New Zealand 旅日記　　　　　　　　　　　北島・南島５０００ｋｍドライブ（10）

2001/10/20 - 2001/10/21

ニュージランド西海岸をドライブし、
ホッククス、フランツヨーゼフ両氷河を見学。
難所と言われたアーサーズ峠を越え、
アーサーズ峠でニュージーランドドライブ最終日を過ごす。

エリア アーサーズ・パス国立公園周辺(ニュージーランド)

Wanaka - Fox, Franz Josef Glacier
10月20日、走行距離:301Km, 通算4654Km
今日はいよいよ西海岸に出てタスマン海に沿って北上する。

Wanaka からタスマン海に面した西海岸に出る。
森林地帯が多くなり、川がいたるところで滝になる。
Wanaka から6号線を Haewa 湖、Wanaka 湖をみながら進むと
やがて森林地帯になり Wanaka 湖に注ぐ Makaraora 川に沿って
坂道を上ると Hasst 峠。
ここから川は反対に西海岸に向かって流れている。
国道は深い谷の底を走る様になり、途中幾つもの滝がかかっている。

国道はやがて平野部に入る。
ここは Hasst 村。白い波頭を上げ、青く澄んだタスマン海が見える。
広い草原に一軒ポツンとインフォーメーション・センターがある。
昼になったけれど食事をする所がない。
仕方がないので道路脇に車を止め、
放牧している鹿を眺めながら、買い置きの果物を食べた。
西海岸は本当に人が少なく、集落も疎らで、
ドライブインらしきものがない。
一軒あったがシーズン・オフの為か閉まっていた。
国道は亜熱帯の様なシダ類が生い茂る手つかずの森の中を走る。
一般の車も観光バスもほとんど見掛けない。

Fox 氷河
2時前に Fox Glacier に着いた。
案内板に従い国道を右折し谷間に入って行く。
ところが一転にわかに曇り、土砂降りの雨になった。
氷河見物入り口の駐車場についた頃は更に雨が激しくなり、
しばらく車の中で小降りになるのを待った。
一部の観光客は諦めて引き返している。
やがて、小降りになったのでウインドブレーカーを着て、
傘を差して出発。
案内版は往復5分と書いてあったが、
実際は岩のごつごつした歩きにくい山道を20分以上も歩かされた。
この原因は氷河が後退したためだろう。
雨の中をふーふーいいながら20分歩いた甲斐があった。
小山を登り切るとそこには雨に煙った巨大な氷河があった。
蒼白く輝く氷河に何とも言えない偉大な自然の力を感じた。
雨に煙る氷河をしばらく眺めてた。

Fox 氷河（絵葉書）
とFranz josef 氷河は世界でも珍しい双子の氷河として人気がある。

Terrace Motel
Franz Josef Glacier 町まで行く。
5Km足らず。
この町は国道に沿って商店が建ち並び、
周辺部にモーテルなどの宿泊施設がある。
宿に着いた頃には天候も回復してと言うよりは
Fox 氷河付近のみ雨が降っていたのではないだろうか。
町のメインストリートである国道から少し入ったところに
今夜の宿、テラス・モーテルがある。
宿のモーテルは平屋造りで部屋の入り口に車を横付け出来,
荷物運びが楽だった。
部屋はこざっぱりと綺麗で、
２ベッドルーム、ダイニングルーム、キッチン付きと広く快適。
いつものように衣類を洗濯。

村のレストラン、でスモークサーモン、パスタ、ワインで夕食。
味、雰囲気ともに申し分ない。
夜の8時頃はまだ明るく、レストランから歩いて宿に戻る。
あすは結天気になるであろう。
冠雪した岩山の鋭い稜線は夕日に映え茜色に輝いていた。
我々の宿がる一帯はB&B, モーテルがたくさんある。
途中で見かけたB＆Bに大勢の若者が宿泊していた。
看板を見ると、部屋代50ドル（２５００￥）
宿に戻るといつの間にか、どの部屋も灯りがついていた。
今夜は満室のようだ。

