2017/07/03 - 2017/07/11
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kiro184さん
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今回は、北欧フィンランドとエストニアへの旅行である。私にとっては、フィンランドは航空機の乗り換えのために一度立ち寄ったのみ(空港からは出ず)、エストニアは初訪問だ。
フィンランドを含む北欧は治安が良いこと、治安にも関係するが強引な客引きやボッタクリが少ないこと、そして夏の時期は日が長いことと日本よりも過ごしやすいことから旅行にはうってつけだ。短所?と言っていいのか言葉に迷うが、物価が高いことは仕方がない。
エストニアについては予備知識がほとんど無く、単にフィンランドから船で2時間で行けることから旅程に組み入れてみた。
毎度のごとく鉄道に乗ってばかりの旅だが、何か参考にして頂けることがあればありがたいと思う。
【大まかな行程】
0日目 新千歳空港→成田空港→成田(成田泊)
1日目 成田空港→ヘルシンキ・ヴァンター空港→ヘルシンキ(ヘルシンキ泊)
2日目 ヘルシンキ→ヌルメス→ヨエンスー(ヨエンスー泊)
3日目 ヨエンスー→ピエクサマキ→コウヴォラ→コトカ→リーヒマキ→ハーメンリンナ(ハーメンリンナ泊)
4日目 ハーメンリンナ→タンペレ→オウル→ロヴァニエミ→ヘルシンキ行き寝台列車乗車(車中泊)
5日目 →タンペレ→ポリ→タンペレ→トゥルク→ヘルシンキ(ヘルシンキ泊)
6日目 ヘルシンキ→(エストニア入国)→タリン→ナルヴァ→ユフヴィ(ユフヴィ泊)
7日目 ユフヴィ→タリン→(フィンランド再入国)→ヘルシンキ(ヘルシンキ泊)
8日目 ヘルシンキ→ヒュヴィンカー→ヘルシンキ→ヘルシンキ・ヴァンター空港→(機内泊)
9日目 →成田空港→新千歳空港
- 旅行の満足度
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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◆6日目
この日はヘルシンキを出国し、船でエストニアへ入国する。
ヘルシンキ中央駅から9番系統のトラムに乗り、ランシターミナル(ヘルシンキ西ターミナル)へ向かう。トラムに乗車して10分で到着するが、トラムは10分間隔での運転なので時間ギリギリの行動は避けた方がいいだろう。
今回乗船する会社のフェリーはランシターミナルからの出航だが、会社によっては全く違う港から出航する。よく確認するとともに、早めに港へ行って確認すると安心だろう。
(間違えた港へ行ったとしてもそれぞれの港はタクシーで10分程度で着けるが、ターミナルにタクシーがいる保証は無い) -
出航の2時間前にはランシターミナルへ到着した。まだ少ないが、私と同じ時間に乗船する客が到着している。すでにチェックインが始まっていたため、インターネットで予約済みのバウチャーとパスポートを見せると発券してくれた。
チケットさえ手に入れればこっちのものだ(大げさだが)。出航まではまだまだ時間があるため、ターミナル前でトラムの写真を撮ったりしていた。トラムが到着するたびに大きな荷物を持った人たちが降りてくる。
9:30頃にタリンからやって来たフェリーが到着し、船尾を港に付けるように接岸した。手前の車の列はタリンへの乗船を待っているもの。
9:50に乗船開始になる。一番安いチケットのため席が指定されておらず、ラウンジやフードコートに適当に座るようになっている。追加料金を払えば、ビジネスラウンジを使えたり寝台(個室)が使えるチケットもある。 -
ヘルシンキを定刻より9分早い10:21に出航する。天気もいいのでオープンデッキに出てみる(オープンデッキのみ喫煙可能)。翌日に戻ってくるが、一旦フィンランドにはさようならだ。
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12:15頃にエストニア・タリン港に入港した。接岸の準備をし、下船開始は12:35頃だった。
