2024/09/07 - 2024/09/07
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SamShinobuさん
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今年7月にここで企画展「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」を観た。
パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の所蔵品の共通点を探りトリオで展示するというユニークな発想が面白かった。3館の学芸員による共同キュレーションだそうだが、それぞれのキュレーターが想像力をフル回転させ、アイデアをぶつけ合いながらトリオを組んでいく姿が目に浮かぶようだった。
それはそれで十分楽しめたのだが、実は一番楽しみにしていたのはコレクション展の「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」(アンリ・ルソー)だった。ところがその時は展示されておらず、推しに会えなくてがっかりだった。
そこで今日はコレクション展に展示されていることを確認した上で、改めてルソーに会いに行った。
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東京国立近代美術館(MOMAT)のミュージアムショップ
東近美(とうきんび)と呼ばれる日本で最初の国立美術館。1952年に京橋に開館し、1969年に現在の竹橋に移転した。
1Fが企画展示室、2~4Fがコレクション展示室(展示替えは年3~4回)。
コレクション展示室の4Fにはハイライトコーナーと眺めの良い部屋があり、3Fが戦前~1960年代の展示、2Fは1970年以降の現代アートとなっている。
常設展が500円というのは、国立西洋美術館同様驚くべき安さ。さすが国立だけある。 -
イサム・ノグチの「門」(1969年)。イサム・ノグチと言えば、僕にとっては山口淑子(李香蘭)の最初の夫というイメージが先行するが、世界的な彫刻家であることは言うまでもない。
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コレクション展示室
「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」(1905−1906)
やっと会えて嬉しいゾ!
この絵好きすぎて、家の玄関にアートパネルを飾っているほどだ。アンリ・ルソーの絵はどれも愛おしく感じられるが、特にこれはルソーの素直な気持ちがじわじわ伝わってきて思わずニヤけてしまう。観れば観るほど実に楽しい絵だ。
アンデパンダン展とは、スーラやシニャックらが権威あるフランス芸術アカデミーに対抗して立ち上げた、誰でも参加できる展覧会だ。絵の下手なルソーは芸術アカデミーのサロンには間違っても入選しないので、無審査のアンデパンダン展に出品した。すると当時の新聞にルソーの記事が載ったのだ。しかしその内容は「ルソーの絵の前では涙を流して笑わぬ者はいなかった」とディスりまくり。でも天然ルソーは意に介さず、新聞に載ったぞ!と大喜び。ルソー、いいねえ。それからルソーはアンデパンダン展の常連となって、毎回みんなに大笑いされることになる。
この長いタイトルの作品は、アンデパンダン展の常連になったルソーが、誰も頼んでいないのに勝手にアンデパンダン展を宣伝する内容を描いたものだ。ライオンみたいな謎の生物の前の銘板に、こんな有名な画家も参加していますとばかりに、スーラ、シニャック、ピサロの名前を描いている。それどころか、よく見るとちゃっかり自分の名前まで入れている。それに真ん中ではルソー本人がアンデパンダンの会長と握手している。ルソー何様?と、第22回アンデパンダン展に出品したこの絵も大爆笑をかっさらった。もちろん本人はウケ狙いのつもりは微塵もなく、いたって大真面目。自分を大画家と信じて疑わないルソーは、この後も我が道を突き進んで行く。
愛おしいでしょ、ルソー。ルソーが凄いのは、全ての作品が突っ込みどころ満載という点。
そんなルソーを初めて認めたのは、ピカソだった。「どうやったらあんな子供みたいな絵が描けるんだ!」と嫉妬したらしい。いや、ピカソさん、子供みたいなじゃなくて、ルソーは子供だったのです。だって自分にとって大事なものは遠近法を無視して、大っきく描いちゃう。好きな飛行船、気球、エッフェル塔、国旗はとりあえず描いとく。葉っぱを描くのが楽しくてしょうがない。そんなお子様ルソーはやっぱり愛おしい。
そして亡くなった後に評価がバク上がり、今や素朴派の巨匠と称えられている。多分本人はあの世で「巨匠?当たり前だよ。私は昔から大画家さ」と至極当然という顔をしているだろう。 -
アンデパンダンの会長(左側)と握手するルソー(右側)、何様?
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有名画家たちの中にちゃっかり自分の名前も書いちゃうルソー。
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謎の動物(ライオンのつもり?)
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とにかく葉っぱを描くのは大好き。
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女神のヘタウマ感がたまらん。それに髪とドレスの流れが逆だけど?
