2024大阪泉州、南河内地区だんじり祭り

2024/10/12 - 2024/10/13

秋になると大阪全域でだんじり祭りが
行なわれる。

だんじり祭りは９月の岸和田祭りが最
も有名だが、10月になると毎週土日と
なると泉州地域や河内地域ではどこか
でだんじり祭りが行われている。

だんじり祭りは18世紀に生まれた。

大阪市内の祭りを見た人物が岸和田藩
主に同じことをやりたいと申し出て許
可を得たのが始まりである。

そこから泉州一帯に広まって行った。

エリア 岸和田・貝塚(大阪)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 徒歩

だんじりは総欅造りで、高さ約3メート
ル、重さ約4トン。

近くによると欅の香りが漂ってくる。

これを町内の幼い子どもから20代の若者
が引っ張る。

かじ取りは後ろ梃子（うしろてこ）と呼
ばれる後ろに付いてある梃子で行う。

前に立てかけてある2本の棒は前梃子と
呼び、かじ取りやブレーキとして使われる。

表面には精緻な彫刻が施されている。

これらはおそらく龍や架空の動物だろう。

台湾の寺院に負けず劣らずの細かさだ。

下半分の４面には合戦の彫刻が彫られている。

それぞれのだんじりの彫刻にタイトルが
付けられていて、これは「高松城水攻め」
のタイトルが付いていた。

ほかには大坂の陣、関ケ原の合戦、源平
合戦など、有名な合戦のシーンが彫られ
ている。

10月の第１週目の土日は堺市で行われて
いた。

ＪＲ阪和線鳳駅周辺が有名だが、泉北高
速鉄道深井駅周辺のを見に行った。

堺市教育文化センターの広場に３台のだ
んじりが休憩していた。

休憩を終えただんじりが走り出した。

綱は20メートルくらいだろうか。小さな
町なのか引き子は少ないようだ。

12日と13日。こちらは泉大津市。

走りながら曲がり角を曲がるちょっと難
しいことをやる寸前。

勢いがつきすぎると横転するし、曲がり
すぎると電柱に体当たりしてしまう。

スピードやタイミングが難しいのだ。

こちらは泉大津市の南海電鉄線側の
夜のだんじり。

東側のだんじりとは形が違っていて、
いくぶん小さく、大阪市内や河内長野
のだんじりに近い。

これが後ろ側。

岸和田型のよりも彫刻が細かい。

10月13日。大阪府岸和田市八田
（はった）町矢代寸（やしろぎ）神社。

503年に鎮座したものすごく古い神社
である。ちなみにこの年は継体天皇が
即位した年でもある。

ここには５台のだんじりが集まり、神
主や神輿と共に昔もう一座あった神須
屋（こうずや）町の公園まで練り歩く。

本殿の前にお神輿が置かれている。

宮入りは7時で、すでに４台のだんじ
りが揃っていた。

しかし、お膝下の八田町のだんじりが
ない。

ネットで調べると早朝の曳行で電柱に
ぶつかり、屋根が損傷したらしい。

午前中に応急処理して、直してから宮
入するようだ。

９時を過ぎて神主、巫女さんを先頭に、
各町の有力者が出てきた。

これからこの神社に合祀される前まで
一座置かれていた神須屋町の神社跡地
まで向かう。

神主がうつむいたままぶつぶつと何かを唱
えている。祝詞だろうか。

続いて神輿が出てきた。

担ぎ手は各町持ち回り。

今年は極楽寺町の男たちが担いでいた。

街道に行列が出てきた。

神主、巫女、神輿に続いて４台のだんじ
りがゆっくり進んでくる。

交通は遮断され、沿道には見物人が出て
来ていた。

見物人も皆笑顔だった。

神輿が仏壇店の前でごあいさつ。

ここに制作を発注したのだろうか。

角の手前でを神輿差し上げて角を曲がっ
て行った。

背中に「極」の文字があるが、別にヤー
さんの集団ということではない。

極楽寺町の人たちである。

昔、矢代寸神社がもう一座あった場所に
神輿を据え、神主がお祈りをする。

だんじりたちは各町へ戻って行った。

矢代寸神社の宮入はいつ見ても厳かな宗
教儀式という感じで、日本人なら誰しも
感動するものがある。

ＪＲ阪和線の東岸和田駅まで戻る途中、
土生（はぶ）神社の前にくると、ここで
も土生町のだんじりが宮入をしていた。

東岸和田駅に着いたものの、ＪＲ阪和線
は信号機トラブルで運転見合わせ中だった。

駅前は午後からのだんじりパレードのた
め交通は遮断され、タクシーはいない。

運転再開見込みは未定ということで、駅
前のルートインホテルズに泊まっていた
外国人旅行者たちは遠くの南海岸和田駅
までカートを引き摺って歩いて行った。

一緒に南海岸和田駅まで歩くことを考え
たが、どうせならパレードも見て帰ろうと
13時まで時間をつぶした。

パレードは駅周辺の11町が参加して行わ
れる。

神須屋町のやり回し。

見事成功！

小さな町で、引き子も少ないけどがん
ばってます。

だんじりのうしろには大勢の主婦（？）
たちが続く。

多分引き子の子どもたちがけがした時にの
ために後をついているのだろう。

この阿間河瀧町はここに集まる町の中で
最も遠いところにある。

片道４キロはある場所からだんじりを引
っ張って来るのだ。

行きは下りだからまだいいが、帰りは上
りとなる。大変である。

10月20日、大阪府富田林市美具久留御
魂神社（みぐくるみたまじんじゃ）。

いかにも古そうな名前の神社である。

近鉄河内長野線の喜志駅近くにある。

どうでもいいけど高校野球で勇名を馳せ
たＰＬ学園の最寄り駅でもある。

このあたりは南河内と呼ばれ、ガラのあ
まりよろしくない輩さんたちが多い場所
ということになっている。もっとも、自
分が住んでいるところも河内のことを言
える資格はないが。

さっそくそのての人たちとすれ違った。

けれどもちゃんと道を開けてくれた。
いい人たちだ。

ここには11台のだんじりが揃うことになっ
ているようだが、既に何台かのだんじりが
来ていた。

岸和田型のだんじりとは形がかなり違う。

背が高く、前後がギュッと詰まって短い。

彫り物もかなりゴテゴテした感じ。

こちらは子ども用のだんじりのようだ。

後ろに幼稚園ののぼりがあった。

別の町のだんじりが入って来た。

綱はかなり短く、前後左右にいる男たち
が動かしているようだ。

神社の本殿に向かい、ここで芝居を演じて
いるらしいのだが、こちらからはわからない。

宮入りを終え、出ていくだんじり。

軽量なのか、引き子はいなかった。

前では派手な色に髪を染めた女の子たち
が掛け声をかけている。

また１台だんじりが入って来た。

ハンドマイクでずっと演歌を歌っている。
聴いたこともない歌だった。

こうやって入れ代わり立ち代わりだんじり
が宮入にやって来るようだ。

泉州以外のだんじり祭りを見るのは初めて
だが、いろいろ違った面があって面白い。

だんじりまつりというと、９月に行われる
岸和田での人様の軒先に突っ込むような派
手な面だけがクローズアップされてしまう
が、実は秋の収穫を祝うれっきとした宗教
行事である。

農村地帯はどんどん減っているが、大阪の
一部では今もこの祭りを守るために一年を
過ごしているような人たちがいる。

祭りの２日間は高揚感に包まれ、終わると急
に寂しさを感じ、そしてまた来年のために日
々を生き続けるのである。