日本III　拝啓、ラフカディオ・ハーン様1　蒲田ー岡山

2023/03/03 - 2023/03/06

４年半ぶりの日本旅行記です。コロナ禍やウクライナ戦争を経て世界が変わってしまった中で自身も年を取って適応力が鈍くなったのを実感しながら旅立ちました。

ブリュッセルからフランクフルトを経て羽田に到着し、初日は蒲田泊、翌日は神戸で友人一家と会い、姫路に宿泊。更に岡山で乗り換えて松江に向かうという日程です。

方々で日本の良さを実感する一方、疑問を持つことも多くなりました。最大の失態はジャパン・レールパスの紛失。それでもJRの職員の方々に助けていただきました。

本旅行記のオープニングは2019年のラグビー・ワールドカップ。米津玄師の半音がたまらなく好きです。実況がニュージーランド英語というのが気になります。で、ラフカーディオ・ハーンとどんな関係があるのかと思われるでしょうが、あるんです！！私の中で連綿と。

https://www.youtube.com/watch?v=fjF12FPvK4g

エリア 蒲田(東京)

• 旅行の満足度: 4.0
• ホテル: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 旅行の手配内容: 個別手配

9時のフライト。拙宅からザヴェンタム空港まで20分とは言え今回はさすがにノンアルコールでスタートです。ただでさえ緊張する訪日。ましてや4年半ぶりなので、Suicaを忘れたことにようやく気が付きました。

決して好きではないフランクフルト空港での乗り換え。でも、ヴァイツェンビールに罪はありません。フランツィスカーナーはむしろ聖なる（？）ビールです。

やはり全く好感の持てないルフトハンザに乗り込みます。何しろ燃料費が高騰する中一番安かったのです。いつもより30分強増しのフライト。最短ルートのロシア上空を飛べないのはプー◯ンの独り妄想戦争のせいだ。

羽田空港ではコロナ検疫に配置されたスタッフの多さにびっくり。その多くが外国人。ウワバミは手際の良さに感心していました。

ヨーロッパから東京への便の到着時間は大方午前10時。時差は8時間なので夜中の2時に着くことになります。大概のホテルは午後3時チェックイン開始なので、昼食後はアルコールなしでも千鳥足になりながら猛烈な睡魔と戦って時間を潰します。でも、今回はアパホテルに午後1時にチェックインできるプランを見つけました。

久しぶりの日本での食事。商店街で気軽に入れて手っ取り早く昼食を取れるところに。お寿司よりもアサリ出汁のラーメンに感動しました。

アパホテル。至るところに貼られた社長のプロフィール写真が濃い目ですが、他国ではありえないお風呂場の広さとともに感謝しながら体を清め、仮眠します。

すっきりと目覚めて品川駅に出向いてジャパン・レールパスの発券に向かいます。空港でもできますが、敢えて長蛇のインバウンド列を避けました。

夕食。ここの店はひどかった。お通しがクラッカーにハチミツ入りのクリームチーズって、◯カじゃないの。こんな駄品に700円も取っていた。しかもウワバミいわくトイレが汚かったと。お会計はもちろんクレジットカードで。

はしごしました。ホテル近くのお店。
https://kamata-dainingu-hukurou.gorp.jp/
ここはレトロな雰囲気も良くて感動しました。ホタルイカを酢味噌で食べることをすっかり忘れていました。やっと帰ってきた実感が湧きました。

翌朝、時間通り岡山行きのひかりに乗ったはいいのですが、乗車券拝見の際に財布に入れたはずのレールパスと乗車券がない！

お上りさんの我々は品川駅の人の多さと駅員の慇懃無礼な態度に圧倒され、駅弁を買った際に扱いに慣れていなかった新調したばかりの財布に収まらずに落としたようです。

動揺しきって深川めしの味が全く分かりませんでした。
現金で新神戸までの乗車券を買いました。車掌の若い女性の同情を買い、日常勤務をこなしながら品川駅に何度も電話をかけてくれ、京都行きの乗車券とレールパスが届けられたと教えてくれました。同日同時間帯に同じものをなくしたのは恐らく私と違って日本語が理解できない外国人。気の毒に思いました。

JRの英語サイトには「パスは再発行できず、現物のみが有効。紛失した場合、日本では必ず見つかるので失くした場所まで戻って下さい」と、他国では考えられない記述。そして私のパスも見つかった。なんたる国。

友人との約束をはじめ詰まった旅程が待っているので引き返すことは諦めました。円安ユーロ高とは言え、私は所詮現地雇いの薄給取り。この粗相は痛かった。親身になって対応してくれた車掌さんにチョコレートを渡そうかと思いましたが、思い留まりました。