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セザンヌ「大きな花束」
2014年に1,780万ドルで購入したセザンヌの名作。当時のレートで18億円超。 -
この作品、誰かが車を運転している人を横から描いていると言っていたが、それを聞いて以来、そうとしか見えなくなってしまって困っている。
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藤田嗣治(レオナール・フジタ)1886-1968
「血戦ガダルカナル」
東京国立近代美術館は藤田の戦争画を多数所蔵しているが、今回はその中から2点展示されていた。所蔵されている藤田の戦争画はどの作品も米国からの無期限貸与となっている。終戦後GHQに接収され一度はアメリカのものとなったので、簡単に返しますとは言えないのかな。
フランスでは淡い肌の裸婦像を多く描いていた藤田だが、その作風とは大きくかけ離れていて驚く。ドラクロワやルネサンスの巨匠が描いたような戦争画をやってみたかったのかもしれない。 -
藤田嗣治は東京生まれで、東京美術学校(現東京藝術大学)卒業。先生は黒田清輝だった。黒田はパリで流行の印象派を日本に持ってきた(紫派)ので、生徒に「黒い絵の具は使うな」と教えるが、藤田は反抗して黒を多用。黒田にこれは悪い例だと叱られる。
若くしてパリに渡った藤田はすぐにピカソを訪ねる。そこでキュビスムと出会って衝撃を受け、その夜藤田は黒田からもらった絵の具箱を床に叩きつけたという。世界の絵画はこんなにも進んでいるのに、日本はなんて遅れているんだと憤慨したのだろう。
そして藤田はピカソ、モディリアーニ、マティスらと親交を深め、たちまちフランスでの評価は上がり売れっ子画家になる。しかし日本ではやっかみもあってか、あるいは日本画壇のトップに君臨する黒田に逆らったからか、日本の評論家には酷評され続けた。 -
藤田嗣治(レオナール・フジタ)1886-1968
「ソロモン海域に於ける米兵の末路」
第二次世界大戦時、たまたま日本にいた藤田は戦争画を依頼され、お国のためと頑張って10枚以上の戦争画を描く。特に「アッツ島玉砕」は、日本兵の絶望的な状況下での死闘を描き、その絵の前では泣きながら祈る人が絶えなかったという。こうして藤田はようやく日本での高い評価を得ることができた。
しかし終戦後一転して「戦争を礼賛して戦意を盛り立てた」と、戦犯扱いされて叩かれることになる。藤田は失意の中フランスに戻り、二度と日本には戻らなかった。藤田は後に「私が日本を捨てたのではない。日本に捨てられたのだ」と言ったそうだ。そりゃそうなるわな。
ちなみに、ジェラール・フィリップがモディリアーニを演じた「モンパルナスの灯」(1958)では、モディリアーニと親交があった藤田嗣治が撮影現場に呼ばれて、ジェラール・フィリップに演技指導をした。その甲斐あってか、映画史に残る哀愁漂う名作になった。 -
「高峰秀子嬢」
梅原龍三郎 1950
高峰秀子氏寄贈
高峰秀子(1924–2010)は「カルメン故郷に帰る」(1951年) 、 「二十四の瞳」(1954年)などに主演した大スター。梅原龍三郎が肖像画を描いていたんだ。
写実的ではないけど、特徴をよく捉えてるんだよなあ。 -
「女優」
橋本明治 1967
当時東宝の清純派女優だった司葉子。洗練された女性モデルを探していた橋本明治に、小津安二郎監督が紹介したとキャプションに書いてあった。 -
休憩所の「眺めのよい部屋」
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「眺めのよい部屋」からの眺め。
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「独活」
北脇昇 1937
うどと読む。うどを擬人化しているのが面白い。 -
「女(B)」
芥川(間所)紗織 1955 -
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ミュージアムショップ
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ここは1969年にブリジストン創設者の石橋正二郎氏により寄付という形で建てられた。石橋氏はブリジストン美術館(現アーティゾン美術館)の創設者だ。凄いな、石橋さん。日本の美術界にどんだけ貢献してるんだろう。
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明治神宮で長男と待ち合わせ。これから一緒にチャイナフェスティバルに行くことになっている。
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チャイナフェスティバル2024
2019年の第3回と2023年の第5回チャイナフェスティバルにお邪魔している。毎回、日中の政治的な意図は多少見え隠れするものの、政治の思惑など関係ない両国の現場スタッフがフェスを盛り上げようと協力する姿には心を打たれた。今度で6回目の開催となる。民間の交流が目的だという本来の主旨には賛同できるので、中共の陷穽には注意を払いつつ今回も懐かしい中国を楽しませてもらおう。 -
変面ショー
お決まりの曲♪ビエンミェン~♪に乗ってお面が瞬時に変わる見世物が楽しい。 -
スマホでここの気温を見たら34℃。あちいー。
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いい匂いが漂ってくる。
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とりあえずビールを飲もう。
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楊家将
ここで青島ビールを購入。中国のお姉さんが羊肉串を勧めてくる。ビールと串で両手が塞がっちゃうと言うと、店の裏のテーブルを使ってもいいですよと嬉しい提案。 -
北京を思い出す。
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店の裏のプライベートスペース
ちょうど日陰になっていて気持ちいい。同席の中国人家族に頼まれて写真を撮ってあげたりしながら、中国語を聞くと懐かしさが込み上げてきた。 -
クミンが効いていて旨い。
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「お代わりいいですか?」と聞かれ、レモンサワーをお願いする。
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東北風黒酢酢豚
甘酸っぱい特製ソースが絶妙。 -
小籠包
肉汁もたっぷりで美味しかった。
