2025年 世界遺産登録予定『西夏陵』、銀川の旅 ①セントレア→銀川まで

2025/03/28 - 2025/03/28

今回は3月末に3泊4日で、寧夏回族自治区の銀川を旅します。




2025年7月に開催の世界遺産委員会で登録予定の『西夏陵』を見に行くのが最大の目的です。東方のピラミッドとも称される西夏王国の9つの王陵や271基の王族墓を含む壮大な墓地群です。西夏王国はタングート族の李元昊が1038年に建国した王朝で、モンゴル帝国によって滅ぼされた1227年まで続きました。漢字を更に複雑にしたような独特な西夏文字を使用したり、独自の文化を持った国でした。そんな西夏王国の首都としても栄えた悠久の歴史を持つ都市が銀川です。



寧夏回族自治区と言ってすぐに分かる方は中国に詳しい方で、ほとんどの方は聞いたこともないと思います。回族とはイスラム教徒のことです。中国には省や直轄市と同レベルの行政単位である自治区が5つあります。新疆ウイグル自治区、チベット自治区、内モンゴル自治区、広西チワン族自治区、そして寧夏回族自治区です。 人口はおよそ730万人で、人口に占めるイスラム教徒の割合は約35%です。首府は銀川市で自治区のおよそ4割の約290万人が暮らしている大都市。寧夏回族自治区は銀川市を含む5市を管轄しています。

エリア 銀川(中国)

いつも同じことを言ってますが、セントレアは空いていてストレスフリーなのでおすすめです。特に夜はガラガラです。中国旅行好きとしてセントレア発のオススメ夜便は、中国東方航空の煙台＆太原線、西安線、中国南方航空の上海線、吉祥航空の南京線など。空港も機内も大抵は空いています。

昨年末に引き続き、中国東方航空MU2026便のセントレア→西安を利用しました。年末に搭乗した際は中国からのツアー客が多かった印象。10年前の春秋航空くらいカオスでしたw 個人ビザが下りるくらいの階層と、地方からの団体ツアー客はまだまだ差があるんだなと実感しました。

静かな制限エリア内で搭乗を待ちます。

今回は幸いにも団体ツアー客は乗っておらず、落ち着いた雰囲気でした。ただでさえ搭乗率3割程度なのに、前方に集中していて、後ろはガラガラ。オンラインチェックインで後方を指定して大正解でした。

ガラガラの機内。

今回の機内食はカツカレーです。機内用に煮詰めて水分をなるべく少なくしたルーになっています。正直、見た目はイマイチかもしれませんが、私好みのカレーで美味しかったです。セントレア発の機内食はセントレアのケータリング会社が調理してると思います。中国東方航空に乗る度に、日本人好みの味付けだなと感じたからです。今までハズレはありません。もし、詳しい方がいたら教えていただきたいです。

4時間半ほどで西安郊外の街並みが見えてきました。今回のCAさんはとても親切でした。外国人ということで、常に気にかけてくださり感謝です。搭乗率が低くて時間的な余裕があったのも理由でしょうが、中国東方航空の評価爆上がり。

今年の2月20日にオープンした西安咸陽国際空港の第５ターミナルに着きます。現在、国際線はすべてT5を利用します。

大きなパンダがお出迎え。

イミグレまで10分くらい歩いたでしょうか。明らかに便数に対して国際線エリアは広すぎる印象を受けました。正直、去年利用したT3の方が移動は楽です。

本日の国際線到着便がセントレアからのMU2026です。

広々とした手荷物受取場ですが、やはり持て余してる感じ。

西安のイミグレの人はフレンドリーで好印象。スムーズに中国入国完了。トランジットビザ免除で臨時入国した頃とは大違いですね。ビザ免除措置は今のところ2025年末までの暫定措置なので、延長を切に願います。

こちらが2月に開業したばかりの第5ターミナルです。

中国らしい雰囲気が味わえるターミナル。日本橋を再現した羽田空港T3のようなコンセプトでしょうか。

とにかく広いですが、飲食店はまだまだオープンしてない印象。特に国際線の制限エリア内はコンビニのような店も皆無なので注意。

翌朝、西安北駅から高速鉄道で寧夏回族自治区の首府銀川市へ向かうので、北駅近くのホテルにしました。澤海ホテル（西安高速鉄道北駅紅會醫院）です。タクシーで20分くらいだったでしょうか。なんだかんだで深夜0時近くになってしまいました。