フィンランドとエストニアはシェンゲン協定域内のため、エストニア入国に際して国境審査は無い。イミグレーションの窓口は空っぽで素通りする。ゲート付近には警官も麻薬犬もいなかった。
他所様の旅行記や情報通り、船を降りた集団に付いて行くと旧市街の「ふとっちょマルガレータ」付近にたどり着ける。 -
とりあえずタリン駅へ向かうが、時間があるので旧市街の中を通って向かうことにする。
狭い路地が入り組んだ中にたくさんのおしゃれな建物があり、たくさんの観光客で賑わっている。道路は石畳で歩きにくく、あちこちに坂もあるためのんびり歩くことにする。快晴だが気温は22℃ぐらいなのが救いだ。 -
あちこちで写真を撮りながらのんびり歩き、13:30頃にタリン駅に到着した。とりあえず、駅の窓口でナルヴァ行きの切符を買う(11.4ユーロ)。
駅の窓口と待合室は駅舎片隅に小さくあるだけで、スーパーが大部分を占めている。フィンランドと比べると物価は安く、日本と同じぐらいだろう(500ml水1本で¥100弱。日本でもスーパーならこの程度だろう)。 -
駅構内を撮影していると、ロシア型のディーゼル機関車が到着した。どこから来た列車かと思って見に行くと、何とロシア・モスクワからの直通列車だった。1日1往復、モスクワからの夜行列車が設定されているようだ。
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窓に掲げられたモスクワ~タリンのサボ(ロシア語)。
列車のドアが開くと老若男女たくさんのロシア人が降りてきて、ホームにロシア語が飛び交う。団体ツアー客も多いようで、駅前には何台も貸切バスが待機している。 -
駅の横にはSLが保存されている。ソ連時代のものと思われる巨大な機関車だ。
現在でもエストニアと(フィンランドも)ロシアは同じ線路幅1520mmなので、列車はロシアからそのまま乗り入れてくる。 -
タリン駅は頭端式ホームの行き止まりの駅だ。近郊列車は駅舎に近いホームから発車する。オレンジ色の流線形の電車で、両数が3、4、5両といろいろなタイプがあるようだ。
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駅構内や駅裏をブラブラし、15:17発のナルヴァ行きに乗車する。近郊電車と同じような外観だがこれはディーゼルカーだ。中間の車両に発電機が搭載されており、それで作られた電気でモーターを回して走行する。
ソ連製の古いディーゼルカーを期待していたのだが、現在は全てこれに置き換えられてしまったらしい。
タリンを定刻に発車する。すぐにリッレクラ駅が見えてくるが、ホームがPadula方面の路線にしかないため通過する。
Aegviiduまでは快速運転なので途中駅をどんどん通過する。Aegviiduまでは電化されているため1時間に1本程度の近郊電車が走っているが、これより先は非電化になりタルトゥやナルヴァへ行く列車のみになる。 -
タパには定刻16:17に到着する。中央に広い島式ホームがあり、その間には給水塔のような大きな建物が建っている。ホームにSLも保存されている(SLの画像は翌日分にあり)。この駅でナルヴァ方面とタルトゥ方面に路線が分岐する。
エストニアの鉄道乗車記はあまり見かけないが、あったとしてもタルトゥ方面がほとんどでナルヴァへの乗車記は見つけることが出来なかった。それもあってナルヴァへ行ってみようと思い今回のような行程になった。
加えてタルトゥ方面は一部区間がバス代行になっているようで(曜日によって異なるらしい)、ナルヴァの方が鉄道で確実に往復出来るという理由もある。 -
その後も定刻通り走り続ける。Kabala手前でいくつかの信号所を通過する。いずれも周囲には何軒かの民家があるだけなので、昔は駅だったが廃止されてしまったのだろうか。
Sondaにはタンク貨車の編成が留置されている。駅の外れでは、何と雄牛が放し飼いなのか構内で昼寝している。
キビオリは駅自体が移転したようで旧ホームと駅舎は放棄され、踏切に隣接するところに新ホームが作られている。
