
2023/06/10 - 2023/06/10
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SamShinobuさん
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長男とはよく「寄席呑み」と称して、寄席とセットではしご酒を楽しんでいる。前回の寄席呑みは池袋演芸場の昼席だった。池袋のガチ中華を堪能した後、有楽町のガード下やニュー新橋ビル地下など都内狭しと5軒もはしごしてしまった。
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御徒町駅
御徒町という駅は影が薄い。見どころいっぱいの上野に比べて取り立てて誇れる物もなく、上野の端というイメージしかない。そもそも御徒町の御徒とは馬に乗ることが許されない下級武士のことで、そんな下級武士が多く住んでいたから御徒町と名付けられたというのだから情けない。 -
今日はそんな御徒町で息子と待ち合わせ。
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パンダ像
御徒町駅南口で待ち合わせるなら、やはりパンダ像が分かりやすい。
そしてここでもパンダ=上野にもかかわらず、「おかちまちパンダ広場」とちゃっかりパンダに乗っかってるあたり、御徒町の小物感が拭い去れない笑。 -
吉池
そんな御徒町でも、ひとつだけ自慢できるのが1920年創業の鮮魚スーパー「吉池」だろう。上野界隈で魚を買うなら昔から吉池と相場は決まっている。北海道道東に自社の水産加工場を持つ、プロも通う魚介専門店だ。
また、パンダ広場に面した吉池ビルの入口横に、吉池のテイクアウトコーナーがある。ビール、日本酒、コーヒー、海鮮串焼き、焼鳥、ホットドッグ、ソフトクリームなどなんでもござれの売店で、専用スタンドもあるのでちょっとした時間潰しや待ち合わせにも最適だ。 -
吉池をぐるり探訪。
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14:00 「味の笛」
御徒町駅ガード下には、その吉池直営の居酒屋「味の笛」がある。南口改札を出てから徒歩1分という便利さ。
魚の鮮度と旨さは言うまでもなく、特筆すべきは居酒屋激戦区の上野界隈でも激安の優良センベロ店ということだ。
土曜日は14:00オープンなので、開店と同時に暖簾をくぐった。 -
1階は立ち飲み、2階は立ち飲み+椅子席なので、支払いは立ち飲みの基本ルールであるキャッシュオンだ。カウンターに並ぶツマミを、自分でレジに持って行くスタイル。おじさんは迷わず2階の椅子席へ直行。
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生ビールはプラカップだが、スーパードライが330円(税込)は安い。
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刺身2点盛り 450円(税込)。
新鮮!言うこと無し!ここではパックのフタを醤油皿にするのが、暗黙のルール。生おろしわさびにも吉池マークが。
鯨ベーコンは 350円(税込)だったかな。
かつて鯨が給食のメニューだった頃から、凝縮された旨味と独特な食感から大好物だった。そして大人になってあらためて気付かされた、酒とのマッチング率100%。食紅で着色された周りの赤色が食欲をそそる。最近は着色のない鯨白ベーコンもあるが、やはり鯨ベーコンと言ったら、この人工的な赤味が安っぽくていい。
自家製イカの塩辛 250円(税込)。 -
時鮭の氷室漬焼き 400円(税込)。
春から初夏にかけてが旬の時鮭(ときしらず)を味噌風味の氷室漬焼きでいただく。脂の乗った北海道の贅沢を400円で味わえる。 -
別海産ニシンみりん干し焼き 300円(税込)。
北海道といえばニシンなので、これも外せない。 -
帆立串、値段は失念してしまったが、これも絶品だった。息子もあまりの旨さに、日本酒が恋しくなってきたようだ。
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そこで今日は佐渡の北雪(ほくせつ)430円(税込)を燗で。日本酒は新潟(越後)の地酒が各種揃えられている。
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醤油も吉池ブランド。
