2025/11/02 - 2025/11/04
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ペコちゃんさん
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二条城と三十三間堂の観光を終えて京都から名古屋に向かい、名古屋駅近くのホテルにチェックインし、三日目は犬山城の観光です。
犬山城は織田信長の叔父・織田信康(1544年没)が砦を城に改修して1537年に創建した平山城で、1617年に尾張藩の付家老・成瀬隼人が城主になってからは成瀬家が代々受け継いで明治に至りますが、明治4年(1871)に9代目・成瀬正肥の時に廃城となり、天守を除くほとんどの建物は取り壊されました。
その後、明治24年(1891)の濃尾地震で天守は大きな被害を受け、残っていた櫓等も倒壊したため、修復を条件に旧城主・成瀬家に無償譲渡され、成瀬家の手によって修復・保存が進められました。
平成16年に(財)犬山城白帝文庫が設立され、城の所有は個人から財団法人になりましたが、廃城の危機を乗り越え、個人の手で守り続けられた日本唯一の国宝天守が犬山城です。
一度訪れたかった念願が叶いました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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2日目の宿泊は、2018年にオープンした「ベッセルホテルカンパーナ名古屋」・・・名古屋駅から歩いて10分ほどの所にあります。
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エントランスを入ったら、スペインADDA交響楽団メンバーの大量のスーツケース・・・2018年創立のスペインADDA交響楽団は初来日で、11月5日に三重県文化会館で演奏会があり、ギターの村治佳織さんと「アランフェス協奏曲」を協演したそうです。
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室内は、ゆったりとしたセミダブルのツィンルーム。
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大浴場もあり、快適なホテルです。
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<3日目>
1階でホテル名物の「ごほうび朝ごはん」を。
朝食の定番メニューだけでなく、名古屋に来たら食べたいメニューがズラリ! -
名古屋定番のひつまぶし・みそかつ・小倉トースト・きしめん等々・・・まさに「ごほうび朝ごはん」です。
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ひつまぶしにマグロとろろ丼、味噌カツなど、朝から大満足! 大満腹!
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朝食後、名鉄犬山線で犬山駅へ。
犬山城までは徒歩で約20分ですが、コミュニティバスの「わん丸君」に乗ります。(1日券:200円) -
木曽川に架かる犬山橋と、その先の山の上に犬山城が見えてきました。
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「城前広場」で下車。
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広場に面して右に針綱神社、左に三光稲荷神社が鎮座しています。
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犬山城への近道でもある三光稲荷神社から犬山城 ⇒ 針綱神社の順に歩きましょう。
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三光稲荷神社の創建時期は不明ですが、かつては犬山城の南西にある三狐山(三光山)に鎮座して織田信康の保護を受け、江戸時代以降は犬山城主・成瀬氏の守護神とされ、明治初期の神仏分離により三光稲荷神社となって昭和39年に現在地に移転しました。
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手水舎。
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三光稲荷神社の拝殿。
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恋が叶う縁結び神社として評判の三光稲荷神社・・・狛狐の周りは、ピンクの縁結びのお祈り置物でいっぱいです。
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拝殿で参拝。
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拝殿の横に置かれた神輿・・・4月上旬の土・日に開催される三光稲荷神社の例祭は、大勢の人で賑わうようです。
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拝殿横にある「おもかる石」・・・願いを思いながら持ち上げ、軽く感じると願いが叶うんだとか・・・挑戦してみたところ、お~! 重っ!!