画像はVaivara駅。立派な駅舎は放棄されているようで、手前には改修されたホームがある。 -
2014年頃にオレンジ色の新型の電車や気動車を導入した際に、ホームの改修や嵩上げが行われたようだ。その際に旧ホームを改修した駅もあれば、旧駅舎とホームを放棄して新たにホームを作った駅もある。中には新ホーム建設に合わせて駅自体が200m程移動したところもある(前出のキビオリなど)。
新しくなったホームには上屋があるが、どの駅にも待合室は無いようだ。
途中の小さな駅では編成全てが収まらないぐらい短いホームのところがあり、そのような駅では1両しかドアが開かない。ホームを新しくしたのになぜこんな中途半端な長さで作ったのだろうか。乗降客が少ないので、長いホームを作っても投資に見合わないからかもしれないが。
(画像は車内から見かけたソ連製と思われるトラック) -
終点のナルヴァには定刻の17:57に到着した。ナルヴァはロシアとの国境にある街で、駅から見える橋を渡れば向こう側はロシアである。
タリンで見かけたモスクワ発の列車もここを通って来たのだろう。国境を越える旅客列車は1往復だが貨物列車は多数運転されているようで、到着した列車の隣にいた貨物列車がロシア方面へと発車していった。 -
ナルヴァ駅舎。窓口は無人だが駅舎の一角にイミグレーションと荷物の検査機があり、モスクワからの列車が着くと使用するのだろう。モスクワ~タリン間の国際列車は上下ともナルヴァで45分、川の向こうのロシア・イヴァンゴロドで40分停車する。
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ナルヴァでは30分程度の折り返し時間があるため、駅周辺を歩く。車窓にも見えたがソ連式の集合住宅がたくさんあり、同じエストニアでもタリンとは雰囲気が違う。駅で待っている乗客もロシア語を喋る人が多い(特に年配者)。
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ナルヴァ駅の様子。国内列車は嵩上げされたホームを使用するが、長大なモスクワ直通列車は手前側の嵩上げされていないホームを使用するのだろう。
ナルヴァを18:32に発車するタリン行きに乗車する。
19:01、Oruに停車する。ここもホームが短く、ドアは1枚しか開かない。5分程停車している間にモスクワ行きの寝台列車の通過待ちをする。先程タリンで見た編成だろう。 -
19:15に今日の目的地であるユフヴィに到着する。この駅も立派な駅舎があるが閉鎖されており立ち入り出来ない。
そもそもこの日は、当初の計画ではナルヴァに泊まるつもりだった。
ナルヴァにインターネットで予約出来るホテルがあることを確認していたが、数日後にいざ予約しようとすると団体客が入ったらしく一般のホテルには空室が全く無かった。
私が泊まったことの無いアパートメントホテルなら空きがあったが、ネット上で調べてみるとチェックアウト時に貸主の立ち合いが必要なところがほとんどのようだ。翌日は朝7時台の列車に乗るため、万が一貸主が来なければその後の予定が全て狂ってしまう(それ以外にもトラブルが多いらしく、普通のホテルと同様に考えてはいけないだろう)。
そのためアパートメントホテルは止め、鉄道沿線で普通のホテルがあるところを探すとユフヴィになった。ナルヴァとユフヴィは約50km離れている。 -
駅前から見た街の様子。エストニアだがロシアの田舎町のような雰囲気だ。
駅から徒歩7分程のところにあるホテルへチェックインした。20時近くになっても外は明るく、近くの公園は子供を遊ばせる人で賑わっている。 -
ユフヴィ中心部付近にある教会。
ホテルへ荷物を置いてからはすぐ晩飯を買いに出かけたがこの日は土曜日のため20時閉店で、閉店10分前のスーパーに駆け込んだ。ショッピングモールに併設されたスーパーだが、ここが閉まったらホテルのレストラン兼バーで食べるしかないだろう。
買い物を済ませてからは、二度と来ることは無いであろうユフヴィの街を散策した。 -
◆7日目
