1996/04/27 - 1996/05/03
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旅人のくまさんさん
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<1996年4月30日>
4月も今日が終りの30日になりました。泊まった儒城温泉から更に南に下って、最初は、奇岩で有名な馬耳山(マイサン)を訪ねました。
タクシー代をTnさんが全部払うからと申し出られ、恐縮しながら、好意に甘えさせて戴きました。ソウルに立ち寄った時の昼食で食べたくなるのが、中心街の明洞(ミョンドン)にある全州屋のビビンバです。全州(チョンジュウ)はその本家であり、今回その本場の味を楽しむことが出来ました。
また、南原(ナモン)では、昼食時にトンドンチュと呼ばれている濁酒を飲むことが出来ました。白い濁酒がマッコルリ(マッカリ)であり、このトンドンチュは茶色っぽい色をしていました。お椀に柄杓で掬って昼餉と一緒に楽しみました。
<馬耳山(マイサン)>
馬耳山は、その名の通り、標高667mの雄馬耳山と、673mの雌馬耳山の形が馬の耳に似ていることから名付けられています。奇岩の景観は元より、落石を積み重ねて作ったパゴダも見ものでした。大小さまざまな石塔が、所狭しと積み重ねられていました。
パゴダは500年ほど前に地元の人が積み重ね始めたとされます。塔寺(タプサ)のシンボルとなっています。狭い崖道を登ったところに寺院もありました。
パゴダはこの寺院を凌ぐ高さの物までありました。馬耳山一帯は、中国の山水画を思わせるような景観であり、隆起した石灰岩が侵食された結果、出来上がった風景かも知れません。しかし、観光ガイドでは、そこまでの記述はされていませんでした。
<花回廊>
馬耳山の麓の塔寺(タプサ)まではタクシーは入ることが出来ません。途中は池のほとりを通って山道を歩きました。その池の周りで満開のソメイヨシノに出会いました。
この時期は牡丹桜に交代していて、まさかソメイヨシノが満開とは想像できませんでした。後で買い求めた絵葉書にも、ちょうど桜が満開の池と馬耳山が写されていて、まさに4月の終りの日に、この風景に出会いました。この絵葉書も写真を収録しておきました。つい、拙い俳句をいくつか書き留めました。
<広寒楼(クヮンハルルウ)>
馬耳山の帰りは、悲話『春香伝』(チュンヒャンジョン)で名高い広寒楼(クヮンハルルウ)がある、南原(ナモン)に立ち寄りました。その『春香伝』のあらすじを、観光ガイドブックから紹介しておきます。
『南原で恋仲になった官吏の子息、李夢竜と身分の低い妓生の娘、春香が主人公の物語である。父の転勤で、一旦は結ばれた二人の仲は引き裂かれることになった。春香は後任の悪代官に狙われ、貞操を守ったがために絶体絶命のピンチに陥った。その時、都で科挙の試験に合格し、「暗行御使」と言う密偵になった夢竜が現れ、その印である「馬牌(マペ)」を掲げて、悪代官を平伏させた。悪代官は逮捕されて、二人は目出度く結ばれました』
と言うのが粗筋です。『馬牌』が、水戸黄門の『三つ葉葵の印籠』の役割と同じです。それにラブロマンスが加わったような話です。
王朝時代からパリソンという唄劇で親しまれ、現代では何度も映画化されているようです。韓国の定番ストリーです。春香伝の舞台となった広寒楼(クヮンハルルウ)は、1638年に再建されたものです。庭園全体が天界を表現し、広寒楼は月世界を現したものだとされます。
馬耳山にて
花回廊奇岩に続く坂の道
馬耳山の奇岩に苔生す春木立
花の下蛙の波紋立し今
幹濡て白さ際立つ桜花
花回廊戻りつ馬耳山見返りぬ
広寒楼を訪ねて
濁酒花を浮べて昼の宴
美妓楚々と広寒楼の花の刻
- 同行者
- その他
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー
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馬耳山は、見る位置によって、色々と景色が代わります。奇岩の連続です。
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馬耳山の耳1つのようです。この峰に限らず、至る所に奇岩が顔を出しています。
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タプサです。小さいものから大きいものまで、実に沢山の石積がありました。
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大きなパゴダと小さな寺院の対比です。パゴダの方が高さを凌いでいるようです。
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この景色では、池の中央の五重の塔が主役です。
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石段を上り詰めたところには、ちゃんとした寺院もありました。まさに石の寺でした。
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紅葉と渓流、バックに岩山です。やはり中国山水画の世界です。
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新緑のパゴダです。崖の下には菩薩の石像が見えます。
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岩の間をほとばしる水です。この絵葉書は、春か初夏の季節のようです。
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金属容器から細く伸びた氷柱です。宗教儀式か占いにでも使用されるものでしょうか。
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