初冬のレッサーパンダ紀行【５】 西山動物園　１２歳・・・早すぎるよ　チャタ君に献筍・・・ありがとう、やすらかに・・・

2014/12/21 - 2014/12/21

午前中に訪問した石川県いしかわ動物園の後は福井県鯖江市の西山動物園に訪問しました。
当初の予定では、先週の海外出張の疲れもあるので西山ＺＯＯには寄らずに関西に帰るつもりだったのですが、出張中にチャタ君の１２歳での急逝を聞き、お悔みに出向くことにしました。

愛妻・ミンファちゃんとの間に、ファファ君、ミンミンちゃん、チャーミン君、ソウソウ君、ミルキーちゃんと個性溢れる面白い子供達を残してくれたチャタ君・・・彼が日本のレッサーパンダ界を少なからず面白く、豊かにしてくれたのは間違いない事実だと思います。

素晴らしいレッサーパンダでした。
ありがとう、チャタ君・・・安らかに。

これまでのレッサーパンダ旅行記はこちらからどうぞ→http://4travel.jp/travelogue/10652280

エリア 武生・鯖江(福井)

午前中に訪問した石川県いしかわ動物園（旅行記→http://4travel.jp/travelogue/10963826 ）に続き、午後は鯖江市西山動物園を訪問です。

当初は、先週が海外出張、しかも１週間で３つのナイトフライトと結構過酷な旅程だったのでいしかわ動物園の後はまっすぐ家に帰ろうと思っていたのですが、出張中に西山動物園のチャタ君の訃報を知り、お悔みがてら訪問することにしたのです。

いしかわ動物園からはレンタカーでそのまま鯖江まできました、途中の北陸道の北鯖江パーキングエリアには鯖江らしくレッサーパンダのスタンプがありました。

鯖江市西山動物園はつつじで有名な西山公園内にある入園無料の小さな動物園、哺乳類、鳥類合わせて１２種を飼育しています。

小さな動物園ですがレッサーパンダの飼育と繁殖に掛けては国内有数の実績を誇り、２０１５年５月着工、２０１６年４月オープンの予定で公園の北側に敷地を拡大して新たなレッサーパンダ飼育・展示施設を建設する計画が鯖江市より先日発表されました。

動物園は坂道の中腹にあり結構歩き甲斐があります・・・あと５０ｍです。

西山動物園に到着です。
写真のゲートの奥に鳥類、リスザル、そしてこの動物園のメインとなるレッサーパンダ、そして、写真の後ろ側にも鳥類とフランソワルトン、シロテテナガザルなどのお猿さんの放飼場があります。

先ほども書きましたが西山動物園は入園無料ですが、ゲート横に募金箱が設置されていますので幾ばくかの募金をして入園して頂ければ幸いです。

こちらがレッサーパンダ舎です。

西山動物園には写真の公開されているレッサーパンダ舎と、別に非公開（と言うと”秘密の”と捉えられそうですが、単にお客さんから見えないと言う意味です）のレッサーパンダ舎があります。

公開側のレッサーパンダ舎には屋外放飼場が１つと半屋内の展示室が２つあります。

公開、非公開の個体は季節などによりその時々に変わりますが、ここ最近はこの若手４匹が公開側にいることが多いようです。

屋外放飼場には昨年生まれの女の子２匹が仲良くシンクロお昼寝。

右の大きい子が２０１３年７月７日生まれのミルキーちゃん、お母さんはミンファちゃん（現、神戸市立王子動物園）、お父さんは先日亡くなったチャタ君です。

左の小さい子が２０１３年７月１８日生まれのひかりちゃん、お母さんはキラリちゃん、お父さんはヤンヤン君、後にご紹介するライト君とは双子兄妹となります。

先日までライト君含めた３匹で暮らしていましたが、１歳半になり性成熟したこともあり、恋のシーズンを前にライト君は一匹暮らしをはじめ、現在の屋外放飼場は女の子２匹の展示となっています。

２つある半屋内の展示室の左側にはソウソウ君です。

ソウソウ君は２０１２年７月８日生まれ、お母さんはミンファちゃん、お父さんはチャタ君、先ほどご紹介いしたミルキーちゃんの１つ年上のお兄ちゃんです。

お母さんのミンファちゃんの過度の愛情を受け尻尾を毛繕いされ過ぎ怪我をしてしまい人工哺育で育ったソウソウ君。
人工哺育で育ったせいか、何故だかワイルドと言うか骨太な個体の多いミンファちゃんとチャタ君の子５兄妹の中ではおとなしい感じがするソウソウ君です。
顔も他の兄妹に比べると白っぽくてちょっと他の兄妹とは違いますね。

右側の展示室には、恋のシーズンが近づき一匹暮らしが始まったライト君です。

先ほども書きましたがひかりちゃんと双子兄妹です。

ひかりちゃんもライト君もお父さんのヤンヤン君そっくり、そして、おじいちゃんのシュンシュン君にもそっくりですね。

一昨年、ベテランお母さんのミンファちゃんのもとでぐんぐん（”すくすく”を越えて）大きく成長していったミルキーちゃんに比べて、初産で初育児のキラリちゃんに育てられたひかりちゃんとライト君はなかなか体重が増えずに、公開開始がだいぶん遅れました。
離乳し自分でご飯を食べれるようになりミルキーちゃんとの体格差はだいぶん詰まってきたようでよかったです。