余裕を持ってホテルを7:10頃に出て、昨日とは違う道を通ってユフヴィ駅へ向かう。
駅前は駐車場が整備されてバス停もきれいに改修されている。駅舎は閉鎖されており詰所としても使われている雰囲気は無いが、なぜ残してあるのだろうか。マニア的な観点からは嬉しいが、普通は駅前整備にあわせて取り壊すのではと思うが・・・。 -
ユフヴィ7:40発のタリン行きに乗車する。
昨日は撮り損ねていたSonda駅舎を車内から撮影する。入口付近の弧を描く装飾はエストニアの多くの駅に見られる。この駅も放棄されており、今はホームから駅舎へ行く通路すら無い。
予定ではこの列車にタリンまで乗り、フェリー出航までタリン市街を散策するつもりだった(タリンには9:47到着)。
しかし昨日タパで見かけた保存SLが気になり、タパで途中下車出来ないかと考えた。時刻表を見ると、この列車の1時間10分後にタルトゥから来るタリン行き列車があるではないか。タリンには10:59到着になるが、フェリー出航は16:30なので影響は無い。
ということで、タパで途中下車することにした。昨日見ていた限りエストニアの列車はほとんど遅れていなかったことから大丈夫だろうと判断した。 -
一般の方から見れば、世界遺産であるタリン旧市街の見学時間を削ってまでそんなものが見たいのかと思うかもしれないが、これが私の旅行スタイルだ。
タパには定刻の8:49に到着する。お目当てのSLは広い島式ホームの中央に置かれており、タリン駅で見たものと同じタイプだと思われる。1520mm軌間の機関車なのでとても大きく、動輪が5個(E型)にも関わらず動輪直径は1.5m程もある。 -
広い島式ホームと言っているが、こんな大きな建物があるほど幅のある島式ホームなのだ。この建物の向こうにSLが置かれている。
かつては駅舎として使われ運転詰所や信号所の役割もあったのだろうが、例によって入口は全て閉鎖され使われている気配は無い。
構内の構造だが画像手前のホームがタルトゥ方面上下線用、廃駅舎の向こう側にナルヴァ方面(国内列車)上下線用ホームがあり、いわば線路別複々線のような配置になっている。
国内列車が停まるホームは気動車5両分しか無いため、モスクワ直通列車は廃駅舎のあるホーム(おそらくこれが昔からあるもの)に停まる旨の看板がある。 -
タパで1時間の待ち時間があるため街を歩いてみる。ここもナルヴァやユフヴィと同様にソ連の田舎町といった雰囲気だ。
駅近くにあるスーパーが9時に開店したので、朝飯としてパンと飲み物を買いに行く。パンや水はフィンランドでもエストニアでも「生存権」の絡みからか他の物より安めに販売(もしくは税率が低く)されているが、このスーパーではパン1個が約¥60、500mlの水が約¥90とかなり安い。同じエストニアでも地方はタリンより物価が安いのであろう。 -
まだ時間があるためホームに座ってパンをかじっていると、タルトゥ方面から貨物列車が入ってきた。先頭はアメリカGE社製のディーゼル機関車だ。エストニア国内の貨物列車はほぼこの機関車が牽引している。
同じ線路をモスクワ直通列車を牽引するソ連製TEP70ディーゼル機関車が走行しているが、アメリカとロシアの機関車が顔を合わせることになるのが面白い。
機関車の背後には、昨日車窓から見た給水塔のような建物がある。ただ、屋根が破れているため今は使われていないようだ。 -
タパ10:05発タリン行き列車で、二度と来ることは無いであろうタパを後にする。
この列車はタルトゥ始発だが、急行列車(急行料金不要)として運転されているため途中駅をほとんど通過する。タリン~タルトゥ間には1日8往復の列車が走っているが、半数の4往復は急行列車だ。
なおナルヴァ、ユフヴィ、タパには駅係員がいないため切符を購入出来ないが、そのような時は車内で車掌から購入する。一斉に車内検札する訳ではなく途中駅から乗った客には狙いを定めて売りに来るので、車掌は頭の中で記憶しているのであろう。
今回乗ったような気動車列車なら停車駅間が長く途中で乗り降りする客の数も少ないのでこのようなシステムでもいいかもしれないが、本数や停車駅の多い電化区間(電車列車)はどうしているのだろうか。電化区間には駅に券売機があるのかもしれない(もし券売機があった場合、切符無しで乗ると不正乗車を疑われる恐れがあるのでご注意を)。 -