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銭洗稲荷神社の銭洗池・・・銭洗稲荷神社の御神水でお金を洗うと何倍にもなって返ってくるとか。
因みに、説明板に貼られた名刺は、倍返しの「半沢直樹」。 -
良縁を祈願するピンクのハートの絵馬が溢れています。
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本殿横の千本鳥居・・・朱の鳥居をくぐるのが犬山城への近道です。
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三光稲荷神社を出て大手道を進み、お城まではもう少し。
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標高85mの小高い山に築かれた犬山城・・・織田信長の叔父・織田信康(1544年没)が砦を城に改修して1537年に創建した平山城で、天正13年(1585~18年頃にかけてに建てられた天守は、国内に現存する天守の中では最も古いものです。
この地は中山道と木曽街道に通じ、木曽川を利用して様々な品物を交換し合うことや、政治・経済の重要な場所として戦国時代を通じて注目され、成瀬家の前には8人も城主が入れ替わっています。 -
当時の城郭図を見ると、多くの櫓や門がありましたが、明治の廃城令により殆どの建物は取り壊され、現存するのは天守・石垣・空堀だけです。
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これはジオラマで再現された黒門と、右上に道具櫓。
大手道の第3の門である「黒門」は、明治9年に23円で徳林寺(丹羽郡大口町)の山門として移築され、今は礎石だけが残っています。 -
黒門から本丸までは二の丸があった所で、岩坂門跡の石段を上り鉄門(くろがねもん)へ。
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本丸への正面入口である復元された鉄門で入城料を払い、いよいよ入城。
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濃尾地震による修理は明治32年(1899)に完成し、昭和2年には天皇が天守へ登られ、昭和10年には国宝に指定されました。
国宝5城(犬山城、松本城、姫路城、彦根城、松江城)のなかで、最も古いのが犬山城です。 -
天守の高さは約24m(うち、石垣の高さ:5m)・・・入母屋造り二階建ての屋根の上に望楼を乗せた望楼型で、地上三層四階、地下二階の構造で、その均等のとれた美しい姿から、復興天守や模擬天守のモデルになっているそうです。
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最上階の望楼部は、1620年に二重櫓の上に増築されたもので、唐破風を設けたことで美しい調和が生まれています。
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城の右横に「大杉様」と銘打った老木が奉られています。
築城の頃からあった老木で、天守(24m)と同じくらいの高さがあり、落雷や台風から城を守ってきた御神木でしたが、1965年頃に枯れてしまい現在の姿になったそうです。 -
正面の入り口は地下2階。
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天守台の石垣は野面積。
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地下2階の入口・・・イザという時に階段を上げれば、周囲は石垣で敵は上へ上がることは出来ません。
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地下1階から1階への階段・・・天守への階段はどこの城も急勾配で、高齢者にはかなりキツイです!
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天守1階の平面図・・・南東隅の付櫓だけでなく西北隅にも突出した部屋がある、変化に富んだ階です。
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入口の右上にある「付櫓」。
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西北隅に突出した「石落としの間」。
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1階の中央には、書院造りの「上段の間」・・・床間や違い棚などが設けられた12畳の畳敷きの部屋です。
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「武具の間」には犬山城の模型。
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これは、小牧山合戦で着用した鎧。
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2階の「武具の間」に飾られた国宝5城の写真・・・左に松江城と姫路城、右に彦根城と松本城 そして中央に犬山城。
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3階には天守南北に大きな唐破風・・・天守築城当時にはありませんでしたが、1618~75年にかけて成瀬家が装飾用に増築したと伝えられます。
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内部から見た唐破風の間・・・3階は屋根裏階ですが、破風内に突上窓を設けて外から自然の光を取り入れて階全体を明るくし、格子の間からは外がよく見えます。
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天守の最上階・4階には、成瀬家の歴代城主の肖像画が掲げられています。
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初代藩主の成瀬正成(1567~1625)・・・幼少の頃より小姓として徳川家康に仕え、1610年に尾張徳川家の祖・徳川義直の補佐役となり、その後、家康より乞われて附家老に任じられ、犬山城を与えられました。
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最後の城主・第12代の成瀬正俊・・・2004年に犬山城を(財)犬山城白帝文庫へ移管後、2008年に死去しました。
サラリーマンの経験もある俳人で、本も出版しています。 -
最上階の外側には廻縁と高欄がめぐり、廻縁は外側に向かって斜めになっており、雨が降った時に雨水が自然に屋根へ流れていくように工夫されています。
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縁側への出入口の両脇にある華頭窓が天守の格調を高めていますが、壁に貼り付けた飾り窓です。
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グルっと一周できる廻縁からの眺望が素晴らしい!
