ゴールデンウィークの約束だった初めてのハワイ旅行は、結局フライトが取れなかったため盆休みに延期となった。広島原爆投下の6日の夜行便で日本を発ち、時差のため6日の午前にホノルルに到着、長崎原爆投下の日の9日にパールハーバーを訪れることになった。<br /><br />赴任を含め10年来アメリカを行き来したが、もちろん親しいアメリカ人から直接「リメンバー・パールハーバー」という言葉を聞いたことはない。しかし、アメリカ人と今後も親しく付き合っていく上で、パールハーバーを避けて通る訳にはいかない。歴史に「もし」はないが、もしパールハーバーがなかったら、日本の今はどのような姿になっているのだろうか？今の日本には京都と、小京都と言われる幾つかの街を除いて日本古来の街並みは残っていない。日本の誇るべき建築物や街並みは保存されていたことだろう。2発の原爆は避けることができたかもしれない。しかし、敗戦により、アメリカの傘下ながら築かれた民主主義平和国家は存在しただろうか？それとも、、、<br /><br />1941年12月2日、大本営より「ニイタカヤマノボレ一二〇八」（12月8日ニ真珠湾ヲ攻撃セヨ）が発信され、ハワイ時間12月7日の日曜日早朝（日本時間12月8日）、山本五十六長官は真珠湾攻撃を決行、「トラ・トラ・トラ」(我、奇襲ニ成功セリ）により日本は太平洋戦争の愚行に突き進んだ。日本軍の奇襲作戦は成功し、アメリカ軍の戦艦8隻を撃沈、損傷する戦果をあげた。真珠湾攻撃の翌日、フランクリン・ルーズベルト大統領の要請により、アメリカ合衆国議会はアメリカと日本は開戦したと宣言、また、この数日後の12月10日、ヨーロッパではヒットラーのアメリカ宣戦布告を誘発、世界戦争に突入した訳であり、その罪は深い。真珠湾攻撃は「卑劣な騙し討ち」として宣伝された。<br /><br />今の我々はアメリカが攻撃を受けた場合、敵国を壊滅させるまで報復を止めない恐ろしい国であることを知っている。「真珠湾」はハワイを訪れる日本人が必ず知らなくてはいけない歴史を語ってくれる特別な場所だ。歴史の教師である家内とともに「地球の歩き方旅プラザハワイ」の「真珠湾まるごとヒストリカルツアー」に参加した。真珠湾公認の日本人ガイドが戦艦ミズーリ記念館、太平洋航空博物館、アリゾナ記念館、最後にパールハーバー・ビジターセンターを案内して回ってくれる。軍事基地だけに様々なセキュリティの厳しいエリアを効率的に訪れることができた。真珠湾の日本人公認ガイドとは難しい仕事だ。事実を曲げることなく、感情を挟まず、しかし日本人が片寄った印象を持たないよう配慮が感じられた。素晴らしいガイドだったと思う。<br /><br />ここに訪れた所について詳細を書く訳にはいかないが、それぞれが印象に残る記念館、博物館だった。戦艦ミズーリ記念館は第2次世界大戦後も朝鮮戦争、湾岸戦争でも活躍した歴史的な戦艦そのものだ。大日本帝国の降伏文書調印式は、9月2日（中国が今年からこの翌日を抗日戦争勝利記念の日と呼び始めた）に東京湾に停泊するミズーリの甲板上で行われ、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、中華民国（中華人民共和国ではない）などが調印して日本の降伏を受け入れた。太平洋航空博物館にはゼロ戦、Ｂ-25爆撃機など7機の実機が展示されている。海上にあるアリゾナ記念館は、真珠湾攻撃で沈没した戦艦アリゾナの上に建設された。パールハーバー・ビジターセンターでは、真珠湾攻撃前後の当時の貴重な映像が上映され、戦争に突き進む日本の狂気の時代を垣間見ることができた。

