50代のアイスランド一人旅 | 雄大な自然、それに尽きます

2022/09/16 - 2022/09/18

2022年9月と少し前ですが、英国に単身赴任していた頃の旅行記です。
9月のアイスランド、コートは要らないけど結構涼しくてさすがに北極圏だなあと。
短い滞在でしたが雄大な自然を満喫して、さらに北欧らしい物価の高さに驚愕した三日間でした。

エリア ゴールデンサークル周辺(アイスランド)

今回の旅先はアイスランド、二泊三日の旅です。出発はヒースローから。アイスランド航空初搭乗です。機体は国旗と同じ色使いですね。

ヒースローから三時間、結構揺れた。レイキャビクのケプラビーク空港では乗り継ぎ客が多くて入国審査に行く人はびっくりするほど少なくすぐに入国となりました。
9月なのに気温8℃、それなりに冷える。
市内まではただひたすら荒野。何もない。火山島だけあってゴツゴツした岩肌。植物は苔程度。冬の北欧や中国の華北地方でも針葉樹くらいはあったものだけど、ここまで「荒野」という風情なのは初めて見た。
ジューヌ・ヴェルヌの「地底旅行」で地の果てと描かれたいうのも頷けるなあ。

空港からレイキャビク市内までは50kmほど、バスで一時間。ホテルを伝えて近くでおろしてもらうパターン。
下車時に運転手のお兄さんにホテルへの行き方を聞いたら、かなり適当。「向こうの方向に行けばいいはずだから。えーと、何番目の交差点だっけ。でも大丈夫だよ」と。こちらもグーグルマップがあるから大丈夫だよ、と返すと「それがあるなら平気だよ」と笑顔で。まあこういったアバウトさも心地よい。

チェックイン後、夕方なので早めの晩御飯を食べようと市内散策開始。
小さい市街地、数十分歩けば全部回れるんじゃないかな。

かなりお腹空いてる、ということで街中をブラブラしながらレストランの店先にあるメニューを物色。どうも3000クローネ（3000円）以下でご飯は食べられないみたい。日本の倍以上だなあ。北欧は軒並み高いけど、ここはその中でもかなりのレベル。
島国アイスランドだし、ここはシーフードかなあと目についたシーフードレストランに入る。Fish of the Dayで3500クローネとメニューにあるので、そこに入ったら、それはランチの値段でディナーは5800クローネ（5800円）でした。

お魚料理の3点盛は、お通しもついて、どれも日本で食べるような最上クラスのクオリティでした。海外で食べた魚料理としては過去最高のお味。
とはいえ、いいお値段ですね。

ホテルへの帰り道、たしか市長公邸だったような。

夜になった。ホテルのフロントの方と話をしていて、予報によればもしかしたら今日オーロラ見れるかもというので、明かりの少ない海沿いに30分ほど歩く。
時刻は既に夜11時。30分ほどぼーっとしたけどそれっぽいものは見えず。
まあ、北極圏レイキャビクとはいえいつも見れるものではないようです。

2日目、今日はゴールデンサークルへのデイトリップ。ホテル経由で申し込んでおいたもの。
アイスランドは北海道と四国を合わせたくらいの広さ。このうちレイキャビクに近い西側の自然景観の豊かな数カ所を回るまさにお手軽な定番コース。ちなみに私が申し込んだのは14900クローネでした。
最近は自分で回れなさそうな時はホテルでツアー申し込みしてます。それが一番信頼できてリーズナブルなものとなる確率が高いように思うので。
ただ、自分で鉄道乗って回るのも楽しいし思い出深いことになることも多いので悩ましいですね。

ホテル近くのバス停でピックアップしてもらってスタート。参加者は13、4人。一人で参加しているのは自分以外にもう一人。まあ気楽。こういう時にぼっち気質は役に立つもの。

まずは50分ほど走って昨日と同じような荒野をひたすらに走っていく。荒野と荒々しい形状の山々、そして湖。まさにここは火山島。

最初の目的地はシングヴェトリル国立公園、世界遺産だ。ここは北米大陸プレートとユーラシア大陸プレートの境目に当たるところ。陸上でプレートの境目を見られるのは世界で2か所のみ。

シンクヴェトリル国立公園 国立公園

地の裂け目、ギャウを歩いていく

ところどころに豊かな湧き水が

こんなところも。

観光牧場に立ち寄って次に向かったのは、この旅行中最大の衝撃となったグトルファスの滝。「滝に行くならレインコートはマストハブ」というホテルの人の言葉はあったけどそこまでは不要でした。

