東京の重文建築巡り　～渋谷区編～

2015/11/15 - 2015/11/15

私が旅行する目的の一つは古建築巡り。自分が生まれるはるか前から時代を生き抜いた古い建築物を見ると、それだけで恐れ多い気持ちになり、この素敵な遺産をこれからも後世に伝えねば、って気持ちになります。
今回はそんな建築物にスポットを当てた街歩き。

ただ当てもなくうろうろしても無駄足になりかねないので、国の重要文化財に指定されている建築物を中心に歩こうと思いました。東京都内には78件の重文建築があります（うち2件は国宝）。これらを時間をかけて巡ってみようと思います。

不定期でお送りする本シリーズ、今回は渋谷区の重文建築2件を巡る旅日記。ただもともと子供とお昼を食べに行くついでに立ち寄ったので、1日1件、計2日間、おまけにこの2日は1か月空いての散策とグダグダな感じになってしまいました(苦笑）

しかしながら重文建築2件とはいうものの、どちらもなかなか見どころの多い場所なので単体で訪れてもよろしいかと思います。

◆今回の重文建築
明治神宮宝物殿（都内最大の神社に建てられた和風鉄筋コンクリート建築の傑作）
旧朝倉家住宅（超一等地に残された大規模な和風建築）

エリア 代々木(東京)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 徒歩

この日は11月15日、澄み渡る秋空が気持ちのいい一日でした。もともと家族で新宿高島屋にあるディンタイフォンで点心ランチを、ってことでお出かけしました。ただ天気も良く気温も暖かったので、子供と二人で明治神宮でもプラッとしてこようと思ったのが今回の動機です。

新宿の高層ビルの中でもひときわ高いドコモ代々木ビル。秋らしい雲をバックに存在感を醸し出しています。

高層ビルばかりで圧迫感が・・・。

タカシマヤタイムズスクエアの全景。ビルの窓に映り込む青空がきれいだね。

日ごろお世話になっているJR東日本の本社ビルも新宿にあります。suicaのキャラクターがお出迎え。

ということで新宿散策から原宿へ移動。明治神宮の鳥居前にやってきました。

明治神宮 寺・神社・教会

参道は広々、周りは都内とは思えないほどの緑の多さ。敷地面積22万坪もある広大な神社です。

この森だけを見ると、ここが渋谷と新宿の間にあるとはとても思えません。

明治神宮は明治天皇が崩御されたことを受け、造営された神社。明治神宮の造営地として選定された代々木御料地はもともと森もない荒地だったそうですが、日本や台湾各地から12万本もの献木を受けて造成された人工林です。とはいえ今ではこんなに立派な森として成長しました。

日本各地から奉納された銘酒の数々。

参道の中ほどにある大鳥居。木製の鳥居としては日本一の大きさを誇ります。その高さ、なんと１２ｍ。これほど大きな木(檜）を調達することは容易ではなく、台湾から取り寄せたそうです。

時期がら、菊も飾られていました。

これはなかなか可愛い。菊盆栽って感じですかね。

ということでご本殿前にやってきました。

ちょうど結婚式がやっていました。

観光客の目にさらされながらの挙式ですが、実際にやってみるとあまり周りの目は気にならないもの。
なんでそんなこと、知っているかって？
私も鎌倉の鶴岡八幡宮で結婚式を挙げたからです(笑)

お参りもきっちりと済ませました。でも今回の目的地は参拝ではなく重文建築巡りなのです。さっさと目的地に向かいましょう。

目的地の宝物殿は原宿側とは反対の代々木側にあります。ご本殿の裏の路に抜けると先ほどまでの喧騒が嘘のよう。木漏れ日が参道に差し込み柔らかい情景を作り上げています。

代々木方面に向かう北参道は本当に静か。

そしてしばらく進むと広大な芝生が出てきます。写真の左側に移っている赤い屋根の建物が目的地の宝物殿。

実はこの宝物殿、近くで見るためには宝物殿の入場料が取られます。展示物には対して興味がなかったのですが、とりあえず入場料を払って敷地内へ。

今回の目的地、明治神宮宝物殿です。東大寺正倉院の校倉造りを模した左右対称の和風意匠でまとめられた建築物です。

明治神宮宝物殿 美術館・博物館

東側はこちら。

西側はこちら。綺麗に左右対称でまとめられています。

中央の倉と左右の倉を連結させる渡り廊下。

正直、想像以上に立派な建物でした。

事務所棟（正門？）もなかなか重厚感があっていいんですよねぇ。

明治神宮をぐるっと一回りできました。日もだいぶ傾いてきたことだし、子連れなので本日はいったんここまでです。

時は一気に進み12月6日。場所も代々木から代官山です。この日は代官山にある旧朝倉家住宅を訪ねました。

今回2件目の重文建築、旧朝倉家住宅です。ちょうど紅葉の時期でモミジが眩しいくらいでした！

旧朝倉家住宅 名所・史跡

この旧朝倉家住宅、建築も見事ですが、庭園も素晴らしいんです。ちょうど紅葉シーズン真っ盛りだったので建物の見学は後回しで庭園をプラプラしてみましょう。

庭園内に向かう門をくぐると・・・。

ため息が出そうなくらい綺麗です。左下にぼやけて映っているわが子も林の中ではしゃぎまわっています。

石灯籠に苔むした庭。木々を彩る紅葉。ここは京都か？って錯覚するくらい素晴らしいです。

旧朝倉家住宅主屋。東京府議会議長や渋谷区議会議長を歴任した朝倉虎治郎によって建てられた関東大震災以前から残る貴重な和風建築です。建物内部はまたあとで見学するとしてもう少し庭園散策続行。

どこを切り取っても綺麗なので写真がうまくなったのかと錯覚してしまう。

石灯籠とモミジと。

庭園は目黒川の崖線を利用した高低差のある造りになっており、変化に富む風景を見ることができます。

窓に映り込むモミジと本物のモミジ。

庭園散策、たっぷりと楽しませていただきました。

それではお次に建物内の見学です。入口からして立派な門構え。

和の雰囲気に包まれたお部屋。細かな意匠も凝っており見ていて飽きません。

外を見ると紅葉も飛び込んできます。

こんな家を代官山で建てようとしたら今ならいくらくらいかかるんでしょうね。

建物の平面図はこんな感じです。一番奥に杉の間というお客を応接する部屋があったそうですが、この日はお茶会で使用されていて見学することができませんでした。

ということで見どころたっぷりの旧朝倉家住宅でした。
今回はここまで。最後までお付き合いくださりありがとうございました。