２０１３年・クロアチアの旅～（４）トロギールからスプリト

2013/06/25 - 2013/06/25

スプリトからほど近い場所に、トロギールという古い町がある。バスで行くのが一番早いようだが、息子が船に乗りたがったので、のんびりと船旅で向かうことにした。
が、その前に史上最大のトラブルが…。

エリア トロギール(クロアチア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 5.0

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 高速・路線バス 船 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

トロギールへの船着き場に向かう前に、旧市街の門で前日に唯一行かなかった東側の銀の門へ向かう。
この辺りでは青空市場が開かれていた。

銀の門は、４つの門のなかで一番遺跡の感じが強い。

旧市街の中から銀の門を望む。

銀の門を抜けると、そのまま鐘楼の北側に出る。こちらもちょっとした広場になっている。

サングラスが様になっているだろうか。

銅の門から港のほうへ抜けると、旧市街のミニチュア模型が置かれていた。

トロギールに向けて出航。時間は約１時間ほど。長距離バスだと30分というが、船は屋上がオープンテラスになっていて、アドリア海の景色が楽しめる。陸のほうを見ると、町の裏手に結構高い山並みがあることに気づいた。

スプリトをいったん後にする。

風は心地よいが、日射しが強く、少し暑い。
ここで、重大なトラブル発生に気づく。何と、妻が財布を落としていたことが分かった。場所は不明だが、今朝ほど旧市街でなくした可能性が高い。
主に現金だけだったのが不幸中の幸いだが、どうやら８万円近く入っていた模様…。当然のことながら、今日に至るまで財布は戻らず、海外で多額の現金は持ち歩かない、という基本はつくづく大切だと思う。

しょぼくれていても仕方ない。頭を切り換えて、旅を楽しむことにする。
トロギールの町が見えてきた。

トロギールは周囲を城壁に囲まれた小さな島で、紀元前から続く古い港町。町にはさまざまな時代の建物が残されている。

町の中心にあるのは、13世紀から17世紀にわたって建てられた世界遺産の聖ロヴロ教会。ここの鐘楼は、長い建築期間のために層によって様式が異なっており、上に行くほど新しくなる建築様式の推移を見ることができる。

例によって鐘楼に登れる。そして、例によって怖い。少なくとも、３歳児が登るような場所ではない。が、登れる以上、登らなくてはなるまい。

鐘楼から見下ろす町並み。中世を感じるこの密集した感じがよい。

聖ロヴロ教会の入り口には、傑作の誉れ高い「ラドヴァンの門」を見ることができる。

羊を押さえる獅子の像。その上にはイヴの像もある。

門の上部に彫られた天使の像。実家で留守番中の次男を思い出す。元気にしているだろうか。

教会の天井からは守護神が逆さになって顔を出している。かなり珍しいユニークな意匠だ。

ワニに食べられる人。このモチーフにはどんな意味が？

町並みはスプリトよりもかなり古いようだ。

トロギールの海沿いは、向かいにすぐ大きな島があるため、運河のようになっている。そこを多くの船や飛行機が行き交う。

海沿いを歩くとリゾート気分になれる。オープンテラスのレストランがずらりと並び、そのうちの一軒にてお昼を食べる。

昼からビール。基本です。

グリーンサラダ。この店でも味つけはなし。

魚のプレート（95クーナ）は、グリルした魚介類に軽くオリーブオイルがかけらていて、洋風の焼き魚に仕立てられている。

こちらは肉のプレート（95クーナ）。ソーセージのようなものはチェヴァピといい、バルカン半島の定番料理の一つらしい。

町の西端には立派なカメルレンゴの砦が建てられている。15世紀に建造されたもの。

要塞上からの眺め。海からの敵襲に備える防御の拠点らしく、町だけでなく、遠く海の向こうのほうまで見渡せる。

砦の脇には小さな児童公園があり、人生初シーソーを楽しむ息子。

再び市街地へ。

かなり古い町並みに入り込んだ。

なかなか味のある街角。

スプリトへ戻るため、帰りは町の北門から長距離バスターミナルへ。門の上には、この町の守護聖人で初代トロギール司教のイヴァン・ウルシーニの像が置かれている。あの聖ロヴロ教会の天井から顔を出していた方と同一人物かもしれない。

観光地だけに、ホテルも多いようだ。

スプリトへ帰着後、財布をなくしてしょぼくれる妻をホテルに残し、息子とホテル近くの海水浴場へとやってきた。

まだ水が冷たく、とりあえず足だけ水につけてみる。

岩場が多く砂浜はほとんどないが、わずかにある砂の部分で山をつくって遊ぶ。

水はまあまあきれいだが、植物のくずのようなものが多い。

たっぷり遊んだ後のアイスはさぞ美味であろう。

妻の気分も多少持ち直したようなので、夕飯を食べに再び町へ。途中、財布をなくしたと推測される地点を通りかかる。

夕食は港沿いにテラス席を設けていた「アドリアーナ」へ。近くにある同名のホテルの系列店のようだ。

息子はこの旅の間中、ずっとスパゲッティボロネーゼかフライドポテトを食べていた。

メインの魚料理が来る前に、息子用のフライドポテトが到着。少しもらうと、これがびっくり。これまでのフライドポテトとまったく味が違い、サツマイモかカボチャのような濃厚な甘さが際立っている。人生ナンバーワンポテトの称号を与えたい。

ポテトの味に感心しているところへ、メインのスズキのグリル（320クーナ）が来た。値段がかなりしたので、最初はもう少し安いメニューにしようとしたのだが、ウエイターさんに「それ（安いメニュー）は解凍品の魚だからおいしくない（そこまで言い切っていいのか？）。これなら捕れたて新鮮なのでおいしい」と言われ、少々迷いながらも変更したものだった。
結果的に、この選択は大成功だった。日本人なら誰もが知るとおり、やはり魚は新鮮さが第一だ。ふわっとした白身は食べると甘みがあふれ、オリーブオイルとレモン、パセリが味を引き立てる。ガイドブックに載っているような店ではないが、ここの魚が一番よかった。

夜のペリスティルでは音楽が演奏されていた。

音楽に合わせて踊る息子。

日が落ちるとライトアップが始まる。

銀の門から出て、旧市街に別れを告げた。
明日はドゥブロヴニクへ向かう。