タリンには10:59に到着した。
その後はタリン旧市街を散策する。昨日は旧市街を横断するような形で通過したので、今日は城壁に添って一周してみる。城壁(城壁跡含む)は長さ約2.5kmに渡って街を取り囲んでおり、写真を撮りながらゆっくり歩いて1時間程で一周してきた。
続いてタリン駅裏手(旧市街と反対側)へ行ってみる。トラムの2番系統があったはずだが、改良工事中らしく線路は全て撤去されていた。洒落たデザインの架線柱のみ残っている。
ガイドブックの地図ではこの辺りで2番系統は折り返しているはずだが、ふとっちょマルガレータ付近の道路で見ていてもトラムは来なかったので、どの区間が運休しているのかは不明だ。 -
タリン駅で13:43に到着するモスクワ発の国際列車の到着を待つ。ちょうど24時間前に同じ場所で見た列車だ。この列車の到着を見届けてから、タリン港のフェリーターミナルへ向かった。
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出航の2時間前にフェリーターミナルに到着した。行きと同じように窓口で予約済みバウチャーを見せるが、パスポートの提示は求められなかった。
16:30の定刻に出航する。さようならエストニア。また来ることはあるだろうか。 -
定刻より5分程早い18:25頃にヘルシンキ西港に到着した。下船開始は18:35頃だった。
すぐにフェリーターミナル前からトラムに乗るが、6T系統と9系統のトラムが並んで出発待ちしていた。フェリーの到着時刻に増便されているのだろうか。しかしフェリーに接続している訳ではないので、時刻になると出発して行ってしまう。
加えて自動券売機が1つしか無く、フェリー到着直後は長蛇の列になる。私は早めに下船してトラム乗り場に来たから良かったものの、後ろの方に並ぶと大変だろう。
並ぶのが嫌な人は、あらかじめ到着日までのデイチケットを買っておく(高くつくと思うが)か、小銭を用意しておいて運転士からチケットを買った方がいいだろう。
その後はヘルシンキ中央駅付近まで行き、ホテルに入りこの日は終了した。 -
◆8日目
フィンランド最終日である。この日の夕方に帰国便が出発するため、ヘルシンキ近郊を見て回ることにしている。
ヘルシンキのトラムは先頭にしか運転台が無い。終点ではループ線で方向を変えたり、路線そのものがループするように設定されている。 -
まずは、ヘルシンキから北へ50km程離れた場所にあるヒュヴィンカーへ向かう。この街にある鉄道博物館を見るためだが、博物館は10時開館なのであまり早く行っても仕方がない。そこでヘルシンキ中央駅からパシラ駅までトラムで行ってみることにする。ちょうど9番系統がこの区間を走っている。
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パシラからVRのコミューターに乗り、9:55頃にヒュヴィンカーに到着した。平日の昼間なので乗客はまばらだ。
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ヒュヴィンカー駅から10分程歩くとフィンランド鉄道博物館へたどり着く。貨物線のような線路に沿って歩くが、現在も使われているのだろうか。途中には貨物駅(跡?)もあった。
博物館へ収蔵された車両もここを通ったのだろうか。 -
開館してすぐの時間だが、すでに何組かの家族連れが訪れている。
たくさんの車両が展示されているが、屋内展示場は非常に暗く撮影が難しい。各車両の横には液晶パネルで現役当時の写真や解説が表示されており、大切にされていることが伺える。 -
かつての扇形庫内にも車両が保存されている。こちらはいくぶん明るいものの狭いスペースで、引きの写真が撮れない。
屋外スペースではかつての駅舎や鉄道官舎が移築されて展示されていたり、ミニ列車やカフェもある。 -
1時間程かけてゆっくりと鉄道博物館を見学し、ヒュヴィンカー駅へ戻る。