ハワイの休日No.1 ：原爆投下の日にパールハーバーを訪れる

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2015/08/06 - 2015/08/12

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#遺跡・歴史

ハンクさん

ゴールデンウィークの約束だった初めてのハワイ旅行は、結局フライトが取れなかったため盆休みに延期となった。広島原爆投下の6日の夜行便で日本を発ち、時差のため6日の午前にホノルルに到着、長崎原爆投下の日の9日にパールハーバーを訪れることになった。

赴任を含め10年来アメリカを行き来したが、もちろん親しいアメリカ人から直接「リメンバー・パールハーバー」という言葉を聞いたことはない。しかし、アメリカ人と今後も親しく付き合っていく上で、パールハーバーを避けて通る訳にはいかない。歴史に「もし」はないが、もしパールハーバーがなかったら、日本の今はどのような姿になっているのだろうか？今の日本には京都と、小京都と言われる幾つかの街を除いて日本古来の街並みは残っていない。日本の誇るべき建築物や街並みは保存されていたことだろう。2発の原爆は避けることができたかもしれない。しかし、敗戦により、アメリカの傘下ながら築かれた民主主義平和国家は存在しただろうか？それとも、、、

1941年12月2日、大本営より「ニイタカヤマノボレ一二〇八」（12月8日ニ真珠湾ヲ攻撃セヨ）が発信され、ハワイ時間12月7日の日曜日早朝（日本時間12月8日）、山本五十六長官は真珠湾攻撃を決行、「トラ・トラ・トラ」(我、奇襲ニ成功セリ）により日本は太平洋戦争の愚行に突き進んだ。日本軍の奇襲作戦は成功し、アメリカ軍の戦艦8隻を撃沈、損傷する戦果をあげた。真珠湾攻撃の翌日、フランクリン・ルーズベルト大統領の要請により、アメリカ合衆国議会はアメリカと日本は開戦したと宣言、また、この数日後の12月10日、ヨーロッパではヒットラーのアメリカ宣戦布告を誘発、世界戦争に突入した訳であり、その罪は深い。真珠湾攻撃は「卑劣な騙し討ち」として宣伝された。

今の我々はアメリカが攻撃を受けた場合、敵国を壊滅させるまで報復を止めない恐ろしい国であることを知っている。「真珠湾」はハワイを訪れる日本人が必ず知らなくてはいけない歴史を語ってくれる特別な場所だ。歴史の教師である家内とともに「地球の歩き方旅プラザハワイ」の「真珠湾まるごとヒストリカルツアー」に参加した。真珠湾公認の日本人ガイドが戦艦ミズーリ記念館、太平洋航空博物館、アリゾナ記念館、最後にパールハーバー・ビジターセンターを案内して回ってくれる。軍事基地だけに様々なセキュリティの厳しいエリアを効率的に訪れることができた。真珠湾の日本人公認ガイドとは難しい仕事だ。事実を曲げることなく、感情を挟まず、しかし日本人が片寄った印象を持たないよう配慮が感じられた。素晴らしいガイドだったと思う。

ここに訪れた所について詳細を書く訳にはいかないが、それぞれが印象に残る記念館、博物館だった。戦艦ミズーリ記念館は第2次世界大戦後も朝鮮戦争、湾岸戦争でも活躍した歴史的な戦艦そのものだ。大日本帝国の降伏文書調印式は、9月2日（中国が今年からこの翌日を抗日戦争勝利記念の日と呼び始めた）に東京湾に停泊するミズーリの甲板上で行われ、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、中華民国（中華人民共和国ではない）などが調印して日本の降伏を受け入れた。太平洋航空博物館にはゼロ戦、Ｂ-25爆撃機など7機の実機が展示されている。海上にあるアリゾナ記念館は、真珠湾攻撃で沈没した戦艦アリゾナの上に建設された。パールハーバー・ビジターセンターでは、真珠湾攻撃前後の当時の貴重な映像が上映され、戦争に突き進む日本の狂気の時代を垣間見ることができた。