インドでサイクリングは狂気の沙汰。

2024/01/31 - 2024/02/07

　やはり一度は行かなければならないとの義務感で嫁と二人で初インド。
　
　ムンバイに5泊して、市内の観光名所を自転車で廻ろうとの計画。
　しかし、インドでなになにをしようと目論んでも、全てインド特有の事情でそれが叶わないということを散々思い知らされた。
　それで、観光名所に行けたのは一か所のみ。
　インドで自転車に乗るというのが、どんだけ無謀なことか。

エリア ムンバイ(インド)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 1.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 3.0
• 交通: 1.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 自転車
• 旅行の手配内容: 個別手配

　成田からの直行便。中国の上空。

　先ず現地通貨獲得のため到着ロビーのATMへ。

　次にすることは携行した自転車の組み立て。
　ムンバイ空港はWIFIが使えないとのことで、eシムの設定はホテルに着いてからとこの時点では高を括っていた。

　宿に向かって自転車を漕ぎだすも、ほとんど乗って走れない。
　全く交通秩序というものがなく、車線などは関係なしに、そこの道路幅で走れるだけの車が走る。それでも少しでも少しでも隙間があればそこに突っ込んでいくツクツク。
　それにバイク・歩行者・野良犬が好き勝手に走り歩く。さらにクラクションの嵐、路面のひどさ。私たちが走れる場所がない。
　夜ということも相まって、嫁はほぼパニック状態。

　タイ・ベトナムで走った経験があり、まあその程度だろうと思っていたが、全くその比ではない。

　宿までそう遠くはない距離だが、随分と時間がかかるも何とか着。

　その宿。
　チェックイン時、マネージャに朝食を付けてもらうよう頼むと、全朝食を無料で付けてくれるとのこと。
　なおかつ、近くのこのホテルと同系列のレストランに案内してくれ、今晩は好きなものを無料で食べていいとのこと。
　さらに、部屋の冷蔵庫に入っているジュース類、全て飲み放題とのこと。

　何か裏があるのかと疑うも全くそういうことはなし。

　マネージャが本当に色々と親切にしてくれ、感謝感謝。

　さて、ネットをやろうとeシムの設定をしようとするもどうしてもうまくいかない。以前ほかの国でやったときは問題なく使えたのに。

　翌日、仕方ないので現地シムを手に入れようと、空港やショッピングモールに行くもない。更に、街中のスマホ店に行くもインド在住者じゃないとシムは売れない決まりとのこと。

　結局ホテル外ではネットができない状態で６日間を過ごすことに。
　自転車で回るのにグーグルマップは不可欠だが、オフラインマップで何とか凌ぐ。
　２日目は、物凄い道を１日中走って、何とかシムを探しまわっておしまい。

　３日目は、観光名所のKanheri Cavesを目指して、山道を走っていると、忽然と低層階級居住集落が出現。

　そこを通り過ぎて、グーグルマップに従って走っていると、行き止まりの所に。２．３度行き戻りするもどうしてもそこに案内される。
　近くに人がいたので、道を尋ねると、おもむろに大きな鉄の扉を開け、ここを行けとの指示でそれで解決。

　やっとまともに走れる道路と思ったのも束の間、そこはインド。
　道路幅の半分くらいまで、工事中の障害物がデンと横たわり、車が１台が通れるくらいのところに、上下線の車が我先にと突っ込むので、全く混乱の極み。
　お互い譲り合って、交互に通行するなんてことは考えない。
　またこの工事も、もうかなりの期間放置されたままになっている様子。
　これもインド。

　やっとその混乱を抜け、こんな道を通って目的地の手前まで来たところで、道に門みたいのがあり、そこに立っていたガードマンに制止される。
　グーグルマップの案内に従ったのだが、これから先は私道で行けないとのこと。
　それを通れないことになると、15km遠回りになり、インドの道をこの距離遠回りすることは、死刑宣告に等しく結局目的を断念。

　２日目はシムを、３日目は観光を諦めた２日間。

　やはり路面状況が良くないです。パンク修理。

　それでも何とか宿に帰る途中にMahakali Cavesなるものを見つけそこに立ち寄り。
　ここに入るのも一悶着。入場料は現金不可で、ネットにつないでカード決済しろとのこと。ネットが繋げないからできないというも埒が明かず。
　たまたま韓国の方がそこにきて、我々の分も代わりに支払い手続きをしてくれ、その方に現金を渡した次第。

　うーん、インド、恐るべし。

　帰路、こんなところで夕食をテイクアウト。

　インドの食、食材・料理は違えど全て味付けはカレー。やや食傷気味。

　４日目は、体調を壊した嫁を宿に残して、一人でハッジ・アリー廟へ。
　もの凄い道路事情に揉まれながら着。
　ところが、もの凄い人の数で何時間も待つことになりそうだったので撤退。

　やむなく宿に帰ることにし走っていたところ、大きな公園があったので、息抜きと立ち寄ることに。
　ところが普通の公園なのに、入場するのに書類を書かされ、挙句の果てに帰るときに、料金を払わされる。それも入場口で徴収されるのではなく、この紙をもって公園管理事務所で払えとのこと。

　これもインド。

　４日目は有料の公園見物のみでおしまい。

　５日目は、自転車に懲りて、体調が回復した嫁と、徒歩で付近散策。

　インドはいろんな不思議に満ち溢れているが、私にとって最大のものはこれ。
　こんなちっちゃな店で大の大人が一日中店番をしている。この規模で一日でどのくらい売れるのでしょうか。こんな店がそんじゅそこらに。

　６日目、日本に帰ります。空港だけは小奇麗です。

　空港の売店で見かけたタバコ。すべてのパッケージに印刷されています。タバコが健康を損なうという警告でしょうが、もうグロすぎます。

　まもなく成田です。

　奇麗な所を見たわけではなく、また楽しい思いをしたわけでもないですが、インドを肌身で感じたということで、まあ満足の行く旅行でした。

　成田空港の牛丼屋、カレー味じゃないです。

この旅行記へのコメント （6）

• ももであさん 2024/02/23 16:56:09

  偉大なる魂

  Eiji Haitaさん
  
  インドで自転車それもレンタルではなく携行とは何たる武勇伝!!
  