南面には鉄門と犬山市街・・・紅葉も綺麗です。 -
鉄門の先には城下町が整然と並び、遠くには名古屋駅周辺の高層ビルが見えます。
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西側には木曽川とライン大橋、その先には伊木山・・・木曽川の対岸は、岐阜県の各務原市です。
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北側は木曽川に架かる犬山橋。
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これは上空からの写真ですが、犬山城の別名は「白帝城」・・・木曽川沿いの丘上の姿が長江流域の白帝城の姿に似ていることから、江戸時代中期の儒学者・荻生徂徠(1666~1728)が命名しました。
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天守の見学を終えて、 黒門跡がある桐の丸の石垣から針綱神社に向かいます。
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針綱神社の拝殿。
当社の創建年は不明ですが、1000年以上も前から濃尾の総鎮守としてこの地にありました。 -
かつては犬山城の天守閣付近に鎮座していましたが、犬山城の築城に際して別の場所に遷座し、明治15年(1882)に現在の場所に再び遷座されました。
絢爛豪華な車山(やま)で有名な「犬山祭」は針綱神社の御例祭で、犬山の春の風物詩になっています。 -
針綱神社は古くから犬山城城主を始め多くの崇敬を集め、織田信康が安産・延命長寿を祈願し手彫りの犬を奉納した事から、安産・子授け・長寿に特にご利益があるといわれています。
拝殿右奥に信康が奉納した手彫りの犬(レプリカ)が飾られています。 -
三の鳥居。
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針綱神社には多くの境内社があります。
ここは太宰府天満宮を分霊した「針綱天満宮」。 -
二の鳥居。
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手水舎・・・手水鉢の裏側には「元禄(1688~1704)」の文字が刻まれています。
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大正8年建立の太鼓橋。
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一の鳥居・・・ここが針綱神社の正面入り口です。
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犬山城の築城に合わせて、もともとあった町を整備して造られた犬山城下町・・・現在も江戸時代と変わらない町割りがそのまま残り、江戸から昭和までの歴史的な建造物が立ち並びます。
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2019年にオープンした「犬山本丸スクエア」・・・この小道を入った所にあります。
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ここは数店舗が軒を連ねるグルメモール。
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昼食に「夢とろろ」が入った犬山うどんを・・・削り節にシイタケ・かまぼこ・ハートマーク・自然薯、そして左右のネギ・・・何だか犬山城に似ていませんか?
「夢とろろ」は、愛知県じねんじょ主産地協議会が商標登録している自然薯の品種で、粘りが強く、香り高いのが特徴・・・美味しく頂きました。 -
犬山城下町には見学できる武家屋敷や商家がありますが、バス時間の関係で今回はパス。
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城と城下町のガイダンス施設「城とまちミュージアム」に入ってみました。
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犬山城の歴史や成瀬氏についてパネルで紹介。
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犬山城と城下町を再現した巨大なジオラマ・・・現在も同じ町割りが残っています。
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細部まで作り込まれたジオラマ・・・昔の犬山城の姿や当時の人々の暮らしぶりが分かります。
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ジオラマの城下町部分は天保11年(1840)の犬山祭の様子を再現しています。
犬山祭の特徴は、針綱神社の氏子の町内から山車(やま)が出され、城下町を練り歩くというもので、現在も4月の第1土・日に行われます。 -
針綱神社の祭礼である犬山祭は、13輌の車山が城下町に繰り出し、笛や太鼓に合わせてからくり人形を披露します。
夜は各車山に365個もの提灯が灯され、満開の桜並木の城下町を練り歩く様は豪華絢爛で、まるで錦絵を見ているようだとか・・・見てみたいですね。 -