メニューを見ると全体的に値上げしている。物価高騰のこのご時世、仕方がないだろう。それでも十分格安で、久しぶりに旨い魚と地酒を堪能した。 -
アメ横
人出はコロナ前に完全に戻ったようだ。 -
摩利支天徳大寺
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味の笛でフライングしてしまったが、「今日もいいお酒が飲めますように、オンマリシエイソワカ」と摩利支天のご真言を唱える。開運勝利の守護神である摩利支天のパワーを貰って、元気が出てきた気がした。
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3時になると境内の鐘が撞かれるが、すぐ後ろを走る山手線の走行音に邪魔されるカオス。やっぱりこのお寺、面白いなあ。
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さあ、ほろ酔い気分でアメ横を練り歩くとしよう。
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15:10「天天楽」
アメ横に店舗を構えるガチ中華の名店。入る予定ではなかったが、中国人店員の呼び込みに負けて素通り出来なかった笑。 -
目の前を通り過ぎる多国籍の人たちを眺めながら、2度目の乾杯。僕はレモンサワー、息子はウーロンハイ。彼はいつもウーロンハイを飲んでいる。
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焼冷麺 500円を注文。
焼冷麺と言っても冷麺を焼きそばみたいに炒める訳ではなく、冷麺の薄い生地に生卵を塗りつけて焼き、ソーセージや野菜などを包んだ物。パクチーがいい仕事をしており、甘辛いタレがまた旨い。冷麺は朝鮮族の食べ物だが、朝鮮族の多い黒龍江省の屋台が発祥らしい。 -
アメ横と上中(うえちゅん)。
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上野恩賜公園
明治6年(1872年)に東京府に日本で最初の公園が5つ誕生した。どれも寺社の境内を公園にしたものだが、寛永寺の上野公園はその中のひとつである。他には増上寺の芝公園、富岡八幡宮の深川公園、王子神社の飛鳥山公園、今は無き浅草寺の浅草公園と、浅草公園以外は今でも公園として残っているのが凄いと思う。 -
紫陽花が見頃だった。
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清水観音堂
京都清水寺を見立てている。
そもそも上野公園一帯を境内とした寛永寺自体、京都の比叡山延暦寺を見立てている。この辺りはやたら見立てが多いが、花のお江戸の時代になっても西に対する憧れは強かったのかな。 -
上野東照宮
上野東照宮は上野恩賜公園内にある徳川家康をお祀りする神社。1627 年に藤堂高虎が自身の敷地内に創建した。
大河ドラマ「どうする家康」をちょうど観ているので、せっかくだからお参りしていこう。 -
東照宮は日光東照宮が一番有名だが、久能山東照宮ほか日本中にある。
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石燈籠は1651年に諸大名から奉納されたもので、200基以上ある。
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銅灯籠は48基。
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社殿の正面に位置し、金色にきらめく「唐門」。正式名称は「唐破風造り四脚門」。
この社殿は1651年に家光によって、日光東照宮までお参りに行けない人のために建て替えられたものが現存している。 -
唐門の両脇には左甚五郎の昇り龍、降り龍がある。左甚五郎は日光東照宮の眠り猫の作者だが、落語ファンにとっては「竹の水仙」や「ねずみ」の登場人物としても馴染み深い。
また講談ではこの昇り龍、降り龍が不忍池の水を飲みに夜な夜な抜け出すという話があるらしい。 -
五重塔
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大石鳥居
1633年に奉納されたこの鳥居、関東大震災や東京大空襲にも耐えたツワモノだ。 -