そして、展示室の前にはチャタ君を偲ぶ遺影が設置されていました。

チャタ君は２００２年６月２５日生まれ、まだ１２歳でした。
けして若くはないですが、昨今はレッサーパンダの飼育技術が向上して１８歳くらいが大往生の一つの目安になりつつありますので、そう考えると早すぎると敢えて言いたいです・・・残念です。

チャタ君には相性抜群だったミンファちゃんとの間に、
２０１０年生まれのファファ君（現、川崎市夢見ケ崎動物公園）、ミンミンちゃん（現、徳島市とくしま動物園）、
２０１１年生まれのチャーミン君（現、旭川市旭山動物園）、
２０１２年生まれのソウソウ君、
そして、２０１３年生まれのミルキーちゃん、
と５匹の子供がいて、それぞれが個性的でかなり特徴のあるパンダに成長してくれています。

日本のレッサーパンダ界に面白い子供達を残してくれたチャタ君・・・本当にありがとう、安らかに・・・。

こちらが非公開の放飼場の１つです。

こちらの非公開放飼場にはキラリちゃんとヤンヤン君が暮らしているようです。

ちょうどキラリちゃんが木登りをして遊んでいました。

２０１１年生まれでまだ３歳と若いキラリちゃん、１歳年上でまだ４歳の旦那さんのヤンヤン君ともども非展示なのは残念ですね。

西山動物園の非公開施設は高齢になったパンダにのんびり暮らしてもらうための意味合いもあるので一概に全員展示を求めるのは違うのかな？とも思わないでもないですが、動物園の意義の一つに”老いることの素晴らしさを提示する”こともあると思うのです。
動物だろうと、人間だろうと等しく老いる、その事を学ぶ場としても、１年半後のレッサーパンダ舎拡張後には高齢個体を含んだ全員展示を期待したいと思います・・・もちろん高齢個体にはソフト、ハード面で十分にケアした上でのことになりますが。

何の拍子か、屋外放飼場の女の子２匹が同時に目を覚ましました。

おはようのご挨拶。

ミルキーちゃん始動です！！

ライト君との３匹同居の時は、双子のひかりちゃんとライト君との間になかなか入れなかったミルキーちゃんですが・・・こう書くとミルキーちゃんが引っ込み思案だったように取られちゃいそうですが、逆で、ミルキーちゃんは積極的に”かまってちゃん”をしていましたが、そのテンションの高さに双子が引いていた感じです・・・、ひかりちゃんとの２匹展示になるとそれなりに仲良く出来ているようです。

あるいは２匹とも大人になったので、それぞれのペースで暮らすことを覚えたのかもしれませんね。

時には仲良く連なって歩くシーンも見られましたよ。

先ほどご紹介しましたがチャタ君とミンファちゃんの子供はユニークでかつ骨太な子ばっかりなのですが、その中でもこのミルキーちゃんには図抜けた大物感を感じてしまいます。
美形姉妹の名を欲しいままにしたメイファ（市川市動植物園、すでにお星さま）＆ミンファの姉妹の後を引き受けるのは、同じ昨年生まれの市川の優花（ユーファ）ちゃんとこのミルキーちゃんなのかもしれないですね。

こちらひかりちゃん。

この時期にミルキーちゃん＆ひかりちゃん、そして、ライト君を単独に分けたところを見ると、次の恋のシーズンにこの３匹を繁殖組に入れることはないようですね。
ひょっとしたらライト君＆ミルキーちゃん、ソウソウ君＆ひかりちゃんのどちらかはあるかもと思ったのですが・・・。

ミンファちゃんが神戸に移動し、チャタ君が旅立った今、ヤンヤン君＆キラリちゃんに次ぐペアの形成もそろそろ考える時期かもしれませんね。

そうそう、遅ればせながら放飼場に新しいアスレチックが出来ていましたよ。

分かりにくい写真で恐縮ですが、こちらがもう１つの非公開施設。
チャタ君が晩年を過ごし、おそらくは息を引き取ったのがここになります。

現在はシュンシュン君とララちゃんの往年のペアがのんびり暮らしているはずです。
チャタ君も含めてとても人気のあるパンダ達だったので拡張後に再会できるのを楽しみにしていたのですが・・・、シュンシュン君とララちゃんにはチャタ君の分も長生きしてもらって是非１年半後には新しい放飼場で会いたいです。

実は今日は献花台などがあるかどうか分からなかったのでチャタ君へのお供えを何も持って来ていませんでした。
そこで、西山公園横に今年オープンした道の駅にチャタ君へのお供えを買いに行くことにしました。

ほんとうはリンゴがあればよかったんですけど、道の駅の直売所で見つけられたレッサーパンダが食べれそうなものは筍の水煮だけでした・・・チャタ君が筍が好きだったのかどうかは分からないのですが・・・。

チャタ君、改めて、ありがとう、安らかに・・・。