  オートリキシャー、人力シャー、車、自転車、人、お牛さま、ヤギ、
  犬、ラクダ、豚が我先にと闊歩する
  
  逆走オッケー、車線関係なし、クラクションは鳴らすのが流儀、
  有料道路すらデコボコ道
  
  ちょっぴり経験があるのでそのハチャメチャ振りはよく分かります。
  
  結果は散々でもチャレンジ精神は、マハトマほど偉大でしたね👍

  Eiji Haitaさん からの返信 2024/02/23 20:44:43

  Re: 偉大なる魂

  　ご訪問・書き込みありがとうございます。
  　20か国くらい、マイバイク携行で走ってきましたが、今回が一番楽しかったのかもしれません。あなたならご理解いただけると思いますが、筆舌に尽くしがたい（ハチャメチャな）経験を味わってきました。
  
  　あなたの旅行記少し見させていただきましたが、あなたも充分ハチャメチャなご旅行をなさっているような。
  
  　そして、あなたの旅行記、独特の味を持ってもいるような。
  
  　

• nekochanさん 2024/02/22 02:03:03

  お疲れさまでした！

  Haitaさん
  
  やはり苛酷な旅行だったんですね。奥様の体調は今いかがでしょうか。
  
  インドって自転車って走れるのかなとインドには行ってないけど思ってました。
  走れなかったんですね。
  シムが使えないというのはまた予想外。
  だいたい空港でフリーWifiが使えないところってあるんですね。
  そしてたいていの国だとアライバルを出たところのシムの売り場の呼び込みがすごいですよね。ムンバイには売り場がないとは。
  IT大国インドってそういうこととは違うんでしょうか。
  ホテルのマネージャーさんがいい人でよかった。
  
  それでも旅行の満足度4.0にされているHaitaさんはすごいです。
  何事も経験しないとわからないですもんね。
  わたしもインドは行ってみたいのですが、行くなら早く行かないと体力の点で無理だなと思います。Haitaさんの旅行形態とは絶対に違うとしてもインドに行くには体力が必要ですね。
  
  インドと同じくらい混沌としたコメントでどうもすいません。
  

  Eiji Haitaさん からの返信 2024/02/22 14:18:55

  Re: お疲れさまでした！

  はい過酷でした。
  　旅行の途中でfacebookにアップし、その反応の中に「修行の旅ですね」というのがありましたが、連れ合いはそれに「いえ、修行ではなく苦行です」と、返答していました。
  　何か事に当たって、今までの生活・旅行経験から「こうだろう」と予想しますが、インドではすべてそれが通用しません。その時ずっと心で「これがインド」と呟いていました。
  　
  　インド、是非出かけられてください。その時、楽しいこととかきれいな景色を見るとか一切期待しては駄目です。（まあ、他の地・他の旅行形態では違うかもですが）
  　インドのカオスを全身で感じ取って良しとしましょう。
  
  　連れ合いの不調は、インドに行った人がほとんど経験する下痢でした。生水とか屋台の食とか一切取らず充分に注意してはいたのですが。
  　ただ、帰国2日目ぐらいから、二人ともかなり強度の風邪を発症し、随分と苦しめられました。まあ昨日ぐらいにかなり改善はしました。インドの謎のウィルスにやられたのかな。
  

  nekochanさん からの返信 2024/02/25 01:58:06

  Re: お疲れさまでした！

  Haitaさんと奥様　強度の風邪はもう完全に治りましたか？
  苦行を乗り越えて体が疲れたのでしょうね。
  ストレスのあとほっとすると風邪をひくパターンがわたしは多かったです。
  
  わたしと夫の旅行は極楽ツアーだったにも関わらず、二人とも風邪を引きました。（夫は最初の行程にかなり文句を言っていましたが）
  ベトナムから帰って夫はすぐ風邪を引き、わたしは大丈夫だったので安心していたら風邪を引きました。今週月曜日に喉と体の痛み、火曜水曜に発熱と頭痛、木曜日に少し全部よくなったかと思ったら、金曜日にまた喉と体の痛み。咳追加。
  何周繰り返すのかわかりません。
  これはインドから来た謎のウイルスでしょうか笑
  
  いろいろ含めて旅行は楽しいですね。

  Eiji Haitaさん からの返信 2024/02/25 18:26:15

  Re: お疲れさまでした！

  　お二人とも、うちの夫婦同様風邪をひかれたとか。
  　やはり疲れなんでしょうね。連れ合いは喉にきて声が全く出ず、私は咳込むという状況が１週間くらい続きました。
  
  　大分から成田に着いて、成田空港内で泊。そしてムンバイまでエコノミークラスなのでほとんど眠られずに着き、それから自転車であの過酷な道路を走り宿に着。
  　翌日からまた自転車で死ぬ思いをして、あちこち走りまくり、当然疲れますね。連れ合い、こんな過酷な旅行によく付き合うなと思います。
  　
  　ビジネスクラスで移動し、居心地のいいリゾートホテルでゆっくりするというような、あなたの優雅な旅行形態に本当に憧れます。
  
  　ところで、行く直前までインドは嫌だ嫌だと言っていた連れ合いですが、帰ってきてからは、会う人ごとに「良かった、得難い経験をして、結果的に楽しかった」と宣わっています。
  
  　是非あなたも行かれて下さい。