという。漸く仁王像に合えた。
仁王門は江戸時代、延宝8年(1680年)に建立された。間口三間、奥行二間、八脚門、入母屋造で古さから伝統を感じた。その中に仁王像が安置されていた。訪れる人は少なく、ひっそりとしていた。
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投稿日:2015/08/19