16:00「東照宮第一売店」
上野公園で昼飲みできる大人の秘密基地と勝手に呼ばせてもらっている。
東照宮の大石鳥居の脇に建つ掘ったて小屋(失礼!)は、1951年竣工当時からほぼ変わっていないらしい。 -
店のおばちゃん曰く、かつて公園内にはこのような売店が31軒あったそうだが、今ではこの第一売店のみになってしまった。創業者の子供3兄妹が店を受継ぎ、3人とも70代になった今も仲良く営んでいる。
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店頭ではもんじゃまんがよく売れているが、中の食堂ではカレーそうめんや夏期限定のパンダそうめんが名物だ。
迷わず瓶ビールを注文。本日3度めの乾杯。
裏の桜の木が建物を押しており、店内の奥の壁が内側にせり出してきている。これ、倒壊も時間の問題じゃなかろうかと毎度心配になる。 -
ビールのアテにはたらこ焼きそばがオススメだが、今日はもうお腹いっぱいだったので、味噌おでんをもらった。
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街道の茶屋で一服している江戸の旅人の気分に浸っていると、おばちゃんが「ごめんね、そろそろラストオーダーなの」と言ってくる。店は16:30までらしい。息子が「えっ、もう?」と驚くが、ここは飲み屋ではないのです。さすがにこの時間では東照宮の参詣人もほとんどいないだろう。それより、おばちゃんの口からラストオーダーという横文字が出てきたほうがなんだか意外だった。だって気分はすっかり江戸の旅人になっていたから。
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不忍池辯天堂
江戸時代初期に創建された天台宗のお堂で辯才天が御本尊として祀られている。 -
不忍池を琵琶湖に見立て、更には池の小島を琵琶湖の竹生島(ちくぶしま)に見立てて辯天堂を建立。竹生島の宝厳寺から辯才天の分霊を迎えた。お堂は一度戦災で消失したが1958年に再建された。
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宇賀神は人頭蛇身の財をもたらす神様。
弁才天との神仏習合の中で造作されたという説もある。しかしまあ、なんとも可愛らしい蛇おじさんだ。 -
不忍池の蓮の花は7月中旬頃から見頃になるのでまだ早いが、水面を覆い尽くす蓮の青さが目に美しかった。
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落語前に3軒も飲み歩いてしまった。昼酒の酔いが全身に回って、いい塩梅で落語が聴けそうだ。
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鈴本演芸場
夜の部の開場は16:30。開演は17:00。
1階の入り口にある切符売り場の上に寄席太鼓の櫓が設置されている。ここで開場前の一番太鼓や終演の追い出し太鼓を叩くのは前座の役目だ。16:30開場と同時に叩く。17:00ぎりぎりに着いたので、一番太鼓は聴けなかった。 -
東京の寄席は、ひと月を上中下と3期に分けて、落語協会と落語芸術協会が交互に出ている。しかし鈴本演芸場に限っては出演者は落語協会の芸人のみだ。以前は鈴本も落語協会と落語芸術協会が交互に出ていたが、落語芸術協会の客入りが悪く経営を圧迫していたので、鈴本は落語芸術協会の興行を減らそうとした。落語芸術協会はそれに反発し鈴本と喧嘩別れしてしまった。そのため1984年以来、いまだに落語芸術協会は出禁となっている。
入場料は3000円。
285全席自由席で、いつでも入退場して構わない。座席でお弁当やお菓子、ビールなど飲食も自由。持ち込みだってOK。売店ではお菓子やお弁当を販売しており、館内に缶ビールの自動販売機もある。しばらくコロナで飲食やアルコールが禁止だったが、今回解禁になっていた。 -
さあ、二番太鼓が鳴って、夜の部が始まる。
1、古今亭菊正の「締め込み」は、間抜けな泥棒の噺。菊太楼の弟子で今年二つ目になったばかりだが、なかなかしっかりしていた。
2、春風亭一蔵は「権助魚」。
一朝の弟子で昨年真打に昇進したそうだ。
3、古今亭菊丸「千早振る」。ベテランの妙味。
4、紙切りの林家楽一は正楽の弟子。