神戸にて。友人の子どもたちが案内してくれたメモリアルパーク。ただならぬ空気が流れています。阪神淡路大震災、忘れてはいけません。合掌。

17年ぶりに再会した友人は3児の母で、9時から5時まで会社勤めでもほぼ休みがなしのパート。ウワバミという飲酒動物（？）の世話のみをしながらリア充生活を謳歌している分際で言うが、この待遇には怒りすら覚える。

日本では付加価値の有無にかかわらず長時間勤務をするのが美徳とされる。午後5時には会社から誰もいなくなるドイツにGDP総額で追い越されたのは円安が原因であるが、生産性や競争力など日本の個の数字が低くなっているのはサービス残業にあると思う。

そして長時間勤務ができない人を正規労働から除外しつつも都合よく労働力として利用する。下記のように不当な扱いに訴訟を起こす女性は稀で、大方は仕方がない制度だと受け入れざるを得ないのだろう。
https://suzukiyuta.jp/2023/10/26/case421/

日本のジェンダーギャップ指数が世界125位、合計特殊出生率が1.2と数字に表れるのは当然だ。平均賃金も他のOECD諸国と比べて低くしかも教育費が高い現状から専業主婦で育児ができるのはごくわずか。子育て支援金などをばらまいたところで少子化が解決されるはずがない。

と、いつになく字数が多くなってきたので、神戸の夕暮れ。とにかく友人と再会できて家族が幸せそうなのでよかった。

今宵の宿泊地は姫路。飲食店で喫煙というのはまたもやびっくり。

夕食後に一杯となると変なテーブルチャージを乗せるアングラな店しかないということは重々分かっているのだがこの店は最低だった。カード払いを押してみたけど断られた。現金を持ち合わせていないと口まで出かかったがやめた。

さすがに疲れが出てきたので寝坊しました。姫路城、雄姿を遠くから拝むだけ。

ブランチにうどん。おいしかったけど、超効率的な制度が理解できなくてごめんなさい。

乗り換えの岡山駅で。

みどりの窓口でレールパスを失くした窮状を訴えたところ山陽・山陰パスを発行してもらいました。日本国籍者が取得できないというルールは後で知りました。

私は日頃不得手な言語でも自己主張することが求められ、時折相手を論破することで食い扶持を得るような世界に生きているので、担当してくれた駅員さんは私の物言いにすごみを感じたのだろう。

特急やくも号に乗り込みます。

昨今新幹線の便が良い太平洋側はインバウンドで溢れているので、自称日本通のウワバミは日本海側が気に入っています。

車窓にはのどかな景色。残雪が見られたりと日本風土の起伏を実感します。

岡山駅前スーパーで仕入れた軽食。日本に住んでいればどうってことない品々だと思いますが、インバウンド人（←しつこい）にはどれも心に染み入るおいしさ。

大山が見えて米子駅を通過した後、島根県に入ります。

この旅行記へのコメント （2）

• salsaladyさん 2024/04/16 10:02:42

  辛口の帰郷旅。。。

  ☆久しぶりに「のまどさん」のブログアップなので！最近のヨーロッパ情勢を。。。と思ったら一年前の日本帰国談でした～ちょっと厳しめ（いつもですよね）～
  
  ☆海外からのインバウンド目線❓にしては居たい所を突く評価も有りですが、少子高齢化が進む日本にしては、インバウンドを歓迎する企画ばかり華やかに～
  
  ☆うわばみさんが日本海側を好むのは日本通だからですね。ジャパンレールパスにどんな特典があるのか知りませんが、「山陰、山陽専用のパス」を再発行されて良かったじゃないの？
  
  ☆今年の話だったら、もっと円安が進んでるので少しは胸がすく思いかしら？～see you～

  のまどさん からの返信 2024/04/17 05:44:47

  Re: 辛口の帰郷旅。。。

  今回辛味にハバネロを加えてみました。本物のインバウンドだったら純粋に楽しむだけの旅行になると思いますが、私の場合長年の葛藤があるもので。
  
  レールパスは外国人と日本離脱者が東京・大阪を新幹線で往復する料金を払えば新幹線からローカル線まで日本中のJRが乗り放題という魔法のチケットだったのですが、さすがに採算が取れなくなり最近値上げました。今回JRにはたくさん投資しました。
  
  円安が進むばかりで輸入業や日本人のアウトバウンドが弱くなっているのは残念です。もう少し円が強ければ各地で起きているオーバーツーリズムも収まると思うのですが。
  
  最近は月1回トルコに行っています。ここ数日イランの攻撃があって渡航注意が出ていたのですが、今日からなくなったので明日は出発できそうです。では、また。