キャッシュオンなのに、お姉さん、忙しくてお金を受け取るヒマがない。帰り際に「支払いまだだよ」と言うと、「忘れてた~」とおおらかに笑ってた。
聞けば、「楊家将」は横浜馬車道にある中国東北料理店とのこと。美味しかったので今度食べに行ってみよう。 -
ステージでは圏九さんのライブが始まった。
アニソンが得意らしく、映画「君の名は。」の主題歌「なんでもないや」(RADWIMPS)は殊のほか上手かった。また、テレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」がおじさんの心に刺さる。前半は日本語だったが後半は中国語に変えての歌唱が沁みまくった。 -
二胡弾きの桐子さんと。
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中国笛の演奏をバックにお茶を淹れてくれる。
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LCC航空会社「スプリング・ジャパン」のブース。何度か乗ったことがあるので懐かしいなあ。Xをフォローしてるよというと、特製ボールペンをくれた。
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ここで白酒の試飲。
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ここで中国山東省のワインの試飲。
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柚醋の試飲。サッパリして美味しかった。
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上野動物園と和歌山のアドベンチャーワールドのコラボらしい。
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今年も暑い中スタッフの皆さんご苦労さまでした。あ~楽しかった!
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金春湯
銀座で飲む時のルーチン、烏森神社にお参りしてからの金春湯。 -
1863年創業の江戸時代から続く銭湯で、たっぷりかいた汗を流そう。
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あー気持ちよかった。
風呂上がり、手ぬぐいを首に掛けて銀座を歩く笑。 -
GINZA SIX
中央吹き抜けに展示されているヤノベケンジのインスタレーションを観よう。 -
「SHIP'S CAT」シリーズの最新作「BIG CAT BANG」は岡本太郎の太陽の塔とのコラボ。
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月のはなれ
風呂上がりの最初のビールはここ。 -
長い階段を頑張って上がるとオアシスが待っている。
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今日の演奏は北村真紀さん。開口一番「今日もお風呂入って来たんですか」と聞かれる笑。
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喉カッラカラだったのでビールで生き返った。
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開催中の壁面アートは亀山和明氏の作品だった。
先日K.Itoyaでの個展にお邪魔したばかり。銀座でこんな綺麗な海が見られるとは何たる贅沢。 -
ビアライゼ ’98 (BIER REISE 98)
店を変えて、今度はアサヒ生ビールマルエフを飲もう。 -
1987年にアサヒスーパードライが登場すると、そのキレのある辛口ビールは爆発的な売上を記録した。僕もしばらくはスーパードライ派だった。今思えばあの刺激はまさにバブル時代にマッチしたテイストだったんじゃないかな。その影でアサヒ生ビールの主流だったマルエフは、1993年に飲食店での樽生を残して瓶缶ともに販売終了となった。
ビアライゼ ’98は1998年開業時からマルエフにこだわっていたそうだ。当時東京でマルエフが飲めるのは、神保町の「ランチョン」しか僕は知らなかった。そんな幻のビールと言われたマルエフだが、2021年に復活すると予想外の大ヒットとなる。アルコール度数5%のスーパードライに比べて、4.5%のマルエフはカドがないまろやかな旨みが特徴で、なんとなく今の時代に合ったのかもしれない。今ではどこでもマルエフが飲めるようになったが、それでも本当に美味しいマルエフが飲めるのはランチョンとここだ。その理由は長年マルエフを注ぎ倒してきた注ぎ手名人がいるからに他ならない。 -
近年はクラフトビールがブームで多種多様な味が楽しめるが、一周回ってオーソドックスなビールが実は一番旨いことに気付いた。
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ビール仕込み きゅうりのみそ漬け 473円。旨い。
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ブラウンソースメンチカツ 1,078円。
ここのメンチカツは絶品。ビールに合う~! -
チョリソー(3本) 561円。
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立ち呑 こひなた
新橋駅前ビル2号館地下で昼から開いてる立ち飲み屋。つまみは基本オール200円。1996年創業。
つい立ち寄ってしまう不思議な魅力のある店だ。 -
ウーロンハイ350円。いつものベトナムのお姉さんが、サービスのつもりか後から焼酎を継ぎ足してくれた。濃い!
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ベトナム春巻き200円。
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オムソバ200円。
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今日も亦コロッケ200円。
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BAR ICHIKA
土日は行きつけがかなり閉まっているので、新規開拓しようと新橋駅前ビル1号館に移動。
BAR ICHIKAへ。初訪店。 -
ニッカを飲むのが日課ですとオヤジギャグを言いながら、ニッカ カフェグレーンの水割りをもらう。
あ~今日もよく飲んだ。お疲れ様でした。
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