鉄道博物館へ続く貨物線は、ヒュヴィンカー駅の駅前を通っている。これはフィンランド式の踏切。
その後の予定ではコミューターでエスポーを往復してからヘルシンキ・ヴァンター空港へ行こうと思っていたが、予定を変更してヘルシンキ市内のトラムに乗ることにする。今朝訪れたパシラに戻る。 -
トラムの路線図を見ると、パシラ駅から7番系統に乗ればまたパシラ駅に戻って来れるようなのでそれを待つ。しかし7Aというトラムは到着こそすれ、誰も乗車しない(パシラから回送なのかは不明)。逆方向の7Bは全くやって来ない。その代わり「7X」と表示されたバスがトラムの停留所に停まっては乗客を乗せて発車していく。
よくわからないが7番系統は一部バス代行なのかもしれないと判断して、9番系統に乗ることにする。 -
9番系統に乗り、Hakaniemiまでやって来た。ここで7Aと合流するので乗り換えることにする。
やって来た7Aに乗ればパシラ駅へ戻れると思っていた。しかしYlioppilastaloで運転士による肉声放送があったかと思うと(フィンランド語のため一切分からず)、明らかに7Aとは違う方向へ曲がる。どうやら6番系統の路線に入ったらしい。
このまま乗っていても仕方がないので降り、来た方向へ歩いて戻る。 -
ここまででタイムアップになり、そのまま歩きヘルシンキ中央駅までやって来た。ここから空港行きのコミューターに乗ってヴァンター空港へ向かうことにする。
何だかヘルシンキのトラムは消化不良で終わってしまった。いずれ機会があれば(あるのか?)時間を気にせずじっくりとトラムを乗り回してみたいと思う。 -
入国した際には乗車しなかったルートを通るP系統のコミューターでヘルシンキ・ヴァンター空港へ向かう。
パシラ駅手前には機関区がありたくさんの車両が留置されているが、扇形庫前には車が停まっているため扇形庫は使われていないようだ。
斜めの鉄骨で支えられた転車台がフィンランドらしい。転車台はどの程度使用されているのかは不明だが、フィンランドの主要駅に多数残っていた。
この後はヘルシンキを17:15に出発する帰国便に乗るだけだ。長かったフィンランド、エストニアの旅も終わりとなった。 -
◆9日目
時差の関係から成田空港へは翌朝8:55に到着した。帰りも行きと同様LCCに乗るため、連絡通路を歩き第3ターミナルへ向かった。
※フィンランドの鉄道について
運行時刻はおおむね正確であったが、接続待ち等で10~20分遅れることもある。接続(乗り換え)時間は何分が基準なのかは分からないが、VRのサイトで表示される乗り換え列車であればほぼ必ず乗り換え可能であろう。
旅行中で一番混雑している列車は、タンペレ→トゥルクのICであった。座席がほぼ埋まり、指定券を持たない人が数人立っていた。それ以外の列車(夜行列車を除く)は多くとも座席の8割が埋まる程度で、指定券無しで乗車しても座ること自体は可能だろう。
ヘルシンキ近郊を除けば、列車の運転本数が少ないゆえに列車そのものは画一的だという印象は拭えない。しかし車窓に現れるいくつもの湖が印象的で飽きることは無い。 -
※エストニアの鉄道について
運行時刻は正確で、遅れている列車は見かけなかった。
本文でも触れたが、2014年頃に車両や駅の改修が行われてずいぶんと近代的になっている。タリン近郊は1~2時間に1本の列車が走っており、ガイドブックには全く書かれていないが上手く使えばタリン周辺の観光地巡りに活用出来るだろう。
長距離(といっても200km程度だが)のナルヴァ、タルトゥ、パルヌなどへ向かう列車は本数が少なく、気軽に乗車とはいかないだろう。タリンからだと最多のタルトゥで8往復、最少はKoidulaで2往復、ナルヴァとパルヌは3往復となっている。
タリン市街のトラムは、工事中で運休している区間があったりタリン空港への延伸が予定されているなど、現在はどの程度運行されているのかは分からない。しかし数年後に大きな動きがあるものと思われる。
(画像はタリンのトロリーバス)
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