ロビーはこんな感じで期待できそう。

広々していて綺麗です。これで一泊5,000円は当たりなのではないでしょうか。

ソファもありゆっくり寛げます。

ホテルから西安北駅は近い感じがしたんですが、徒歩で30分くらい掛かるみたい。素直にDiDiを使います。タクシーだと5分で10元でした。西安北駅も他の大都市駅同様に巨大でした。

2020年12月に銀西高速鉄道（Yinchuan-Xi'an High-speed Railway）、略して銀西高鉄が開通しました。コロナ禍でも高速鉄道の新規開業により路線網が飛躍的に広がっている中国恐るべし。西安北駅から銀川駅まで、全長617km、所要時間は約3時間半です。西安からも気軽に行けるようになったので、西安旅行のついでに銀川にもぜひ行って欲しいです。





银西（銀川-西安）高速铁路 2020/12開業　
20駅　最高速度250km

银兰（銀川-蘭州）高速铁路　2022/12開業　
12駅　最高速度250km

中国の鉄道チケットを購入する場合、Trip.comが便利です。日本にいながらにして簡単に購入できます。駅構内への入場時、入札時、出札時の3回は有人レーンでパスポートを提示する必要があります。パスポート対応の改札機もたまに見かけますが、まだまだ少ないですし、有ってもなぜか読み込めないこともあります。




そんな時に便利なのが中国の鉄道チケット購入アプリ『中国鉄路12306』です。駅構内へ入るのはどうしてもパスポートが必要ですが、入札時と出札時にはQRコードで改札機を通ることができます！！今回初めて使いましたが、非常に便利でした。

時刻表はTrip.comでも見ることができますが、最近仕様が変わって自分が乗る区間しか表示されません。『中国鉄路12306』は始発駅から終着駅まで確認できます。特に終着駅がわからないことは心理的不安になります。駅の電光掲示板を見て初めて、自分の乗る列車の行き先がわかります。列車番号さえ分かれば乗ることは問題ないですが、行き先くらいは事前に知っておきたいですよね。自分の行き先が終点だと思い込んでたら、途中駅だったみたいな経験のある人もいると思います。

予め乗車する車両型式が分かるのが嬉しいです。今回乗るのはCRH2G型。これについては後で簡単に説明します。商务座（ビジネスクラス）はなく、一等車と二等車のみ。

朝食を食べていないので、何にしようか迷っているとビャンビャン麺が目に入りました。西安名物で画数が一番多いことでも有名です。ツルッとした平麺で腰もあり絶品なんですが、そこまでお腹が空いてないので今回はパス。

西安のもう一つの名物、肉夹馍（Rou Jia Mo）。サクッとしたパイ生地に肉汁たっぷりの肉が入ってます。

というわけで、肉夹馍にしました。これは本当にハズレ無しなので、西安に来た際には試してみてください。

D4081 銀川行きに乗車します。

今回乗るCRH2Gは、我らが日本の川崎重工から技術供与を受けたCRH2の寒冷・乾燥地仕様の車両です。 外見はE2系を基にしたデザインから大きく変更されているので、見た感じはCRH2シリーズだとは思わないですね。蘭州、ウルムチ、西安の各鉄道局に配備されてます。



ちなみに、先月に吉林省で乗ったCRH5Gは、アルストム社から技術供与を受けたCRH5の寒冷•乾燥地仕様でした。

1等車はガラガラで、私含めて3人だけ。

しばらく走ると黄土高原の柔らかい地層に穴を掘った住居、ヤオトンがたくさん見えてきました。シンプルな穴は流石に使われていないでしょうが、入口部分を綺麗に装飾した立派なヤオトンは現在でも人が住んでます。

壁に装飾を施した立派なヤオトンも見かけます。これは現在でも利用されていて、実際に人が住んでいます。

黄砂に悩まされてる人には申し訳ないけど、普段見慣れない景色を車窓から眺めるのは楽しいです。いよいよ本格的な黄土高原の荒野へ突入。

銀川に近づくと平野になってきました。大量の風力発電が姿を現します。

3時間40分の長旅でしたが、ようやく寧夏回族自治区の銀川に到着。

中国の鉄道駅はどこも似た感じですが、銀川はどこかイスラム風でした。ホテルにチェックインしてから、西夏王陵へ向かいます。


(つづく)