江戸時代末期の第9代犬山藩主・成瀬正肥(1836~1903)が、第1次長州出兵で持参した具足・・・陣羽織や兜などに成瀬家の家紋「丸に酢漿草(かたばみ)」があります。
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続いて「城とまちミュージアム」に隣接する「IMASEN 犬山からくりミュージアム」へ・・・ここは犬山祭で使用される山車からくりの古人形や、座敷からくりをはじめとした、からくり文化にまつわる様々な資料を展示しています。
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館内に入った左側にある玉屋庄兵衛の工房。
1700年代に名古屋で活躍した初代のからくり人形師・玉屋庄兵衛から数えて、現在は九代目・・・名古屋市内の自宅兼工房で各地の山車からくりの修復を行っていますが、金曜日と土曜日は当館でからくり人形の製作公開などを行っています。 -
からくり人形は、「茶運び人形」のような「座敷からくり人形」とお祭りの山車で披露される「山車からくり人形」がありますが、当館はその両方を一度に見ることができる日本で唯一のからくり人形ミュージアムです。
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これは浦島太郎のからくり。
最初は芝居の出し物に用いられていたからくりですが、1400年代に尾張地方(現・愛知県)の山車祭りで神様が宿る山鉾の代わりに「からくり人形」を山車(だし)に乗せられたのが始まりと言われ、以後、中部地方を中心に広まっていきました。 -
江戸時代になると、からくりの仕組みが高度になっていき、ただ左右に動くだけでなく、囃子に合わせて演技をする人形や次々と面相を変える人形、箱を抱えて手品を披露する人形まで登場するようになります。
これは「日蓮上人星下りの図」・・・日蓮上人が礼拝を終えると、天上の星が割れて天女が現れ、6本の乱杭を駆け上がり、最後に梅の木にぶら下がって巻物を開くと、そこの日月の文字が現れる、という安永3年(1774)のからくりです。 -
からくりと言えば高山を思い出しますが、犬山でからくりが有名になったのは、江戸時代末期に「からくり儀右衛門」と呼ばれた田中久重が、精巧なからくり人形や仕掛けを製作したことがきっかけです。
これは文政10年(1827)作られた「梅梢戯」・・・大小の唐子人形が梅の梢で遊び、倒立して太鼓を叩く離れからくり。 -
「二福神」・・・大黒が長い旅の末に見つけた宝袋(ほうてい)に福槌を振り下ろすと、中から宝船に乗った恵比寿が現れ、二福神は互いに喜びを表現して左右に動き、やがて神前に礼をして下がっていく、というからくりです。
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からくり人形には、戦国時代に初めて日本に持ち込まれた和時計の技術が応用されています。
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2009年に九代玉屋庄兵衛(1954~)が制作した「骨からくり 弓曳小早舟」。
弓曳童子は江戸時代後期に、後の東芝の創始者である田中久重により制作されたからくりで、その表情と動きの素晴らしさから江戸座敷からくりの最高峰と言われ、1998年に九代玉屋庄兵衛が完全復元しました。 -
これは、からくりの制作過程の説明パネル。
①カシラの制作 ②調整 ③人形台 ④木製カム ⑤胡粉 ⑥面相 ⑦髪入 ⑧金属調連器メカニズム -
弓を射るからくり。
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八代玉屋庄兵衛(1950~1995)作の「三番叟」・・・能楽や文楽でお馴染みの演目です。
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映像でからくり人形や犬山祭を紹介していたので、休憩を兼ねてお勉強。
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犬山祭では、13輌すべての車山(やま)にからくり人形が載せられ、人形は「上山(うわやま)」で演技を披露し、その下にある「中山(なかやま)」で操り手が操作しますが、見事な技の連続が観客に興奮と感動を与えます・・・一度、見てみたい!
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最後に犬山のお土産を・・・武家屋敷の門構えのような門をくぐると、中に綺麗な建物が・・・ここは「ココトモファーム 犬山城三之丸店」です。
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「ココでトモだちになろう」をテーマに、犬山のお米農家が作るグルテンフリーの米粉バウムクーヘンが絶品のお店「ココトモファーム」・・・店内は美味しい匂いで満たされています。
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試食のバームクーヘンを・・・米粉のバームクーヘンなので、モチモチした食感で美味しい!
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「わん丸君」で犬山駅に行き、名鉄特急で名古屋に向かい、新幹線で東京へ・・・法事を兼ねた3日間の秋の旅行でした。
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