5、柳家喬太郎の新作落語「オトミ酸」は初めて聴いたが面白かった。菊丸師匠が「千早振る」を演ったのを受けて、そのパロディとも言える「オトミ酸」をとっさに演った。「千早振る」同様、「お富さん」の歌の解釈をご隠居が知ったかぶりする。粋なクロベエさんが祭りでガーターベルトを拾ってオトミ酸で殺されそうになるという滅茶苦茶な内容だが、マクラからくすぐりまで天才喬太郎は相変わらず大爆笑の渦。
6、上方からは桂文我が、古事記を題材にした新作を演った。ヤマタノオロチの頭は八ツ頭の味がしたと言うサゲは、林家しん平師匠の「オロチ」と同じ。十代目金原亭馬生が生涯一度しか演らなかったという幻の噺「オロチ」から持ってきたのだろうと推察する。
18:45にお仲入り。
息子は柳家喬太郎のファンなので、今回は喬太郎が出ている鈴本演芸場にした。お目当ての喬太郎を聴き、桂文我の一席が終わって仲入りになったので、今日のところはここでおしまい。
トリの古今亭菊太郎は大昔だが一緒に飲んだことがある。宴のラストは銀座のクラブまでお付き合いいただいた。そんな縁もあって菊太郎まで聴きたかったが、後ろ髪引かれながら鈴本演芸場を後にした。 -
19:30 「たんぽぽ」
地下鉄で新橋にやってきた。
先ずはニュー新橋ビル地下をぞめいてみよう。ただ、今日は土曜日なのでニュー新地下はほとんど開いていない。よく知る福建人のお兄ちゃんの店がやっていたので入った。 -
本日4軒目。お通しはマカロニサラダ。豆苗炒めと冷やしトマトを注文し、レモンサワーで乾杯。
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やっぱりニュー新橋ビルは落ち着くなあ笑。
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21:00「MOMO」
さて、お次は新橋駅前ビル2号館地下の隠れ家「暁」にボトルが入っていることを思い出し行ってみることに。でもあいにくここもお休みだった。
そこで息子と新規開拓しようと新橋駅前ビルでフィールドワークを開始する。早速、1号館1階に見つけた「MOMO」というカウンターバーが良さげだと息子が言うので入ってみた。本日5軒目だ。 -
お酒は全品500円、チャージなしのキャッシュオンとのこと。ジャックダニエルの水割りをもらう。
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店主はミャンマー人のモーちゃん。
なんと11人兄弟の長女だって!まだ店を引き継いで1ヶ月くらいで色々試行錯誤しているらしい。SNS顔出しOKだそうです。 -
お隣のお客さんと仲良くなって話していると、この店やモーちゃんについて教えてくれる。
てっきり常連さんかと思いきや、今日初来店とのこと。「その情報いつ仕入れました?」と聞くと「30分前^_^」。それからも色々説明してくれるので、その度に「それ何分前の情報?」とツッコむ流れになった。
モーちゃんが新メニューでミャンマーカレーを考えていると言う。先ずはハッピーアワーでミャンマーカレーとドリンク2杯をセットにしたいが、幾らにしたらいいかと相談された。本人は1,000円にしようかなというので、皆で「安過ぎるよ」とか、あーでもないこーでもないと経営会議が始まる。結局最後は息子が提案したカレー+ドリンク1杯とドリンク2杯の2パターンでそれぞれ幾らというアイデアに落ち着いたようだが、果たして本当に採用されたかどうか。確認のために再来店しなければ笑。
ジャックダニエルを随分とお代わりしたようで、店を出る頃には足元が覚束なくなっていた。
息子とは次回は新宿末廣亭ねと約束し、それぞれの帰路に就いた。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (1)
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- mom Kさん 2023/07/24 07:52:35
- 夢見るコース
- 父と子。しかも男同士。想像するだけで女の私でも、追体験で最高!それになんですか、このコース!この演芸場は、向かい歩道から眺めては、いつかと何度思っているか。「いつか」のない年代真っ只中なので、急ぎます。狙いは9月。次の上京予定。別海産のニシンのみりん干しをこれからメモします。感謝。
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