Franz Josef Glacier-Arthur's Pass
10月21日、走行距離:248Km, 通算4902Km
昨晩の激しい雨は明け方に止み、今朝は晴れ。
朝から遊覧飛行用のヘリコプターが飛び、
そのエンジン音が町全体に響き渡っている。
昨日割愛した Franz Josef Glacier の見物に行く。
この氷河は駐車場から山を少し登った所で見られる。

Franz Josefe 氷河（絵葉書）

双頭の岩山の谷間から流れ出る巨大な氷河は日に映え一層白く
そして青く輝いていた。

Franz Josef から6号線を更に北上。
このあたりも山が海岸線まで迫り、
手つかずの原始の森が続いていた。
昼近くこのあたりでは珍しい大きな町、Hokitikaに入る。
トイレ休憩を兼ね町を散策。
このまちにも教会と監獄があり当時の状態をよく保存されていた。
ここはロスという町.金鉱掘りで栄えた。

ここの監獄は簡単なもので、
アロータウンのような堅固な監獄ではない。
牢獄の中に囚人の人形がいた。
かれは何時釈放されるのか分からないその日を待っている。

ロスから３０ｋｍほど先にこの辺りでは
珍しい大きな町、ホキティカがある。
ここは木材の積み出し港として開けたところ。
この町にはニュージーランド特産の
グリーンストーン、翡翠の加工工場があり、展示即売をしていた。
メインストリート沿いにあるレストランで
簡単な昼食済ませ、更に北上。

国道は鉄道路線と並行して走っていたが、
ホキティカから５ｋｍ程の処で線路が道路上を走り、
線路と道路が一緒の橋に来た。
道路幅より狭い狭い橋で、橋いっぱいに敷設された線路。
橋を渡る途中に列車が来たらどうするのか。
待機する場所がない。
日本のように交通量が多いところでは考えられない。

Greymouth 手前の Kumara Junction で右折して73号線に入り、
今回の旅行で最大の難所と言われる Arthur's Pass 越えになる。
広い走りやすい国道は平野部からやがて山道にさしかかる。
道は曲がりくねり、じりじりと上って行く。
所々で新たに橋が架かり、カーブも緩やかだ。
心配していた危険な個所が無く、
あっけなくアーサーズ峠を越え、Arthur's Pass の町に入った。

出発前に調べたガイドブックには
「道路は狭く、急こう配の山岳道路」とあったので心配していた。
出発前にモーテルのオーナーに尋ねたら
「心配ない」といとも簡単に言ったが半信半疑であった。

町は谷間の国道に沿って数軒の商店、宿泊施設がある。
今夜の宿はホテルシャーレ。
山荘風のしっかりした建物で一階はレストラン、
2階が宿泊施設になっている。
部屋は少し狭いが広いバス・トイレ付きのデラックスタイプ。
人気のない、閑散とした町に出る。

町はずれに Christchurch と Greymouth 間を結ぶ
鉄道の Arthur's Pass 駅がある。
この路線は観光ルートとして人気があり
一日一往復のトランツ・アルパイン号が走る。

駅に何人かの人がいる。
時刻表を見るとこれから Greymouth から
Christchurch 行きの列車が来る。
列車が来た。
乗客はかなり乗っている。Arthur's Pass 駅で停車。
数分の停車時間を利用して乗客は駅に降り、
写真を撮ったりして、一時を過ごし、また列車に乗り込み、
Christchurch に向けて出発。

The Chalets Motel ホテル

我々はこの列車を見送った。
つかの間の賑わいで、またもとの山間の静けさに戻った。

今夜は今回のドライブ旅行の最後の夜になるので
宿のレストランでちょっと贅沢な夕食をする。

夕食の準備が出来るまで休息。
宿のダイニングルームの大きな暖炉火が入る。
煙る薪の火を眺める。心が癒される。

予約しておいた窓側の席に着き、
ワインで乾杯しステーキを注文した。
ステーキは柔らかく美味しかった。

明日はいよいよChristchurch。