グトルフォス 滝・河川・湖

さて、滝ですが、これがすごいの一言。この水量どこから来るの？滝壺の底が見えない。多分、人生で最も迫力のある景観ではないかと思う。そのくらいすごい、本当にすごい、ホントにこれを見るだけのためにアイスランドに来るべきと思う。

一体これは何？

滝のすぐ側まで降りることができます。そこまで行けば水飛沫がすごいです。

角度を変えて

階段を上がって上から滝を見る。

滝と逆方向を見るとはるか向こうに見えるのは氷河。あまりに桁違いの景色が続くので頭がバグってしまいそう。

次に向かったのはゲイシール間欠泉。
ここは火山活動の影響で間欠泉が10分毎に噴き出す場所。別府の地獄巡りのような感じかと思ったが、硫黄臭はさほどなく、結構あっさり。
まあフォトジェニックではあるんだろうけど、別府の地獄めぐりのようなものかな（笑）。

ゲイシール間欠泉 自然･景勝地

それでも間欠泉が噴き出すと気分も上がります。
この後、間欠泉の売店で食事休憩、ツナサンドとパックのヨーグルトドリンクで2680クローネ。アイスランドクローネは日本円とほぼ等価なので計算しなくてもいいのですが、それで食事代が安くなるわけではありません（泣）。

ゲイシール ビジターセンター その他の店舗

さて、軽食の後はトマト農園です。なぜアイスランドにトマト農園？この不毛の地で？
冷涼な気候に火山島ということで農業は殆ど成立しないアイスランドですが、近年は温室でトマト栽培が試験的に始まったらしく、振興の意味合いも込めて観光コースに組み入れられているそうです。こんなのも興味深くて面白いですね。

説明を聞いた後はそこに併設されたレストランで皆んな推奨されたトマトスープを楽しむのですが、私はチーズケーキをいただきました。1660クローネ、植木鉢の容器が可愛くて、他のツアー客の人の写真の対象になりました。

最後はケリオのクレーター跡。といっても隕石の衝突跡ではなくて火山の噴火口跡のようです。蔵王のお釜に近いかな。まあ、間欠泉もそうだけど日本も火山国なので理解できる。ふむふむと説明を聞く。

別角度。一周しようと思ったけど時間がなかったのかドライバーさんに追い立てられて10分程度で撤収。
これでレイキャビク市内に戻って17時半ごろツアー終了。結構移動距離があるので自分で移動するのは無理ですね。ツアーが一番。
ゴールデンサークルのツアーはたくさんあるでしょうけど行き先が微妙に違ってたりするのでよく見て選びましょう。

ホテルに戻る前に市内のランドマークであるハットルグリムス教会に立ち寄り。

ハットルグリムス教会 寺院・教会

教会の中

今日の夕食は看板の出てたラムスープ1990クローネ。

これがラムスープ。さほどラム臭くないので美味しくいただきました。でもまあさすがに足りなかったのでこのあとスーパーで少しお買い物。

レストランの中はこんな感じ。

夕暮れ間近のレイキャビク市内の繁華街。

3日目、最終日です。
昼過ぎのフライトなので行きそびれたところを回る程度。市役所横の公園で少し散歩。

別角度から。北ヨーロッパっぽい景色ですね。天気あまりよくない。この後、午後からは雨になりました。

さらに別角度から。

10時少し前に定住博物館に到着、入場料2500クローネ。すぐに見終わるかと思っていたら思いがけず内容は充実。バイキングの歴史から始まり丁寧に解説、アイスランドも相当に苦難の歴史だったようで、戦後の状況まで説明されていて、もはや「定住」だけではない立派な歴史博物館でした。
展示の仕方も練られていてガイドブックにはあまり出てきませんがおススメの博物館です。

展示内容その1

その2

その後レイキャビク市内からケプラビーク空港に移動してロンドンに戻りました。写真は空港の免税店です。

アイスランド、これでもかというくらい自然が雄大で豪快でワイルドな国。火山だ氷河だオーロラだ（見れなかったけど）、更に間欠泉に大陸プレートだと、まさに地の果てにふさわしいお国で、そのアレコレの全てが驚愕レベルでした。いやホント、大袈裟じゃなくて世界中にはまだまだ度肝を抜かれることって多くあるのですね。
更においしい魚料理、実はこれがかなりのサプライズ。海外で美味しい魚料理ってなかなか味わえないですよね。
勿論、物価の高さは日本は当然として、他の欧州諸国と比べても圧倒してます。でもまあ、北欧とかスイスは為替レートが間違ってるのかといつも思いますね。
そういえば、なんか火山に氷河と不思議とニュージーランドと雰囲気に似たところがありました。こんなとこまで来たんだーっていう地の果て感は確かに共通しますね。